眩暈 VERTIGO
だいぶ前に見た映画だけど、
これについても、記録しておかなければならない。
これを見に行った動機は単純。
超一流の詩人、吉増剛造さんには、
もしかしたら失礼に当たるかも知れないけど、
今回、このドキュメンタリーの主人公の吉増剛造さんが、佐野元春さんと対談したことがあること
さらに、
佐野元春さんの楽曲「新世界の夜」が、
エンドロールの音楽としてインストロメンタルで使われることになったということ。
原曲はこちら(AppleMusic)
超一流の詩人でいらっしゃる、吉増剛造さんが、
アメリカで活躍した親友で映像作家で詩人の、ジョナス・メカスが亡くなったあとに、彼の足跡を辿りその生涯や功績を形に残し、
追悼の詩を残す形で、後世に何か大切なものを残そうと、作られたドキュメンタリー映画だ。
しかしながら、、
吉増剛造さんの世界を、
理解するには、私には大変に難しく、
何かわからないけど大切なメッセージが込められている、そのメッセージを少しでも理解しようとして、かなり心と頭を使った。
そしてぐったりした。。笑
佐野さんは、ポップソングをかく、現代の詩人であり、
時々、佐野さんの詩でも、その意味を充分わからないところはあるものの、
不思議と惹きつけられて、心に残る。
そして数々のイメージしやすい詩たちは、
私を大きくささえてくれたものだ。
いわば詩を、現代の、文学的な素人の元にも届く形にしてくれたように思う。
(佐野さん自身はすごく文学に通じている。
サリンジャーにジャック・ケルアックに、その他たくさんの海外国内問わずの本を読みこなしている)
厳しい生活の中で、人生のなかで、
間違いなく支えとなる佐野さんの詩は、
ぜんぶわからなくてもとても身近なもの。
その身近なものを提供してくれる佐野さんが、
吉増剛造さんと対談したのを見たときは、
佐野さんの頭脳にとても私はついていけず、
身近に感じるなんて烏滸がましいかと思ったほどだ。
ただ、吉増剛造さんの、厳しくも真摯な生き様と、メカスとの間の、素晴らしい友情と愛は、
私にも感じ取れる。
この真摯さは、やはり、見習うべきだと思う。
頭と心をすごく働かせて、
だいぶ疲れた2時間。
ようやく最後のエンドロールに
佐野さんの新世界の夜がインストルメンタルで流れた。
そして、
音楽:「新世界の夜」
佐野元春&コヨーテバンド
の文字が現れたときは、
思わず拍手してしまった。
秀逸な文学畑の方がたくさん集う中で、
やや申し訳ない気もしたけど、
何人かはこの映画館の中に佐野元春さんのファンが混ざっているわけだし、
監督の井上春生さんは、
楽曲の使用の許可を得たとき、
佐野さんに心からの感謝の言葉を伝えたということだから、
許されるだろう。。
私は、この、エンドロールに、
佐野さんの名前が現れる、
この瞬間を見たいがために、
2時間頑張ったのだと、思った。
その後、トークイベントがあり、
吉増剛造さんが登壇された。
詩の中の話よりはだいぶわかりやすく、
素敵な人生の先輩なのだ、と思えた。
井上春生さんもいらしていたのに、
声をかけられなかったのを少し後悔している。
この映画は、海外でも放映され、
高い評価を得ている。
映画の感想から外れてしまうかも知れないけど、
40年以上も支えにしてきた佐野元春さん、
そしてコヨーテバンドの名が、
世界をかけめぐるんだなあ。。
でも、より遠い存在にならないで欲しい気持ちもあり、複雑だ。。
佐野元春&コヨーテバンド
初夏zeppで逢いましょう、ツアースタート@福岡の日に。
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