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読書日記

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#note毎日更新

読書日記*死にたがりの君に贈る物語

『#読書の秋2021』の課題図書に『死にたがりの君に贈る物語』という本があって読んでみた。 知らないうちに涙が落ち、一気に読み終えた。 最初は何も情報を入れないで、ちょっと斜に構えた感想を書いてみようかと思っていたら、この作者の想いを読んでしまった。 もうただの感想は書けない。 純恋のようにファンレターを書いてみようと思う。 ただ著者が読んでくれればそれでいい。 ※下記、ファンレターですがネタバレを含みます。 綾崎隼さまへ 『死にたがりの君に贈る物語』電子書籍で読ませて

読書日記*闇とは光とは何か『教団X』中村文則

この世界に闇はある?光はある?と、物理的なことじゃなく考えてる。人はだれも自分の中に闇があって、光を求めて生きている。光だと思って安心していると突然、闇の中へ放りこまれ、また光を探してさまよい歩く。 光があっても、それが当然になり、暗さが欲しくなり闇が忍び寄ることに、ぞくぞくする感覚を覚えてしまう。 こどもの頃、大人になりたいと願ったのは、闇を持った大人たちを真似したいからだろう。 失敗しない(負けない)ゲームは、おもしろくないから、不幸は少しずつ心に入り込み、やがてそれが

読書日記*恋の終わりは人を強くするのか『白いしるし』西加奈子

”女32歳、独身。誰かにのめりこんで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた”主人公の恋物語。 今回もネタバレなしですが、もやもやとした人への気もちに向き合うことを、とっても考えた本です。 職業柄、絵を描く人間や、音楽を扱う人間に会うことが多いが、それは、そういう人間によくある特徴だった。自分のもやもやとした、でも確実にある「思い」を、ぴたりと言い当てる「言葉」を考えつかない。無理に言い表すと、そこに僅かでも齟齬がうまれるから、言葉を使うことを手放し、それを絵画や、音楽で表現する

読書日記*ああ面白かったと感じることが夢『ひとりずもう』さくらももこ

さくらももこさんの本は、笑いながら泣けてしまうことがある。 繊細すぎる感性で、イタく感じてしまったりかわいいと笑ってしまったり。お亡くなりになるまで、まる子ちゃんそのままのような、こどもの感性の人だったみたい。 この本はさくらさんが漫画家になるまでを書いた自伝エッセイ…なんだけどまるでまる子ちゃんが話しているような世界。笑ってしまうけれど、まっすぐでやさしい。 片想いの終わりと共に、自分自身への挑戦がやってきた。もうくだらない夢を見ている場合じゃない。まずは明日、紙とペン