ソベラノJr.の下積み時代が思いのほか厳しかったので翻訳した

ソベラノJr.の下積み時代が思いのほか厳しかったので翻訳した

ソベラノJr.は祖父の代からルチャドールという才気あふれる若い選手で、人気も高く、顔もいい(マスクだが)。日本には”ソベ様”などと呼ぶファンもいる。本人も「あなたを3語で表すなら?」と聞かれたら「Muy guapo(超かっこいい)。あっ、2語だね、えへへっ」と堂々と答える王子様だ。

父はエウフォリアというCMLLで活躍する大物ルチャドール。そのためか私は無意識に2世タレントへの偏見をバリバリに持っていた。苦労知らずだろう、といった類の。

しかし実は違った。彼のキャリアは決して順風満帆ではなく、むしろ食べ物にも困るレベルで厳しかったようだ。少し昔のものだが2018年11月のこの動画を見て、彼にも奥歯を噛み締めて登った階段があったことを知った。すまん。罪滅ぼしも兼ねて詳しく紹介させてもらう。終わりにはCMLL公式動画の「100の質門」の翻訳も付ける。彼の過去を知った後では、王子様然とした受け答えはプロとして鉄のメンタルを貫いたようにも見え、また違った味わいなのだ。

※ゲレーロ・マヤJr.の記事では、動画をこれから見てもらう前提で書いたが、ソベラノJr.は彼と違って超早口だし「まじで」とか「くっそ」を大量投入する若者話法でしかも動画は58分ある。これを日本で聞くのは狂人だけだ。つまり私だけしか見ない前提で編集させてもらう。と気楽に書いていたら軽く6000字を越えた。やはり正気ではない。

■ファンタスティカマニアの思い出

ソベラノJr.は新日本プロレスのファンタスティカマニアには2017年から4年連続参戦中。このインタビュー時はちょうど2019への参戦が決まったタイミングで、思い出話がいろいろ出てきた。

「2回目のファンタスティカマニアでは道場で朝食を食べたんだ。新人の選手が食事を作るんだけど…」

ここでコメンテーターが「新人が作ったメシってwww」と突っ込むも「いやいや、それが超おいしいんだよ!」と続け、付き人制度などメキシコとの違いがいろいろと語られる。

「日本では若い選手がいろいろと仕事をする習慣があるんだ。食事を作り、服を洗濯して、荷物を用意して…メキシコにはないから驚いたよ!

日本とメキシコでは随分違う。例えばメキシコだとロープが等間隔だけど、日本は1段目が高くて、2段目は狭くて…。慣れてるサイズじゃないから、『トルニージョしよっ』と思ってもアレっまじかよってなる(笑)。あと締め方もメキシコより緩い。

でも初めての日本では見たことのないタイプの試合が観られた。石井智宏vs鈴木みのる戦を楽屋で観てたけど、これでもかって打撃を打ち合ってて、いわゆる『ストロングスタイル』だよね。メキシコと日本の違いを実感した。で、ボラドール・ジュニアとオカダ・カズチカと雑談してたんだけど、オカダが『鈴木みのるとシングルどう?』とか言うから『ムリムリムリムリ』って(笑)」

そのあと気になる外国人選手を尋ねられ、飯伏幸太の名前を挙げる。

「彼はケニー・オメガや鈴木みのるとも試合するけど空気の入った人形とも戦うんだよ!」

■ソベラノ少年はいかにしてプロを目指したか

さて、ここからは「パパの大ファンだった」ソベラノ少年が、生まれ育ったメキシコ北部の街トレオンからいかにしてプロのルチャドールになったか。

「ルチャリブレは8歳で始めた。練習に行ったら、客席から見てたマスクマンがみんな素顔で来てて『うわあマスクしてない』ってびっくりした(笑)」

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明知真理子

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arigato!
ルチャリブレ研究家/プロレス歌人。編集者/ライターとしても活動中ですが、ここではルチャリブレのことだけ書きます。 編集協力:集英社『週刊プレイボーイ』/彩図社『東郷見聞録 世界一周プロレス放浪記』/新日本プロレス「FANTASTICA MANIA」シリーズ公式パンフレット