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Aleppo 1972

Mario Takahashi
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この曲もかなり昔作ったものですね。フレームドラムを使っていて懐かしいのでちょっとアップしますね。ジャケ写真はトルコからシリア砂漠を越えやっと着いたアレッポの街をパチリしました。もう50年近く前なので現在はかなり違っていると思いますが、また現在は治安が悪く旅はできませんが、1972年当時は平和でぼくのような20歳の若造のひとり旅ができました。ちょっと旅行記から、、

バスが故障、砂漠の中をダンプカーが引いてゆく(シリア)

 イスタンブールに一週間いた。
次の街はアレッポ。
多くの旅人はイスタンブールからシリアへと地中海沿岸を行く。
クリスマスまでにイスラエルへ入りたい。
イスラエルへの飛行機での入国ルートは様々。
欧州の各都市からの直行便。
アテネからキプロス島へ飛びニコシア経由でテルアビブへ入る。
後は陸路、ヨルダンからウェストバンクへ入れるという情報をつかんだ。
「よしじゃあ陸路で安上がり」
アダナを通りシリア国境まで行った。
アンカラとかイズミールの方へ向かう連中と別れ、汽車に乗り国境に到着。
アレッポ行きの大型バスに乗り換え、トルコからシリアへ行く人々と同乗。夜の0時にバスが出発。
シリア砂漠はかなり寒かったが、疲れていたから乗るなり寝てしまう。
二時頃、砂漠のど真ん中でバスが止まってしまった。
「何が起きたんだろう?」
「エンジントラブルで動かない」
仕方なく一時間ぐらい砂漠でアラブの人たちと暖をとった。
砂漠のブッシュ、枯れ草を集めて火をつけた。
十二月のシリア砂漠は非常に寒い。
そうこうしているうちにダンプカーが来てワイヤーをバスに繋いで引っ張る。
シリア砂漠を四時間、七時になってようやくアレッポの町に着く。
アレッポはシリアアラブ人だけ。
女性の姿は見かけない。
頭にパレスチナゲリラが被るようなマフラーを巻いて、口ひげをはやしており、全員がアラファト議長のよう。
僕も頭が寒かったのでそのマフラーを買い、そく現地人になる。
バスステーションでベイルート行きの切符を買う。
寒いので暖をとる。
日本では見たことのない石油ストーブ。
一滴一滴床に落ちた石油を燃す非常に原始的なストーブ。
ほんの少しだけ暖まる。
ベイルート行きのマイクロバスが僕をまっている。
ベイルートをめざした。
ひとりぽっちのローレンス。                      

「ひとりぼっちの地球街道」出版社:悠飛社

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