見出し画像

奇跡のアンブレラ

旅のくだらない噺手帖「ミャンマー・ラオス旅編」
前回『全てを滝に流したら。』も是非お読みください。

クアンシーの滝から戻り、ルアンパバーンを最後まで楽しむべく、中心部へ繰り出した。寺院を見たり、雑貨店で買い物したり、マッサージしたりと、町を端から端まで練り歩いた。

画像3

ナイトマーケットの風情とは違って、少しお高くておセンスの良い商品が並ぶ雑貨店巡りをした。これはラオス版ドリームキャッチャー。

画像4

「ルアンパバーン国立博物館」の敷地内にあるお堂。中に入ることは出来なかった。黄金と緑の組み合わせって斬新。だけど調和してる。博物館は当時の王室で使用されていた調度品が並び、まさに王室に招かれたような感覚になれて楽しめた。

しかしその間もトイレ巡りは続いているが。

画像3

こちらはルアンパバーンで一番有名な寺院「ワット・シェントーン」
外壁の模様がとても精巧に作られていて、美しい。

画像9

中では僧侶(主に子ども達)が大きな声でお経を唱えていた。寺院内に入り、正座して、同じ空間を味わうことも出来た。お経は分からないが、日本人にもある文化なのでなんだかしっくりきた。どうにか傘が見つかりますように、そうお願いした。

画像4

寺院から出ると、一見怪しいがノリの良いおじさんに話し掛けられ、川辺まで連れて行かれた。どうやらボートに乗れと言うことらしい。そういえばメコン川をまだ堪能してないなってことで、乗ることに。

画像5

貸しきりの船は気持ちを高揚させた。私たちの目的地まで普通に向かったら10分くらいだったのだが、おじさんは「30分くらいじっくり時間をかけて走ってあげるよ」と言ってくれた。私たちをさらに喜び、思わずキャピキャピしちゃっていた。

画像6

暮れゆくルアンパバーンの町並みを、メコン川から眺めるという贅沢に酔った友人は思わず黄昏た。私たちはこのシチュエーションに酔っていた、確実に。

画像7

明かりの少ない、とても小さな町。でもこの町は確かに呼吸していて、大切なものを守りながら文化を育んで、世界遺産になった。観光客を寛容に受け入れ、安らぎや癒し、楽しさや喜びを与えている。川の流れに揺られながら、ここに来ることができて良かったなぁとしみじみと思った。やっぱり酔っていたんだと思う。

船を降りる頃、再び雨が降り出した。マーケット付近だったので、9割諦めていた傘をもう一度探しに行った。店のオバちゃんに訊ねた。

I forgot my umbrella...

ふとオバちゃんの後ろに目を遣ると、見慣れたあの折りたたみ傘が引っかけてある!ある!あった!!それは私の傘だぁ!!無事に傘を返してもらい、感謝を告げて店を去った。お客さんが届けてくれたのか、オバちゃんが保管しててくれたのか、どっちかは分からないが、最高にルアンパバーンが好きになった。無くした物が見つかる街って、日本だけじゃなかったんだ!

雨もなんのそので、気分の良くなった私は、ルアンパバーン最後の日ということもあり、ちょっと奮発してこじゃれたレストランで食べることにした。そして、地球の歩き方に載っているお店に入った......ら、お客は9割日本人だった。

画像8

あぁ、明日は移動日だな、と現実に戻った。そして、奇跡のアンブレラをさして、ホテルに帰った。

クリエイトすることを続けていくための寄付をお願いします。 投げ銭でも具体的な応援でも、どんな定義でも構いません。 それさえあれば、わたしはクリエイターとして生きていけると思います!