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【2021/8/21】子育ては競技みたいだと思った話。

少し前に飛行機に乗ったのだけど、前の座席にご夫婦と小さい子どもが3人の家族がいた。子どものひとりは赤ちゃんで、父親が抱っこして座っていて、その両サイドに幼稚園くらいの子ども、通路を隔てて母親という布陣。

出発前から赤ちゃんはごねて、泣くまでは行かないけど、うにゃむにゃ叫びながら父親の腕の中でくねくねしていた。母親は(通路挟んで)となりの子どもにスマホで動画を見せるため、イヤホンをつないで画面を操作している。窓際の子どもはすでにスマホに夢中。

子ども連れの移動は大変だなぁ、と思いながら様子をうかがう。飛行機の扉が座り、客室乗務員が非常時の案内を始めても赤ちゃんはややぐずっている。両サイドの子どもはわたしの席から全く見えないが大人しく座っているようだ。父親と母親はアイコンタクトしながら、「大丈夫?」「うん」みたいな会話をしている(ように見えた)。

飛行機が出発し、シートベルト着用サインが消えると、母親は父親に合図を出す。マスクだからなのか、声を掛けずに手を上下させている。合図に気付いた父親が母親のほうを見ると、手をくるくると回して次のサインを出している。父親は頷き、赤ちゃんを母親に渡した。

すでに赤ちゃんは寝ていた。父から母へダイナミックな赤ちゃんバトンタッチが行われたが、ぐっすりと眠ったままだ。

その後も夫婦の間には言葉のないコミュニケーションが数回交わされ、荷物の受け渡しや子どもの様子の確認などがされている様子だった。

飛行機は無事に目的地に着いた。仲良く降りていく家族を見ながら、その夫婦の連携プレーにアッパレをあげたい気持ちだった。無言で交わされるサインはまるでスポーツのようで、こうやって協力していくものなのかと感じた、というお話。


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