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恐怖の〇〇がやってきた

旅のくだらない噺手帖「ミャンマー・ラオス旅編」
前回『バガン最強のセールスガール』も是非お読みください。

ラオスのルアンパバーンに着いたのは、旅に出て4日目の夕方。

バガンから夜行バスに乗り、翌日の朝ヤンゴンに着いて、そのまま空港へ。ヤンゴンからルアンパバーンの直行便はなく、バンコク経由で行かねばならず、思いのほか時間が掛かるのである。

ホテルにチェックインした時には晴れていたのに、出かけようとしたら雨が降ってきた。それでも私たちはホテルのレンタサイクルで町の中心部へと繰り出した。ルアンパバーンは1995年に世界遺産に指定された町で、美しい町並みとナイトマーケットが有名。まだ右も左も分からない状態だったが、地図を頼りに自転車を走らせると、人で賑わうエリアに到着した。

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肉、魚、野菜、果物、お菓子、お土産・・・ありとあらゆるものが広げられた屋台が立ち並ぶ。雨でもなんのその。その活気に圧倒されてしまう。

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どうやら串焼き(竹焼き?)がメジャーな料理のようで、どの店でも魚や肉を豪快に挟んで炭火で焼いた料理が並んでいる。注文を受けてから焼くようで、香ばしい匂いがあちこちから漂っている。時刻は夕食時。お腹も空いてくる頃。そう、空いてくる頃のはずなのだが、何だか調子が悪い。

「・・・きた」そう思った。

咄嗟に近くの小洒落たレストランに駆け込んだ。ラオスはフランスに占領されていた歴史があるせいか、西洋風のお店が多く、欧米人の観光客もたくさん来ている。そこはワインやパスタなどを出すようなレストランで、半分が土産物屋になっていた。当然、屋台と比べ物にならない値段のする店だ。その店で私は、お手洗いを借りた。

きっと雨に濡れて身体が冷えたのだ。少し時間はかかったが、全ての用を済ませ、トイレを出た。店員さんにちょっとだけ怪訝な顔をされたが「サンキュ~」と元気に言って、笑顔で立ち去った。

なぜだかまだお腹が空かない。私たちは先にナイトマーケットを見ることにした。距離にして500mほど、道をふたつに分けて両側に(つまり4列)ビッシリと店が並んでいる。

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服、ストール、カバン、Tシャツ、ポーチ、クッションカバー、メモ帳・ノート、コーヒー・紅茶、便利グッズ、何から何まで売っていた。

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民族の可愛らしいアクセサリーや小物があり、久しぶりに乙女心がくすぐられてしまった。

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「これなんやねん!」とツッコミを入れたくなるような小物入れ。この粗雑な感じとビビッドな色合い、そして意味を成さない英文がクセになる。しかしこの日は下見ということで、お買い上げには至らなかった。

ナイトマーケットを物色していたら、気分と体調も少し回復したように思われたので、屋台へ行ってご飯を食べることに。

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串焼きの魚と、ビアラオ(ラオスのビール)で乾杯!

・・・写真はかろうじて笑っているが、全く食欲がなかった。食べることは出来るし、ひどく体調が優れないわけでもない。どうやら、シンプルに腹を下したようである。これまでタイやベトナム、アジア各国に行っても、腹を下したことは一度だってなかった。だから、どうにかこうにか否定しようと自分の中で理由をあれこれつけてみた。しかし、もうそれは逃れようのない事実であった。

何がいけなかったのだろうか。いけなさそうなものにたくさん触れてきただけに、思い当たる節があり過ぎる。ただ、友人はケロリとしている。私だけが口にしたものなんて、ほとんど無いはずなのに……トイレに籠ってあれこれ逡巡してみたが、答えは出なかった。ただ明日になれば、お腹の調子が戻ってくることを信じて、その日は眠りについた。

そんな私にもうひとつ悲しい出来事が襲うのである……

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