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鑑賞ログ数珠つなぎ「最初の晩餐」

ある作品を観たら、次はその脚本家や監督、役者の関わった別の作品を観たみたくなるものである。まるで数珠つなぎのように。
前回:舞台「しびれ雲」

https://note.com/marioshoten/n/nc0fa892171fa

数珠つなぎ経緯

数珠は一切繋がっていない。ただ、友人に誘われた。

「染谷将太がトークショー来るんで映画いきません?」

目黒シネマは様々な企画を立てて、映画を上映する。大抵が2本立てで、「〇〇監督作品特集」や「フランスのドキュメンタリー特集」など、毎回目を引く”括り”で上映している。

さらに、映画監督を呼んでのトークショーもよく開催される。以前、岩井俊二監督が登壇されて、聞けたお話がとっても良かったので、今回ももちろん行くことにした。染谷将太君も見たいしね。

最初の晩餐

この映画のことは知らなかった。だけど役者陣がとっても豪華。
いつものことだが、映画の情報はほとんど入れずに目黒シネマにイン。

主人公はトークショーに出演する染谷将太さん。演じる麟太郎の父が亡くなったところから物語は始まる。お通夜の料理を母がキャンセルしており、親戚一同ざわつくが、母は「わたしが作ります」と静かに言う。

最初に出てきたのは目玉焼き――それによって父と、そして家族の思い出が一気に呼び起こされる。お通夜に出される料理と、それに紐づいた記憶とが、彼らの子ども時代と現在が交互に折り重なりながら、家族の秘密や謎が明らかになっていく。

・・・というようなストーリー。

写真展も良かった

福岡の話で、登山の話で。

この舞台は福岡(筑豊)で、監督の故郷だという。そして、永瀬正敏さん演じるお父さんは登山家という設定。

なにこれ、わたしのための映画・・・?

と思ってしまう。
方言はちょっとだけ違和感があったけれど、わたしのいた市内と筑豊はまた違うし、だからかもしれない。にしても池田成志さんは福岡出身だからさすがの方言だった。ちょっと面倒くさい親戚のおじちゃん感もさすが。

父は再婚を機にすっぱり登山を辞め、職に就いた。麟太郎と姉の美也子は父の連れ子、年長のシュンは母の連れ子である。ともに暮らす中で少しずつ、食事のエピソードと共に家族がひとつになっていくのだが、ある時から父はシュンとふたりで登山に行くようなる。

その山のシーンも良かったし、登山者あるあるだと思うけど、ウエアどこのかな、とか、何の山かな、というのも気になった(実際は関東の山での撮影が多かったらしい)。

やっぱり映画にせよドラマせよ舞台にせよ、自分と紐づけて見るものだと思うので、その接点があるほうがより楽しめるものだと思った。と言うことは、作品とはより見る人が寄り添ったり共感したりできる要素を可能な限り盛り込む必要があるのだろう。そうなると、平凡にならない工夫も必要で、結局どう転んでも、作品を生み出すのは苦労しかないわけである。

お待ちかねのトークショー(染谷将太Ver)

映画が終わり、舞台上に椅子がセッティングされ、監督の常盤司郎さんと染谷将太さんが登場。

白い。肌キレイ。

染谷さんの第一印象。

監督は脚本をラブレターと呼び、それを受け取った染谷さんは出演を快諾。つまり思いが実った。さぁお付き合いが始まる、ということだ。

オファーした時、染谷君は22歳で、役柄は30歳過ぎ。「それでも問題ない、彼ならきっと演じてくれる」と監督は信じていたし、実際にそうだった。麟太郎は、地元を離れ、東京でカメラマンとして活動しているも、なかなか芽が出ない現状。ずっと田舎に暮らす親戚を見下したような態度もするし、今の自分の不甲斐なさをどこにぶつけたらいいのか分からないもどかしさも備えている。非常にすんなりと見ることができた。

染谷君は確かに年齢不詳なタイプで、若くも見えるし、そこそこ上にも見える。実際に生で見ても、「いくつだっけ?」と思ったし。調べたら、現在30歳。誕生日が9月3日で、わたしの父と同じ日だった。どうでもいい情報だけど。

監督と染谷くんは終始お互いを褒め合っていて、撮影中もいい雰囲気だったし、信頼して臨めたと語っていた。実際、すべての映画撮影の現場がそうではないと思うし、そういうスタッフやキャストと作品をつくれたというのはとても貴重なんだろうなと感じた。

作品のテイストもそうだし、トークショーの雰囲気もそうだし、何だかすごく癒された気分になっていたら、3日後のトークショーに窪塚洋介が来ると言うではないか!友達とスケジュール確認して、即予約。ほくほく。

おかわりのトークショー(窪塚洋介Ver)

そりゃ完売しますわね

正直、映画の中でスクリーンに窪塚さんが登場したとき、異常にテンションが上がった。

というのも、窪塚さんが出てくるのは物語の終盤も終盤。映画を観たとき、窪塚さんがキャストにいたのもすっかり忘れきっていて、シュン兄の大人Verは誰が演じるのだろうとドキドキしながら待っていた。

そしてその瞬間は訪れた。

映像的には、すりガラスの玄関からシルエットがぼんやり見えて、まずは可愛らしい幼子が登場(これは息子)……そして奥から、スラっと喪服を着こなす爆イケな窪塚洋介が登場した暁には・・・・

くぼづかぁあああああ!!!!

窪塚さんポスターにもいるのにね。全然見てなかったか、映画に夢中だったのか、本当に脳みそから消え落ちていた。だからドッキリ番組とかである「会いたい芸能人は窪塚洋介です」って答えて、本人が後ろから登場、みたいなシチュエーションと同じくらい『きゃー!!』ってなってた。

これはトークショーの中でも話題に出ていたけれど、「あれほど期待値が上がったシーンでいきなり登場して、観客を納得させられる役者は窪塚洋介くらいだ」と監督は話していて、そうだよなあと思った。

トークショーに登場した時も、同じくらいテンション上がって、「かっこええ……」ってため息が漏れたのだけど、映画のシーンでそう思わせるのは本当にすごいと思う。

窪塚さんはどうやら酔っぱらった状態で登壇した様子だけど(笑)、それはそれで本当に面白かったし、酔ったせいなのか普段もそうなのか、とても饒舌で、本音を語っているように見えた。

役者は嘘をつくお仕事だから、普段は噓つきたくない

というようなことを言っていて、なるほどなぁと。またその役者としての嘘は全力で臨まないとダメなのだとも話していた。#実は紳士な窪塚洋介 (真摯)って発信して下さい、と冗談交じりに言っていたけれど、芝居に対して真摯なのは間違いないと感じたし、本当に色々あって色々言われたと思うけど、それでも自分を信じて、ここまでやってきたのだなぁと。
その生きざまに、やっぱり好き。ってなった。

目の保養と、パワーをもらったなぁ。

👆マリオを探せ

おまけ

目黒シネマの近くにある焼肉屋、美味しかったです。

#焼肉ぽんが #鑑賞後の晩餐
染谷君も学生の頃、来ていたという。



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