見出し画像

解禁の先に。

昨日、無事に禁酒を解禁した。

解禁の時は、どうしても生ビールが飲みたかった。なので外食をさせてもらった。まだ自粛明け間もないが、安くてうまいが評判の店だということ、そして金曜ということでそこそこお客さんがいた。まだ感染は怖い、だけど経済を回さなければいけない、しかしアラートが出ている。自分の行動を選択するのは非常に難しかった。

だが解禁はしたい。

そしてどうしても生ビールが飲みたい。

だって2ヶ月も禁酒していたんだから。どうにかこのワガママを許してほしい。もうお昼過ぎたくらいからドキドキし始めていて、

「あぁ今日飲むのか、いよいよ飲めるのか、ふぅ、、」

と初恋の相手に成人式で再会する日のような、海外赴任中の彼に1年ぶりに会える日のような、そんな気持ちになっていた。気持ち悪いけど。

そしていよいよ彼(生ビール)はわたしの前に現れた。あまりにスマートに、素敵なお供を引っ提げて。

画像1

そこには緊張と興奮で胸がいっぱいのわたしがいた。

「あぁどうしよう。ついに来ちゃった、どうしよう!!」

間違いなくグラスは冷えている。泡の割合も完璧だ。キリンラガーが黄金色に光って見えた。本当はアサヒが一番好きだが、この際なんだっていい。

少しだけ拝んでから、さぁ飲もうとグラスを口元に運んだ。

「・・・の、飲めない!」

どうしてもバンジージャンプをしたかったのにジャンプ台に来たらやっぱり怖くなって足がすくむ人のように、大好きな人といよいよキスができるタイミングになったのに緊張しすぎてかわしちゃう少女のように、グラスと口の間のあと少しの距離が縮められない。

ドリルすんのかいせんのかい状態。

それでも飲まなきゃ意味がない。もう一度気持ちを立て直して、ようやくビールを口に運んだ。

ゴクゴクゴクゴク・・・・・


そこからはもう恐れるものはない。水を得た魚のように喉が上下に稼働し始める。食道を真っすぐに駆け下りていく黄金色の液体がわたしにはハッキリ見えた。

覚えている、身体が。この快感を。

気がつくとグラスの半分のビールがなくなっていた。注文していた料理もぞくぞくやってきて、お腹も心も満たされていった。

画像2

画像3

いつまでも飲んでいたい気持ちではあったが、今の状況での長居は良くない。ビール3杯と食事をサッと済ませ、店をあとにした。

帰り道、幸せだった。酔いもあるかもしれない。いいお酒が飲めたと思う。だけど、今日も明日も毎日だって飲みたい、とは思わない。たまの贅沢、たまのご褒美、たまのおはしゃぎ、で十分。飲酒を自粛したことで、以前よりも、大切に、丁寧に、お酒を飲むことを学べたのかもしれない。

でも、改めて言いたい。

ビール大好き。

クリエイトすることを続けていくための寄付をお願いします。 投げ銭でも具体的な応援でも、どんな定義でも構いません。 それさえあれば、わたしはクリエイターとして生きていけると思います!