見出し画像

卒業の日だから本心を語る

12月25日。

世間ではクリスマスとか言って賑わっているらしいが、もう何年もサンタさんからのプレゼントはもらってないし、向井理みたいな彼と夜景の見える上層階のレストランなんかでディナーとかもしていない、と思う。うん、多分そう。多分じゃなくて、絶対にそう。だから私にとってクリスマスはそんなに重要じゃなくて、仕事があれば優先させてきたし、バイトがあれば当たり前に働いてきた。だけど2年前のこの日だけは、私にとって特別なクリスマスだった。

それは6年3ヶ月パーソナリティをさせてもらったラジオ関西「GOGO!ヴィッセル神戸」を卒業した日だから。たくさんのサポーターさんやリスナーさんに見(聞き)守られ、愛に包まれ、最高の公開生放送をさせてもらった。たったの30分間。だけどそれは私にとって、今までもこれからも輝き続けるダイヤモンドのようなひと時・・・

しかし、それを振り返るつもりは、ない。

振り返るには当時書きまくっていた番組ブログと私の個人ブログをチェックすべし。

ここで伝えたいのは、その卒業から今までの私自身の変化である。卒業してからの2018、2019シーズン。卒業から時が経つにつれて、知らないことが増えていった。今やもうほとんどの選手は取材したことがない。試合中のベンチのそばには見知らぬコーチ陣やスタッフがたくさんいる。毎試合見なくなったし、順位ですら怪しいときもある。

2年前までの私だったら考えられないことだ。毎日のようにヴィッセルのことを考え、なるべく練習や試合に足を運び、選手やスタッフの声を聞き、社員さんと交流し、サポーターさんに番組やブログでしか知り得ない情報を届けられるようにと動いていた。ヴィッセルのことを1聞かれたら10でも20でも語れる自信があった。

そんな私だったから、段々ヴィッセルに疎くなっていく自分がこわかった。サポーターさんに会わせる顔がないと思った。あれだけ大層なことを言って番組を卒業させてもらったくせに、今の自分には何か自信を持って語れることがあるのだろうかと自問自答を繰り返した。

それでも、アウェイ関東の試合は可能な限り観に行った。後ろめたさを抱えている私に「〇〇戦、来られますか?チケットありますか?」そう声を掛けて下さる方がたくさんいる。今シーズンのユニフォームを持っていなくても、スタメンが誰かよく分かっていなくても、受け入れてくれる皆さんがいる。そのお陰で私は、これまで出来なかったことや気付かなかったこと、知らなかったことを新しく学び、経験させてもらった。

・ゴール裏で90分間応援できるようになった(たぶん)
・観戦ビールに手を出した(ガソリンと呼ぶ)
・待機列に並ぶ(一番最初に入場したことも!)
・DAZNデビューv( ̄Д ̄)v イエイ
・試合後、大混雑の中を駅まで歩く大変さ(取材後は空いている)
・試合後の祝勝会or反省会はどっちでも楽しい
・勝利の女神と言ってくれる人がいる(偶然なのに)
・レアキャラになれた(そりゃそうだ)      etc....

少しずつ番組をやっていた時の自分と、今の自分との向き合い方が分かって来た気がする。そして先日、そんな自分を完全に受け入れられた出来事があった。

古橋享梧選手  日本代表選出&デビュー  である。

古橋選手については、何の情報も持っていないし、見に行った試合でもケガだったか出場していないことが多かった。要は、あまり思い入れがない選手である。そりゃ10代の頃から見てきた小川慶治朗選手や、よく取材していた渡部選手に比べたら・・・仕方がないだろうと許してほしい。だけど、古橋選手が選ばれて、試合に出場したときは心底嬉しくて、誇らしかった。そう感じたとき「なんだか母校みたい」と思った。母校がスポーツなどで全国大会に出場したり、母校出身の選手が国内のメジャーな大会や世界大会に出たりすると、自分と全く関係がない部活や知らない選手でも誇らしい気持ちになるのと同じだなぁとふと感じたのだ。

それはヴィッセル(サポーターさんも含め)が私にとって母校という故郷であり、帰るべき家であり、もうそういう存在になっているんだなと気付けたことで、今の関係性でもいいんだと安心できたのだと思う。自分勝手な解釈で都合が良いやつだなぁと思われるかもしれないけど、それが本心である。

応援の仕方も、クラブとの距離感も、知識の深さも、愛も悔しさも、勝利への思いも、エンターテイメントとしての楽しみ方も、サポーターの数だけあっていいし、誰かに決められることじゃない。そういう全ての人が集まって、クラブの力になっているはずだから。

だから私が「そんなことも知らんのか」ってことを聞いても、どうか優しく教えてください。それだけはどうかお願いします。

そして、2020年1月1日。
待ちに待った天皇杯決勝の舞台がようやく私たちの前にやってくる。

新国立で応援する人、パブリックビューイングで応援する人、家族とゆっくり過ごす人、初詣に行く人、ニューイヤー駅伝を見る人、色んなサポーターがいるだろう。どれも正解。こんな新年を迎えられることに幸せを感じながら、歓喜のその瞬間を待ちたいと思う。

私は新国立競技場へ行くことができる。今年は関東にきて2回目の年越しになる。去年は実家の福岡で過ごした。今年は年越しを関東で迎えることにハナから決めていた。そしたらヴィッセルが天皇杯で決勝進出を決めた。やっぱり勝利の女神なのかなぁなんて自惚れながら、新年までのカウントダウンをしよう。

・天皇杯決勝を新国立で観戦
・初タイトル!

卒業してから2年。
新たな初体験が加わるその日は近い。

クリエイトすることを続けていくための寄付をお願いします。 投げ銭でも具体的な応援でも、どんな定義でも構いません。 それさえあれば、わたしはクリエイターとして生きていけると思います!