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Eバイクは良いバイク

旅のくだらない噺手帖「ミャンマー・ラオス旅編」
前回『御者とケンカ』も是非お読みください。

バガンの旅は、Eバイク(電動スクーター)に始まり、Eバイクに終わったと言える。

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ホテルにチェックインし少し寝てから、近くのレンタル店に足を運んだ。一人乗りと二人乗りがあり、私たちは二人乗りバイクを1日8000チャットで借りた。ここの店長らしきお兄ちゃんはとても親切で、バガンのフォトスポットをたくさん教えてくれた。だが我々がホテルでもらってきた地図が簡素過ぎて、たどり着けなさそうな場所もたくさんあった。

Eバイクは免許がなくても乗れる。私たちは大学時代、キャンパスの中を原付で走り回っていたから、その頃のことが思い出されて懐かしくなった。もちろん、運転もお手の物だと考えていた。しかし。

アクセルを回した途端、思わぬトップスピードに身体がのげぞった。後ろの友人は落ちそうになっていた。Eバイクは駆動が早く、アクセルをほんの少し回しただけでも勢いよく発車する。絶妙なアクセル捌きが求められるのだ。あとカーブも最初は難しかった。本当に静かに走るので、逆に安定感がないと言うか・・・加えて、右側通行なので慣れるまで時間がかかった。

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とは言え、広大なバガンの街を走り抜けるのは、この上なく気持ちが良かった。点在する遺跡を観光しつつ、時には道なき道を走り、目的があるようでないまま駆け抜ける解放感。「うちら、生きてるね!!」って感覚が呼び覚まされるようで。

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(アーナンダ寺院)

とにかく広いこのバガンの地に、3000もの遺跡が点在している。最初はひとつひとつ「これがティーローミィンロー寺院ね、ふむふむ」とか言いながら見て回っていたけれど、次第に「あ、あそこデカい!次行ってみよう!」みたいな感じになっていく。今となってはどれがどれだかなんて記憶はほどんどない。

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「寺院には仏像が東西南北の四方向にあったなぁ」とか

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「裸足で回廊をたくさん歩いたなぁ」とか

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「遠くから見ると表情が違って見える(と言われている)仏像があったなぁ」とか

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「現地のキッズ、勝手に抱っこしたけど大丈夫だったかなぁ」とか

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「繰り出した夜、ライトアップされたアーナンダ寺院はとても美しくて、ひれ伏したなぁ」とか

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「タビィニュ寺院は、夜になると悪の要塞風に変貌したなぁ」とか。そんなことを振り返るくらいなもので。思い出はいつだって淡く、儚いものだ。

バガンの街は広大だがコンパクトにまとまっているので、Eバイクがあればどこへでも行ける。たくさんの寺院を効率よく見ることが出来る。そして何より、気持ちがいい。楽しい。

Eバイクは間違いなく、良いバイク。明日も乗ろうと決めた。

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