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39歳、プログラミング始めました。~Ms.Engineerスターターコースを終えて。

プログラミングなんて、私にはできないと思っていたし、やらないと思っていたし、別にできなくていいと思っていた。
私には必要ない。得意な人にお願いすればいい。私は違う分野で私の得意を発揮するんだから。


そんなふうに考えていた私が、今日、Ms.Engineerが提供しているプログラミングのスターターコースを修了した。JavaScriptを使って、簡単なwebページを作成することができるようになった。

信じられない。

人生は――と言ってしまうと少し大げさかもしれないけど、それでも、自分の未来なんて、何がどうなるか本当に分からない。

「壁やルールは 思い込んでるだけで最初からないんだ」

「scream」(BE:FIRST)

と、私が激推ししているSHUNTOが歌っているけど、本当にそうだなと思う。

プログラミングの基礎(の基礎)を身に着けるために過ごしたスターターコースでの4週間はそれなりにハードだったし、私がこの時間を捻出するために、周囲の人に迷惑や負担をかけた部分はある。

それでも、何故やることにしたのか、何故やって良かったと心から思えているか、せっかくだから記録として残しておきたい。
明日から始める、次への挑戦のためにも。


1.苦手意識の始まりは大学の「C言語」

プログラミングとの出会いは、大学の時に必修だった「C言語」。
分厚いテキストをもとに、教授に言われるままキーを打ち、回りくどい方法で画面上に、

"Hello, world!"

と表示させたり、

2 + 2 = 4 ;

と、考えなくても分かるような計算をさせたりする意味が、全然、まったく、さっぱり分からなかった。

分からないから、楽しくない。
楽しくないから、分からなくなる。

あっという間にその悪循環が出来上がり、私は人生で初めて触れた「プログラミング」に「無理、苦手、できない」というレッテルを貼ることになった。
(単位のほうは、友達に教えてもらいながら何とかギリギリで取れた。そのギリギリな感じも、一層プログラミングに対するマイナスイメージを増長させていたように思う。)

2.「このまま、できなくてもいいのか?」と疑問に思うように

プログラミングが苦手のまま工学部を卒業し、大学院に行ったけどやっぱり苦手のままで、就職して公務員になった。
正直、仕事をする上でほとんど支障がなかった。あるとすれば、Excelのマクロが組めない、社内ページのHTMLがうまく編集できない、ということだったけど、マクロが組めなくても仕事は(時間がかかるけど)終わるし、HTMLは(意味が分からなくても)見様見真似で作ることができた。

ITの知識がなくても、HSPの特性もあって(自分がHSPであることは1年前くらいに自覚したけど)、いわゆる「空気を読む」力はそれなりにあったのだと思う。「気が利く」「話やすい」「いると安心する」と言ってもらえることが増えて、対話力・コミュニケーション力・タスク管理能力を高めることで、ポジションを取ってきた。

だけど一方で、デジタル化は行政でも急速に進めなくてはいけない時代になってきたし、どこを見てもIT人材が不足していて、社内でも専門職でなくても知識を求められる場面が増えてきて、私はこのまま、現代を生きる人間として、「ITが苦手です、できません」と言っていていいのだろうか、と疑問を持つようになっていった。

加えて、今の仕事を続けることに不安を覚えて、「転職」の2文字が浮かぶ毎日だった。
外に出るなら、尚更ITの知識は必須だろう。
なんとか知識を付けたい、でもどうやって…。

そんな時、愛読しているファッション誌で、Ms.Engineerの代表のやまざきひとみさんの記事を目にした。

3.「4週間、5万円、完全オンラインならやってみようかな」

やまざきさんは、「女性にエンジニアというキャリアの選択肢を持ってほしい」という強い想いをお持ちの方だ。

私もあらゆる分野での女性の進出の必要性は感じていたし、エンジニアという分野で女性の数を増やそうというビジョンに共感した、というのと、「スターターコースは4週間、5万円で基礎が身に付く」という点に惹かれ、カウンセリングを経て、スターターコースにチャレンジを決めた。

私が受けた5期は、11/22~12/17の4週間。年内にカリキュラムが終わるので「2022年、これやったぞ」と言えるからいいかな、と思ったのも、背中を押した要因の一つだ。

私はフルタイムで働いていて、小学生の子どもが2人いる。仕事をきっちり定時で切り上げないと間に合わないし、子ども周りのこと(行事、プリント、持ち物チェック、寝かしつけなど)は省略できない。

時間の捻出ができるかどうかを一番迷ったけど、完全オンラインのコースだし、「今これをやらなかったら、私は一生新しいことに挑戦しないな」と思ったので、無茶を覚悟で申し込みをした。

4.正解がある、という心地良さ

スタートしてしまえば、あとはなるようになれ精神で乗り越えた。
講義の時間に間に合うように帰宅する。
課題は期日までにやる。
話されていることを、きちんと言語化する。
しんどいな、と感じることもあったけど、自分でも驚いたことに、プログラミング自体はすごく楽しかった。

正しいコードを書けば、コンピューターは正しく動いてくれて、正解を出してくれる。
一方で、正しく動かないということは、私が正しいコードを書けていないということ。原因は私にあるし、どこが違うかもコンピューターは教えてくれる。そして正しく直すと、正しく動いてくれる。

そのシンプルな構造が、何だか良いな、と思った。

人を相手に仕事をしていると、正しいことを言ってるはずなのに、「だめだ。今じゃないし、ここじゃない」と言われることがある。
一方で、正しくないやり方のはずなのに、根回しの有無や上の人の意見一つで、その提案が通ったりしている。
そもそも人相手だと、正解というものが存在しない。

そんな毎日にモヤモヤしていたから、何が正解で、何が間違っているかが明確なプログラミングの世界は、とても心地良かった

5.なるほど、大人の学び直しは大変だ

とはいえ、短期集中のカリキュラムはハードだった。

新しいことを学ぶから、頭をめちゃくちゃ使う。
勉強は嫌いじゃなかったけれど、この歳になると、若い時に比べて一度に頭に入る量が減っていることを実感した。
授業中、3分の2くらい経過したところで、「あ、今日はこれ以上新しいことが入らない」とキャパ越えを感じたことも、何度かある。
時間をおいて、もう一度読んで、ようやく頭に入れることができる。

若いうちに学べ、とはよく言うけど、なるほどこういうことか、と理解した。

そして、何よりも時間の確保だ。
通勤含めて仕事の拘束時間は12時間。それ以外の時間で家事育児をし、きちんと睡眠を取ろうとすると、1日に1~2時間くらいしか勉強時間が取れない。
(時間がない、時間を作らなきゃ、と意識したら、今までだらだらと無目的に過ごしている時間も多かったことに気づいたのは、良い発見だった。)

とりあえず4週間だけだから…と、子どもと一緒に寝て、朝早く起きて課題をこなす日々。

ふと、大学の時にプログラミングの面白さに気づいていたら、と一抹の後悔がよぎった。頭の柔軟さも、自由な時間も、今よりずっとあったあの頃に存分に勉強できたらよかったのかな、と。

でも、気づいた瞬間の私が一番若いのだ、今からやればいいんだ、と思うことにする。

6.最終課題で、自分の好きなものを作る

新しいことを知り、それに関連した問題を解くだけではなくて、並行して作品を作っていくこともやった。
まずは「自分を紹介するwebページ」を作る。
そして最後に、卒業制作として、自由な作品を作る。

私は物語を書くときによく使う、「誰が・どこで・何をしたゲーム」が一人でできるようなサイトを作った。
フリーで使えるものは世の中にいくつもあったけど、自分の好みの単語、好みのテイストのページがなかなかなくて、ちょっと困っていた。
そんな「自分が欲しいものを、自分で作る」という経験ができたのも、すごく良かった。

「無理だと思えても、意外とできるんだな」とこの時点で思えたことは、よい経験だった。

7.スターターコースの修了は、次の学びの始まり

12/17土曜日。講座最終日。

卒業制作を提出し、プレゼンも終えた今、とても清々しい気持ちだ。
4週間ともに過ごしてきた同期のメンバーの作った作品も見せてもらったけど、個性とアイデアに溢れていて本当に面白くて、新しい世界で新しい出会いができて本当に良かったな、飛び込んで良かったな、と感じた。

スターターコースのカリキュラムは全て終わったけれど、学びぶことはここで終わりじゃない。

「トライアウト」という試験がある。

受検は任意だけど、それに合格したら、胸を張って「プログラミング、勉強しました」と言える気がする。

だから、挑戦することにした。

その先は、今はまだ考えていないけれど、「実は壁なんてないのかもしれない」と一つでも多く思えることは、自分にとってプラスになるはずだから。


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