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タイムトラベラー 兎

19  公園の怪

海にほど近い、物件に住んでいたときに、近くに公園があった。
この辺りは、お寺と神社がたくさんあり、帰宅時間が遅いと暗い道を歩くことになるが、その道なりにお寺がたくさん密集している。

しかし、一度も怖い思いはしていない。
人怖の方がゾッとする。

引っ越した頃は、コロナがまだ収束せず、人と人の距離をとっていた頃、
食事も、まだ密集どころでは食さない頃。

毎日窓を開けて、空気の入れ替えをしていると、ちょうど学校がコロナで休校が多く、仕事も皆家で在宅ワークをしている頃であり、子供達のストレスがたまり、公園にきては大騒ぎをしている。
ありえない五月蝿さである。
「あーうるさいなあ。窓閉めてても声が入って来る・・・。」

来た頃の冬、近所では
「今年は、こんな時世だからクリスマスパーティーの集まりは、やめます。」
と、ご近所で主婦が話している。
近所の声まで聞こえてしまう。
どこの家も、そのためか、シャッターを閉めっぱなしの家が多かった。
「珍しいなー?シャッター開けないのね。どの家も・・・」
そう。
開けると声が漏れるのだ。
私生活が、ダダ漏れになるようなところであった。
これに気づくのにしばらくかかった。

ある日、また公園で子供達が騒ぎ出して、
「あーうるさいいなあ。何話してるんだろう。ギャーギャーとしか聞こえないんだよね。」
すると、小さい子供ではなく高校生くらいの大人びた学生たちが、禁止されたフットボールを始めた。
声はこれでうるさい。
ボールを蹴る音。
ワーワー騒ぐ声。
「ボール禁止と書いてあるはずなのにね。」
ふと、何気なくない我が漏れて来た。
「ん?何話してる?」
「わはははは。パンくーん。アイチュー。」
「ぎゃはははは。おなこだもんなあ!」

「え?あれ?この会話。どこかで聞いたなあ。パンくーん。アイチュー。」
「え?」
「パンくんて。お隣の孫のことじゃなかった?」
「アイスが食べたいって、聞こえたときあるよね。なんで公園の子供がこの会話を話してるの?」
耳をすませると、
「あの部屋の女だよね?」
と一人の学生が言う。
「誰を指してる?」
「これ、どこで聞いてたの?あの子たち。」
まさか盗聴してるとか?
急いで公園い行くと、学生4人がボールを蹴ってる。
「ふーん。こいつらね。」
高校生くらいの学生である。

こんなことがあり、色々考えていると、閃きが来る。

”ある穴の前に座っていると、こんな声が聞こえてくるんだって”
子供が座って聞いてるんだって。

『穴の前?どこそれ。』
『確かに、この部屋もおかしい声が漏れ聞こえて来る。』

ある日には、このフットボール学生が公園に、大量にきていたことがある。
15人はいた。

『ここは、ボール禁止って書いてあるのに、いい年して・・・破るわけね。』
なんとなく、この団体に見られている気がする。
『気のせいなのかなあ。』

ある日には、公園にいた小学生が、子供のくせに白いアイフォンを持っていて、砂場で何かを流していた。
『こんな小さな子供に、スマホ持たせるわけないよね?』
何か違和感がある。

そこで、何ヶ月かに渡って公園の声を録音し始めた。

すると、意外なことがわかった。

公園の子供たちもおかしな会話をしている。
カンカンカンカンとてつを叩く音。
「一体、こっちから。一体、こっちから」

『いったいって・・・どう言うこと?』
「何これ?もしかしてこのこたちも、どこかで人の家の話を聞いてる?」
ばなのたたき売りのような話ぶりである。

「これ・・・ご遺体は・・・の家の話じゃない?」
私にも、この、葬儀社の
「ご遺体は・・・」
は聞こえていた。
『この子供。これ聞いてた?』
『どこで聞いてた?』

これを聞いたとき、明らかに盗聴か、穴から聞こえるは確かなのかもせいれない。
と、思うようになる。
それから、穴探しを始めた。
『どこに穴なんかあるの?』
「子供たちだけが知ってるのこれ?」

大きな学生ならともかく、こんな5−6歳くらいの子供が理解できる?

明らかに私に聞こえていた話である。

”パンくん、あいちゅ”
など100%盗聴だろう。

この声の子供のテープが今も私の手元にある。
『これまずいよね。ある人たちの私生活。』

このパンクーンと騒いでいた学生。
4人家族で、ある大きな家の庭でこの4人が騒いでいる声が聞こえてきた。
また、男が
「おなこだもんなあ!」
ぎゃはははははははと、大笑いしている。
72歳の母親がワインをどこかからもらってきては、家族で飲んで騒いでいる。

この4人と一緒に行動している、聞き覚えのある声の男。
滑舌が悪い。
私のひらめきがまたきた。
「イシヅカ、という家族らしい。」
盗聴しているのか、私のように閃き系か。
この、イシヅカがある地下バーで、3人の学生といて
いつもおかしな調子で大騒ぎしている。
声が異常にうるさい男。
ハイテンションで怪しさ満点である。
一緒にいるのは、真面目な学生。
こんなうるさいのと、真面目なのと違和感を覚えた。

ある大きな家の庭で聞こえるので、
この大きな家に、問い合わせに行って見た。
ピンポーン、ピンポーン
「はい。」
小さな声の中年の女性が返事した。
「あの、すみません。昨日庭で騒いでいた人たちは、どこの人ですか?知り合いの声に似ていたので・・・」
「いえ?知りません。うちではないです。」
「そうですか?」
「はい。うちではないです。」
「わかりました。すみませんでした。」
と、お礼を言ってそん場を離れた。
『おかしいなあ。確かに庭から聞こえてきたんだけど・・・』

そして、近所の家に聞いて見た。
インターフォンを鳴らす。
「あの、すみません。ちょっとお尋ねしたいのですが・・・」
「はい。」
と言って女性が出てきた。
「あのすみません。昨日、その家の庭で大きな声で騒いでいた人がいるのですが。どこに人だかわかりますか?」
「あーあそこね。その隣は、うちの親戚だから騒ぐわかないんですよね。その家ね。うるさくて町内会でも問題になってるんですよ。」
「そうなんんですか?」
「もう何年も前から、そんなことなんですよ。」
「うるさいんですか?」
「そうそう。」
「そうですか。すみません。変なこと聞いてしまって。」
「いえ。」
「ありがとうございました。」
とお礼を言いその場を後にする。
「やっぱりうるさいんだよね。おかしいよね。」
そこで、もう何軒か訪ねることにした。
確かに近所でもうるさは、評判であった。
「もうね、昔からうるさいんだよね。越してきたと時から。」
「あーあそこね。あそこはねゲストハウスに人がきたときに騒ぐんだよね。」
「ゲストハウスですか?」
「そう、そこに見えるでしょう。家が。」
見てみると、確かに立派な家がある。
「あ!先日聞きに言った家だ。」
その家に行ったときに、インターフォンから返事があり、
「ここには今誰も住んでいないんですよ。」
と言われた。
その家である。
人気はないが、電気がついていた。
誰かいるような気配がする。
「普段はいないんだけどね。ゲストがきたときにうるさいんだよね。騒いで。」
なるほどである。
それにしても、庭を除いても姿はないのだが、声だけが聞こえて来る。
『どういう現象これ?』
確かに、公園で騒いでいたあの、学生の声である。
この辺に調べにきたときに、こんな声も聞こえてきた。
「芸能人だからってさあ。えらいわけじゃないのにねえ・・・」
という男性の声がする。
受け答えに若い女性の声がする。
「あれ?この二人の声・・・聞いた覚えがある?公園からこの声が聞こえた気がする?」
とても違和感を覚えた。

ここから静か調査を始めた。

「タクヤー!」
「本当に、本当に・・・」
の女の声も、山の切り立った斜面側の丘陵地に立つ家から聞こえた声である。
神社の山車の倉庫あたりである。
「あんなところの家、よく住んでるなあ。どうやって建てたんだろう?」
なぜこの声が公園で聞こえるの?

確かにこの辺りの立地で、風の通り道で音が通るのかもしれない。
不思議な立地である。

じゃあこのイシヅカは、どこでこのパンクーンを聞いていたのだろう。
あいちゅーとか、どこで聞いてたのだろう。
やはり盗聴を疑う。
普通に聞こえるわけない声である。
このイシヅカ家族を調査している。
テープはあるので、声は録れている。
聞いてはいけない話を、この家族は知っているかもしれない。

この辺り一帯を誰かが、盗聴、傍聴しているかもしれない。
半径2キロ以内の話である。

葬儀屋の遺体の話まで子供が話している。
テキヤの話まで。

この録音には、たくさんの不思議な音が録音されている。

毎日降りて来る閃きでは、
ピンクのぐちゃぐちゃがたくさん落ちていて、それが胎盤である。
それを私に片付けてくれと、未来からきた兄が言う。
2階の部屋にそれがあると言う。
ところが、私の運勢を引っ張ってしまったものが、それを負う事になった。
これは私への兄からのメッセージなのに。
やはり、他人が演じてしまった。
シリアルキラー事件である。

このイシヅカの家に入り込んだ男。
この5人を逮捕するように言われた。
この5人組が嘘つき犯人だと言う。
72歳。
今は74−5歳になっている女。
「どうしよう、どうしよう。」
と言う声が聞こえてきた。
トラブルでも起きているんだろう。
嘘つきには、天罰が降りるように神に祈っている。
ワインに薬を入れて飲んでいる。
異常にハイテンションである。
この家に入り込んだ、男。
結局、薬に溺れた。
いい歳して、魔の手にはまったか。
結局、
「マスターこれうちのじゃなかったよ。」
「ぱんくーん、これきみんちじゃないよ。」
の男の私生活が、聞かれていたと言う事。
これを通報しながら、自己調査中である。

盗聴、盗撮、スケープゴート
盛りだくさんの事件である。















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