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タイムトラベラー 兎


23  嘘つきの世界

「おはよう!」
「おはようござます。」
「今日は眠いの。」
「お疲れですか?」
「うん、なんだかね、声がざわざわ聞こえて寝られないの。」
「えー?なんですかそれ?」
「わからない〜。空耳?」
とわざと、わからんふりをしてみる。
普通の状態の人には、聞こえないのかあ。
「なんだかねえ。おかしな話をしているの。」
パンパンと柏手を打ちながら
「こうやって音を立てるといいっていますよね。」
「そうそう。良くいうわね。お友達もえい!というといいよ。って。」
「あはははは、えいですか!」
「そうそう。えい!ね。」
「電波が影響しているみたいなの。霊は電気だから。」
そんなことを話しながら。
「映画でも見ます?前回の続き。」
「うん。ルシファーね。あれ、なかなか面白かったわ。映画でなく、ドラマみたいね。」
「知らない俳優さんですものね。」
「そう言えば、映画館も・・・」
そして、ケアで癒されながら会話は続く。

ケアも終わり、仕事のチェックをすると
「今日は、お休みでお願いします。かあ・・・」
フリーランスは、こんなことがある。
たまにぽっかりと休日ができる。
『あ、そうだ、やはり気になることは調べるに限る!』
まだ梅雨明けにもならない、この程度ならと雨の中
聞き取り調査に向かう。
次第に、雨脚が強くなり、普通の靴の足元がびしょびしょである。
『せめて、大きな傘にすれば良かった・・・』
今日は、葡萄色の家。
ぶどう色の家の前歩いていると、ちょうど家のご主人が玄関から出てきた。
「あの、すみません。ちょっとお尋ねします。」
「はい。」
「あの、昔、おこに住んでいたんですけれども、この辺りの、こんな名前の人が住んでいませんでしたか?」
「うーん。うちには小さい子供いないので、ちょとわからないんだけどもね。」
「ちょうどコロナの頃で、そこの公園で子供達が大騒ぎしていて、売る脚時ありましたよね。その頃の話なんですけどね。」
「公園?」
「その裏の。」
「あーね。」
「その時に、公園で子供達が話してた話を、エッセーにして書こうと思うの出すけども、個人情報ががあるから、この辺の人の話なら、と思って当事者を探してるんです。」
「あーそうだね。でもね子供かあ。」
「それと、この辺りの怖い関係の人住んでいないですか?」
少し反応が良くなってきた。
「ああ、いたよ昔ね。そこの変に住んでたよ。そこ。同級生の親だったからよく知ってたけど。」
「そこ?ですか?」
「◯◯組とか?五条会とか宝生会とか?」
「そうそう、まとめてそんな感じだけど、いまはも親もいないし、新しい住人が住んでるし。もういないよね。」
「昔はこの辺りは悪くてさあ。バイク族がこの細い道を入り込んできてさ。警察から逃げるでしょ。この前の道に逃げてきてさあ。それはそれはうるさくてさあ。でも、もう最近はそんなことはなくなってるよ。」
「そうですか。そうですよね、夜も 静かだし・・・そうそう、この辺りに石塚という家はありませんか?学生がいる家。」
「石塚ねえ。この辺りにはいないかなあ。」
「あ、すみません。色々お聞きして。また、お教えてください。」
「あはは。」
「ありがとうございました。」
と、ぶどう色の家を後にした。
街道方面に歩くと、雨はますますひどくなる。
「次、どうしようかなあ。」
「やっぱり一番気になる家に今日はいこう!」
街道から迂回して、気になる青い家に行く。
ちょうど、買い物から帰った、娘さん家族が玄関から家に入って行く。
あれ?
ちょうど気になる白い家から、男性が出てきた。
ちょうど良いタイミング。
まずは、そっちかあ。
「すみません、お尋ねしたのですが、この辺りに、マボちゃんとか、あみ、まみという名前の方知りませんか?」
「うーん。ちょっと知りませんねえ。うちに子供がいないので。」
「そうですか、すみませんありがとうございます。」
『やっぱりね、でもこの家に成人した娘が、2人いるはずなんだけどね。』
猫もこの家だけなんだよね、飼ってるの。
まあ、次行きましょう。

青い家に行く。
インターフォンを押すと、子供が出てきた。
「すみません、おばあちゃんいますか?」
ときいてみた。
「今ます。ヒロ!」
と、読んでいた。
『おばあちゃんは、ヒロなの?』
割と綺麗な70代くらいの人が出てきた。
「はい?」
「あ、すみません。ちょっとお尋ねしたいことがありまして。」
「昔、そこに住んでた時に、ちょっとおかしな現象が起きていて。それを調べてるんですけど。」
「公園から、家の中で聞こえる話が、公園で子供が喋っているので、どこでその話を聞いて喋っているのか調べてるんです。」
「警察に通王はしてるんですけども。」
「え!盗聴ですか?どんな話?」
「外国人の女性が、犬を取られて返してくれ!という話とか、ハリーという男の人が住んでいた時の話とか、アキラとピングウという人の話とか、タカアキ とカズアキという兄弟が住んでいた時の話とか。そんなことなんですけど。」
「これをエッセーにして出そうと思うんですが、ご本人に聞いてからにしようと探してるんです。多分昔の話で、録音されたものだと思うんです。昔から、このあたりに住んでいる人だと思うんだすけど。」
「昔からというと、私の家とお隣とその向こうだけだったのよね。」あとは何もなかったんだけど。」
「大家さんにきいてみたら?」
「うーん、聞いてもほとんど教えてくれなくて。」
「うーん。個人情報でしょう、教えてあげたいけど、名刺とかない?今度名刺とか持ってきてくれる?」
「そうですね、そうします。」
と、雨の中もなんなので、お礼を言い、その場を後にした。

『ふう、なんとなくまとまってきたし、誰かが動くだろうよ。』

青い家は、洗面器の家だし。

「年を取っても綺麗な姉さん。」
「年を取ってから会いたい!ではもう間に合わないの。」
「あなたの時間に合わせることはできないの!」
「綺麗なうちに会うのが普通だろう。」
「綺麗な姉さんは天命があって。時間がありません。」
「来世ももうないから、上がりの人生ですから。」
「会いたいと思った時がチャンスで、占いの言いなりなんかになってるようではチャンスの女神の前髪をつかむことはできない。」
ミイコとまみ、あみ、あい、アヤコ、あきら、マボ、のせいで、人生が台無しの人が、
悲しすぎる結末になるでしょう。

ボニーと、あつこ、あきこ、ゆりこ、ふかわ、しまず、いしずか、ボブ、ジョニー、暴力バーに通うマサコ、暴力バーのマスター
のせいで、たくさんの犠牲者が出ている。
バニラの行方を捜している。

これが本当の話である。
公開捜査にでもしたいところである。








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