こっそり盗み聞きするくらいなら面と向かって話せばいいのにね:salakuunnella

salakuunnella: tap [tapped, tapped], wiretap, eavesdrop (mot sanakirjaより)
tap: 〈通信などを〉盗み聞く,盗聴する(weblio辞書より)
盗み聞き:他人の会話などを、こっそり聞くこと。「扉の陰で盗み聞きする」(goo辞書より)

2月14日

先週の如く、私はフィン人の友人と日本人友人の3人で学食にて昼ご飯を食べた。この日は(この日も)他二人が良い聞き役になってくれるおかげでめちゃくちゃたくさん話してしまった。私は同時に二つのことをするというのがとんでもなく苦手だ。その中でも会話と食事は私にとって最も苦手な活動の組み合わせなのだ。いつもどちらかしかできない。他二人は食べ終わってぼんやりしているのに、私の昼食はまだ半分が手つかずで残っている。多分この日の発話の割合は 8:2=私:その他友人 だったと思う。

で、そのあとも先週の如く、その二人がEOTO(each one teach one)をやっているのを、ブログ執筆の傍ら盗み聞きしていた。

今回はちゃんと二人に盗み聞きする許可を得た。(前回も別に何も言ってないわけじゃないんだけど)「二人のことsalakuunnellaするけどいい?」二人は快く了承してくれた。

この日あった人とは別のフィン人友人(かつ、私のlanguage exchangeのパートナー)から、以前盗み聞きすることをsalakuunnellaということを教わっていた。「フィンランド語は派生語 が多いから意味を推測しやすくていいよね」この日会ったフィン人友人はそう言っていた。

salakuunnellaも派生語である。分解すると

sala-: salainen(秘密の), salaisuus (秘密)の一部
kuunnella:聞く

フィン語は派生語が多いので、辞書を引かなくても文脈と複合されている言葉で単語の意味を推測できることがある。フィン語語彙力形成はしたがってはじめは大変だけど、一定量単語を覚えると楽になってくる。

この日、日本人友人はYle uutiset selkosuomeksiをフィン人友人とみていた。簡単なフィンランド語でニュースを解説している番組だ。

日本人友人は、そのニュースに度々出てくる「näyttely(exhibition)」という言葉に苦戦していた。「näytellä (to show)」という単語を知っていればうまくそれらを関連させて単語を覚えることもできる。

ところで私もこのニュースを隣で盗み聞きしていたのだが、辞書を引かなくてもほぼ何を言ってるかわかるようになっていて驚いた。一年前の私は同じ番組を聞いていても半分くらいしか意味が分からなかったのに。

ちなみに日本語でも「やさしいにほんご」という名前で、NHKがselkouutiset的なウェブサイトを作っている。

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以前ブログのどこかで、私は日本人と絶妙な距離をとりながらユバスキュラで生活しているというようなことを書いた。だけど最近どういうわけか、日本人に遭遇(して、なおかつ一緒にご飯食べたり会話したり)する機会が増えた。先週から引き続き行われているEOTO盗み聞きもその一つだ。あと今週はEOTOの日本人とは別の日本人と会って話したりもしたし。我が大学の教育学部棟(Ruusupuisto)でも日本人に思いかけず遭遇する確率が高くなった気がする。

なんか多分そういう時期というか、ターンなんだと思う。

私が日本人留学生と絶妙な距離を取ろうと努める理由をあげてみる。私が若い日本人交換留学生を前に天狗になるのが嫌だというのもあるのだけど、ユバスキュラの日本人交換留学生はみんな本当にまじめでしっかりしている印象を受けるので、万年てきとー大学院生の私は彼らに対して申し訳なく感じてしまう。

そしてこれは本当に本邦初公開なんだけど、多分そうやって真面目に頑張ってる交換留学生たちが少しうらやましい、というのもあるのかもしれない。あー私は本当にすぐ他人のことうらやましがるからいけない。

あとはなんか、そういうステキ交換留学生の前で私へまを犯したくないな…みたいな気持ちもある。私はコミュ障をこじらせまくっている、ただのプライド高いおばさんである。

だけど、他の日本人交換留学生のブログを私は結構しっかり読んでいる方で、なんなら修論に使う論文よりも読み込んでいる可能性もある(お前は勉強しろ)。だから別に大した頻度で会ってないのに、彼らの考えや行動の逐一を把握しちゃっていることもある。私はブログストーカーおばさんにも成り下がっているのかもしれない。よくない。(でも私は今のところ執拗にテキストメッセージを送るみたいな、本当のネットストーカーではないはずなので安心してほしい)

だから、そんなに彼らのことを知りたかったらこそこそ盗み聞きしてないで会って話せばいいのだ(ブログをチェックするのは別に盗み聞きではないけど)。

(でも…やっぱりこちらから誘うのは恥ずかしいし不安だなあ。誰か誘ってくれないかな…むりか…笑)


とにかく私は人間と話す訓練をした方がいいかもしれないということだ。少しずつでもいいからがんばろう。(と、日記には書いておこう。)

そんな、皆様からサポートをいただけるような文章は一つも書いておりませんでして…