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誰かに伝えたい衝動は無敵

朝、登校時間ギリギリに出発して行った息子が、5分後に息を切らして帰ってきた。足音。ガチャガチャっと扉が開く。ママ!ママー!って、私を呼ぶ声がする。

「どしたの!忘れ物?」

キッチンから問いかけたけど返事はなくて、代わりに大きく息を吸い込む音が聞こえた。


『あのねー!ミズタマリがねー!!』


私の脳がミズタマリを水溜りに変換できるまで、数秒。
またもしかして、ハマったんだろうか。
先日膝下をずぶ濡れにして帰宅した彼が浮かぶ。


『水たまりがねー!コオッテたよー!!!』

「こおっ、っお、うん。寒いもんねーえ!」

『ねー!じゃ行ってくるね!!ちこく!!!』


そう言って顔も見せず、玄関から飛び出して行く息子。


「え、あ、そんだけ?!」


慌てて玄関に出て、外まで追いかける私。
あっという間に遠ざかるランドセル。


「教えてくれて、ありがとねー!」

もう、聞こえたのかもわからないけど。ママに教えてあげなきゃ!って思ってくれたんだろうなと想像したらなんだか嬉しくなって、美味しいおやつでも用意してあげたくなった今朝の話。


このくらい真っ直ぐ、伝えたい瞬間を探してみようと思った。

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