見出し画像

コラヴァンを3年間ワインバーで使用した感想など

Siroccoではコラヴァンというものを使ってまして、これでワインを提供していました。コラヴァンについてはこちらに書いております。

ついでに動画も

なので使用方法や率直な感想などはもう書いているので今回は書きません。

そうしますと今回は分からない人には全くもってつまらない話の方が多くなりがちなのですが、コラヴァン自体は素晴らしく手放せません。これからも使用する店は増えるでしょうし、案外定着するのではないかと思っています。

コラヴァンとは? な単純な感想ではないので長く使用した、あくまで個人の感想ということでお願いいたします。

コラヴァンでどれくらいワインがもつかということでは、残念ながら時と場合になってしまいます。コラヴァンをどんなに小量でも1度使用すると、僅かながらに酸化は始まると思います。その時点で抜栓していないワインとの差はできると思います。

とりあえず実際に試したことを書いていきますね。

テイスティングのために少量(20mlくらい)コラヴァンで抜いたワインは、その後2ヶ月ほど経ってもほぼ変わらない状態でした。これくらいの量であれば、かなりの期間味わいや状態は変わらないのではと思います。グラス1杯くらいまではこれに当てはまるのではないでしょうか。

次にボトルの半分より上(フルボトルで400mlくらい)から3分の2くらいの量までコラヴァンを使用したものは、1ヶ月程は変わらないですがその後は徐々に味わいは酸化を感じていくと思います。

先にも書いたように1回でもコラヴァンを使用すると酸化は進んでいくと思うので、少しずつ酸化はしていて1ヶ月を過ぎるとその違いがわかるようになる、と言った感じでしょうか。ボトル半分以下までコラヴァンを使用すると、体感的にですが急激に酸化していくように感じます。もちろんいきなり飲めなくなるのではなく、日に日にワインの味わいの変化がわかるようになる、といった感じです。


コラヴァンを使い始めの頃は、グラス換算で残り1、2杯くらいを取っておこうとしたりしてましたが、これだと全然持ちませんでした。1ヶ月くらいは大丈夫でしたが、この量で最大半年くらい取っておいたワインは美味しく飲める状態ではありませんでした。コラヴァンを使用してもボトルの3分の1くらいの量になったものは、そこから長期保存はできない、と結論してお店では扱ってました。ちなみに全て何本も試しており、1回だけの結論ではないのでそんなに的外れでは無いと思います。


全体的な感想ですが、ワインが酸化するというよりは劣化していく印象の方が強いです。だとすると、考えられる要因はコルクに刺してワインと接触するニードル(針)の部分が汚れていると、ワインにも影響を与えているのではないかと感じます。

もちろん洗ったり殺菌したりしますが、コラヴァンを使用してワインボトルを7杯どりした場合、単純に7回針をワインと接触させるのでそのリスクはかなりあるんじゃないかと。

お店では日本ワインを扱っていたので、ワインとしての強さ(アルコール度数や凝縮感など)としては弱いと感じる方が多かった分、より繊細だったのかもしれません。同様の考えで古酒にコラヴァンを使用するのもかなりリスクはあるのではないかと思います。僕は怖くて古酒にはコラヴァンを使用したことはないのですが、使用されたという方是非感想をお聞かせください。

今回はデメリットの話になってしまいましたが、コラヴァンを使用しても1ヶ月くらいなら何らワインに問題なく使用できます。ですのでほとんどのお店では困ることはないでしょう。ただ、コラヴァンは安心してしまってついついワインを多く開けて(針を刺して)しまうのです! 

1ヶ月で捌ける量を常に開けられればいいのですが、その量を超えるとこうした問題が出てくるのでご注意を。ご家庭でもここまで使いこなしていることはないと思いますが、せっかくのワインがダメになってしまわないようにご注意ください。


コラヴァンを使用しているお店や個人の方が多くなってきましたが、あまり情報や体験を共有しないというか、それぞれ我流なやり方で使用しているイメージなのですが、コラヴァンについてはよく質問されますし、何よりこのnoteでのコラヴァンの話は圧倒的な閲覧数なのです(コラヴァンで検索すると1ページ目に出るのもありますが)。なので実際使用している人も聞きたいことも多いんじゃないですかね。


またしばらくしたらコラヴァンのこと書きたいと思います。その前にお店をオープンしないと!






2020年4月現在は、サポートはお店のために使わせていただきます。