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腹の底から沸き立つ無念


試合での悔しさって、どうして試合でしか晴らせないのでしょうね。



うっちです。


明治安田生命J1リーグ第13節、昨季昇格組のアルビレックス新潟を倒すべくアウェイ新潟の地に乗り込む。

アルビレックス新潟戦というと、忘れもしない 2013年11月30日。

横浜F・マリノスがアルビレックス新潟に負けた。そして、この試合の横浜F・マリノスは勝てば優勝という試合だった。

どうしても頭から離れないあの悪夢を拭い去るためには、彼らのいるJ1リーグで彼らを打ち破り堂々と優勝を勝ち取るしかなかろう。

3000人程の同志と共に、いざ白鳥狩りへ。


「新潟、意外となんもなくね…?」


マリサポの朝は早い。いつもの通り夜行バスに乗り込み、am6:00には新潟駅南口へ到着しました。

昨日までアルバイトや課題、所属するサークルのフットサル大会を運営したりと何かを綿密に調べて新潟に乗り込む余裕はなかったうっち。

ということで、いつも通りの無計画旅を始めます。

新潟駅についてまず調べたのはぽんしゅ館。


早朝から日本酒を味わうのはさすがに犯罪行為に該当しそうなところでしたが、営業開始は9:30-なので、ひとまず無罪。


ということで、健康的な朝のウォーキングを行います。うっちの無計画旅にはよくあることで、それなりの重さの荷物を担ぎながら1,2時間程うろうろと知らない土地を徘徊します。

そしてその初めの目的地はこれ。萬代橋。


かつて、あれだけ大きい信濃川の下流域にはひとつも橋が架かっておらず、そんな中で1886年に完成したのがこの萬代橋。

この木橋が個人所有の有料橋として信濃川に架けられましたが、14年後の1900年には県が買い取り、現在の無料橋となりました。

「萬代橋」と永世、永久に新潟の街の発展に尽くすことを願って付けられた名前のとおり、過去から現在に渡って威風堂々と信濃川の南北を繋いでいます。


この橋を超え、信濃川を散策していくと、佐渡航路へ続く大きな大きな船乗りばに。次回の遠征では是非乗ってみたいものです。

新潟駅の北側を1時間弱も歩いた僕は、ビックスワンのある新潟駅の南側へと歩みを進めます。



特に名前は無いのでしょう。鳥屋野潟沿いを歩きながらビックスワンへ向かう道が、個人的にはとても好きでした。

緑に溢れ、落ち着いた時間の流れる公園や、小さな頃を彷彿とさせるような小さな水辺に浮かぶアメンボ。

犬と散歩したり、魚を釣っていたり、とにかく時間がゆっくりと流れるのどかなあの空間が
僕はとても好きでした。


さらに歩みを進めると、ビックスワンが。

さらにそれと同時に、ひとつのパン屋が姿を現します。
BAKE UP 1YAISMさんです。

一つ65円のクロワッサンやチョコパン、フレンチトーストと焼きカレーパンを購入しようやくスタジアムへ向かいます。

散策が好きという嗜好かつ高校生の頃に培った体力の残骸で、「無計画で下調べのない旅」を無理やり「いざゆこう 知らない土地歩き」に変貌させてしまった新潟遠征旅編でした。

しばらくはこういった今しかできない楽しみ方や、今しか見れない世界の景色を楽しむ遠征で十分楽しめそうです。



いざ、ビックスワンへ


僕の慕っている作家に綾崎隼さんという方がいます。

僕が中学生の頃に出会った小説家の方で、廃部寸前に追い込まれた新潟屈指の名門チームがそれに抗っていくという「レッドスワンの絶命」という作品がきっかけです。

そう、舞台は新潟でシリーズ中にはこのビックスワンも登場するのです。
福岡に続き、図らずも創作物の聖地巡礼を成してしまいました。

長々とお勧めしたいところですが、それはまた別の記事で。


スタジアムにつきバスセンターのカレー(650円)を食した後で、新潟サポの長蛇の列整理を横目にゆっくりとLINE順番待ちの列へ並びます。

列整理の際コアの方から、コンコースで集会やるという話と、5/28の福岡戦を満員にしたいからクラブに借りた配布ユニをSNSに乗せてほしいというお話を聞きました。

今回の配布ユニ、シティの昔の企画ユニとデザインが酷似しているのもあって何かしらの発表もありそうなんですよね。日産行く価値ありです。


いつかみたマリノス?


新潟はとにかく前に前に出てきます。マリノスが1つ下げればスライドしながら1つ奥へとサボらず追ってきます。

例を一つ挙げるなら前半14分のボール回収シーンがまさにそうで、いつかのマリノスもこんなボールの追い方をして蹴らせて回収、押し込み続ける展開を目論んでいたような。

対するマリノスも勿論前から追っていきます。

ただ、思うようにプレスをかけられたかというの答えはNoだったのでは無いでしょうか。

この試合で少し気になったのが、選手間のポジションが崩れたまま、次のプレーへと移っていくシーンが多く見えた点です。自ら崩しているのではなく、プレーの流れからか崩れていた。

この日、新潟市の気温は25℃であり、KOも13:30と一日の中で一番暑くなるであろう時刻でした。後半少しして、マリノスの選手たちには疲労の色が少なからず見えていたように思えます。

右サイド、ヤンマテウスのロストからマリノスが失点を迎えたシーンだけを切り取っても、前からプレッシャーにいく構えを取っていた所をロングボールで綺麗にひっくり返された結果、中盤の位置は依然高く、戻りは遅れていました。

高い位置でのピン留めを期待されていたであろうヤンマテウスも、前節や前前節のようにはやらせて貰えず逆転弾のきっかけを与えてしまいました。ただ、ここのシーンはロスト自体よりもそれ以前の繋ぎ方と、失ってからの渡辺の硬直と永戸の取捨選択ミスの方が問題であったように思えますが。

もう1つ気になるのは、アンデルソンロペスがビルドアップの際に降りてくる形は今季見慣れた光景であるし、この試合でも機能していたように見えるが、ケヴィン・マスカット将はあの役割を杉本健勇もしくは植中朝日にも求めているのかどうかという点である。

植中はルヴァンでの得点以降、怪我で出場機会が遠のいてしまっている。

杉本健勇はここ数試合、終盤から入ってきてプレス強度の復活や、彼特有のボールキープから起点になったりと1戦力に数えられるようになってきた。

この2人にも同様の役割を期待するのであれば、現時点で彼らはケヴィンの求めるプレーの何割をこなせているのか。それに依っては新潟戦で少し姿を見せた''夏場''のアンデルソンロペスさらにはチーム全体の負荷が変わってくる。今後のルヴァンや天皇杯も含めた選手起用やマネジメントに注目していきたい。




試合後のゴール裏


拍手をする人、ブーイングをする人、心無い野次を飛ばす人。

ゴール裏やサポーターなんてあくまでもマリノス以外の共通点を持っている訳では無い人が大半の集団なのだから、こうなるのは当然ですよね。色んな意見があっていいというか、あって当然な訳で。

これを忘れると自分と異なる意見だったりを目にした時にややこしくなります。


そんな僕はどうしたかというと、何も出来ませんでした。

拍手を出来るような心の強さも、選手を詰るような気力も何も残っていなかったんですよね。

拍手なり前向きな言葉なりを選手に投げかけてサポートしなきゃいけないんだという気持ちと、これだけやって適わなかったのかというやるせない気持ちとが相殺された結果の脱力感。

正直に言うと、選手をが聞いて不快にしかならないような的外れなヤジには少し苛立ちを隠せませんでしたが、悔しさのベクトルをそこへ向けても仕方がない。矢印は常に自分に。

そんなこんなで初のビックスワンを後にしました。来年は勝利の美酒を飲みたいところですね。飲んだくれることも無く帰宅し、眠りにつきます。やけ酒は明日です。


おわりに

5/28の日産スタジアムを満員にしようという試みはとても大きな目標です。

だって優勝のかかった2013年のホーム新潟戦やかの有名なマンチェスターシティ来日時の7万人をリーグ戦中盤のひと試合で越えようなんて、ね?

でもやる価値はあると思うんですよ。できたかできなかったかというよりも、その、クラブとサポーターが一体となって試合以外の面でマリノスを盛り上げようとする行動なんですから。

そのための配布ユニだろうし、なんせここ2週はアウェイ続き、久々のホームでの試合です。

遠征なんて行きたくても行けない人だっている。勿論行くために色んな努力をして必死の思い出来てる人へのリスペクトも忘れない上で。

そりゃ遠方まで行けない人だっているよねと。

どうしたってこの活動の結果は観客数なんてわかりやすい数字としてでちゃうんだから、一旦やろうぜと言ったからには埋めてやりましょう。みんなで、日産スタジアムを。



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