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ルシャナの仏国土 警察学校編 26-30


二六.忍びの講義

 ソフィアの休暇二日目は水曜日で、彼女は浅川総合病院に来ていた。
「山形先生、一昨日はどうもありがとうございました。」
「いいえ、大事に至らず、良うございました。何よりどうかご自愛下さい。御身に何か差し支えがあれば、私もナディア医師に顔向けできなくなります。この病は油断してはなりません。しかし、たまには適度な気分転換が必要ですね。」
 医師は、ソフィアの目を見て言った。
「もしまた何日かまとまった休みをお取りになりましたら、北にある中山温泉にいらしたらいかがかと存じます。そこは、ライランカ人が多く住んでいて、きっと懐かしく感じられますよ。」
(ライランカ人が多い・・・。身元はわからないかしら?)
 ライランカの人口は大陸全土で約五千万人。半数が農業や畜産、林業に従事していて、国外に出る者は少ない。神崎リュウの母もその一人だが、ライランカ人同士が国外で出会うことは滅多ないのである。
(そうだわ、一度、リュウ君のお母様にお会いしなくては・・。)
 ソフィアには、ある考えがあった。

 馬術訓練が終わる頃、学校の廊下のあちこちにテーブルが置かれ、その上にボールやビー玉、物差し、輪ゴム、独楽、小さな木の塊、模造刀、模造のナイフ、手裏剣、ダーツの的などが置かれたり掛けられたりし始めた。
「忍びは、ありとあらゆるものを利用します。皆さんも日頃から箸やコップ、カゴや本など、身の回りにあるあらゆるものを回したり飛ばしたり、普段とは異なる使い方を考えたりして、とにかく扱い慣れておいてください。」
 今井はるかはそう言いながら、ナイフを手に取って二,三回手の上で転がし、壁に向かって投げた。ナイフは、壁に貼られた的の中央に刺さった。
「おー・・・」
 訓練生たちの中から歓声が上がる。
「感心してちゃダメ!貴方たちがこれをやるの!基本は、ものの扱いに長けること。いい?」
 それから、呼び寄せておいた女性事務員に、人質役になってもらうように改めて頼んだ。
「セロさん、立てこもり犯になって下さい。」
 セロさんというのは、セルジオ・ツジムラの愛称である。趣味でチェロを弾くのでこの仇名がついた。
「ほいきた、任せろ。・・・おい、武器を捨てろ!この女ぶっ殺すぞ、オラァ!」
 なかなかの演技だ。それにさすがに隙がない。
「わかった!捨てる!」
 はるかはその場でナイフを捨てた。・・・と、落ちたナイフを足ですくい上げるや否や、間髪入れず投げた。
「お!」
 セルジオは不意に顔のすぐそばを掠めたナイフに一瞬気を取られた。普通の人間なら、ここで手にした刃物を取り落としていてもおかしくない。
 その瞬間、はるかは二人の間に割って入り女性事務員を全身で庇いながら、セルジオに足払いをかけ、彼をねじ伏せてしまった。ほんの一瞬の出来事だった。
「容疑者はサーベルの使い手、でも人質はずぶの素人。こんな場面は結構あると思います。でも、そこをなんとか処理するのが私たちなのです。何でも利用するというのは、こういうこと。お二人ともご協力ありがとうございました。」
 亜矢を除いて一同は漠然としていた。これが忍びの技か・・・。

 そして、はるかが続けて放った一言に、一同はさらに驚愕することになる。
「本来の忍びなら、狙いは外さない。顔でも心臓でも構わず傷つけるけどね。警察なら肩や手足かな。」

二七.市内観光

 休暇の最終日、篤史は自らも休暇を取ってソフィアをアイユーブの街中に連れ出した。
「折角だから、君も異国情緒を楽しむといい。僕がついてるし。今まではずっと仕事絡みでしか歩いてなかったんだろ?」
 そういえばそうだ。この街にいても仕事に夢中で、周りの景色など目に入らなかった。
 遊園地や高台にある展望台、露店が集まる大通り、花屋、定食屋、スパイス市など、篤史は彼女を庶民的な場所に案内した。彼女は我を忘れて周りのいたる所に興味を示した。時には無邪気な笑顔も見せる。
(本当に可愛いなぁ、君は。)
 篤史は、抱きしめたくなる衝動を抑える。自分が抱きしめてしまうと、彼女はまた愁いを帯びた彼女に戻ってしまうような気がしていた。

「ありがとう、とっても楽しかったわ。」
 警察学校に帰る途中、あと少しになった所で、彼女は篤史の手を取り、立ち止まった。
「篤史、あれだけ時間があったのに、どうして一度も抱きしめてくれなかったの?私が街のあちこちに夢中だったから?」
「ファーニャ・・・。」
「確かに夢中だったわ。本当に楽しかった。でも、貴方はどうだったの?さっき馬車の中で気が付いたの。貴方は、本当は私だけを見ていたんじゃないかって。」
 篤史は、そっと彼女を抱き寄せた。
「その通りだ。僕は君が全てを忘れて笑顔になるのをずっと見ていた。君の笑顔が欲しかった。眩しかったよ。そして、この上なく可愛い・・・。」
 彼の腕の力が強くなった。愛おしく彼女の藍色の髪を撫で、頬に触れながら見つめ、深く口づけた。
「私、今日はもう貴方しか見えない・・・。」
「ファーニャ、僕は君を愛している。愛おしくて堪らないんだ・・・。」
 二人はしばらくその場から動かなかった。

二八.校長室にて

 二月、雪がうっすらと街を白く染めていたある日、景時は校長室に呼び出された。入っていくと、篤史は手前の椅子に座っていて、その隣にはソフィアもいた。
「呼び出してすまなかったね。掛けてくれたまえ。」
 篤史が言った。穏やかで優しい、いつもの顔だ。
「は、それでは失礼いたします!」
 景時は、ソフィアが手で指した席に座る。ソフィアが言った。
「実はね、今日は私からお願いがあるの。」
「はい、何でしょう?」
「貴方には画家を志していたところをスカウトして来ていただいたのだけれど・・・。」
「はい。」
「私は今、貴方の人生を再び変えようとしています。私の本当の名はファイーナ、ライランカ皇帝・アルティオの娘です。」
「えっ?」
 景時は驚いて彼女を見た。初めて会ったあの日から、彼女には普通とは違う何かを感じてはいたが、まさか姫君だったとは。
「あまり驚いてないみたいね。」
「え、いえ、とても驚いております!」
「でも、薄々何か違うとは思ってた。」
 まさしくその通りである。
「はい。」
 景時は素直に答えた。
「実は、私はもう長くは生きられません。私の寿命はあと三年余りしかなく、もう即位は考えられないの。だから、短期間で後継者を育てることにして、今までこの学校にいたのです。・・・藤原景時さん、私は貴方を次期ライランカ皇帝に選びます!」
「えっ、えええっ?!」
 今度という今度はもう驚きを通り越して言葉も出ない。僕が皇帝になる?そんなことはまるで考えたこともない。まるっきり僕の範疇を超えている!
「驚かせてごめんなさい。もちろん今すぐここで決断を求めたりはしません。五月いっぱいまで待ちます。ゆっくり考えて。だけど、私が貴方を選んだのは、やはりあの出会いの日の貴方の行動と、親しみやすさ、謙虚さ、弛まぬ持久力などを総合的に見た結果なのです。」
 景時は話を聞いているうちに、彼女が言おうとしていることがだんだん分かって来た。気持ちに少し余裕が出てきた彼は、気にかかっていることを訊いてみる気になった。
「では、お返事は後日近いうちにさせていただきます。その前に、一つだけお尋ねしてよろしいでしょうか・・・。大変不躾なことを伺います。姫様におかれましては、加賀警視正とのご結婚は考えていらっしゃるのですか?」
「え?」
 今度は彼女のほうが驚いた。
「もし僕がこのお話をお引き受けするとして、その場合にとても大切なことなんです。姫様のお幸せそうな日々を見ながら皇太子の修業をするか否か、ということですから。」
「君が言いたいことは分かるよ。」
 篤史が言った。
「僕たちはライランカに着いたら結婚する。そのことは、彼女のお父上・アルティオ帝陛下のご了承も得ている。」
「わかりました。それでは後日改めてお返事申し上げます。・・・失礼いたします!」
 景時は静かに退室していった。
「彼、引き受けてくれるかしら・・・。」
「きっと来る。あんなことを訊いてくるんだからな。」

 同じ日、今度はリュウが呼び出された。
「突然呼び出してすまなかったね。掛けてくれたまえ。」
「は、失礼いたします。」
「実はね、明日から二泊三日で彼女と籠野市に出張して欲しいんだ。」
「籠野市へ?」
 籠野市には、リュウの家族がいる。
 今度は、ソフィアが口を開く。
「もうそろそろ皆んなの赴任先を決めなくてはと思っていてね。貴方、ライランカ警察本庁に行く気はない?」
「えっ、僕がライランカへ?」
 彼は驚いた。ライランカは母の故郷ではあるが異国の地である。

「実は彼女は、ライランカ皇帝・アルティオ帝陛下のご息女・ファイーナ姫なんだ。」
 篤史が説明する。
「えっ?!」
 リュウも只々驚くばかりだった。一国の姫君がこのような場所にいるとは!

「驚かせてごめんなさい。でも本当なのよ。」
 そのあとは彼女が続けた。
「私がここに来ているのは、実は次期皇帝を育てて連れて帰るため。でも、その人に一人だけで異国に移ってもらうのは心配な点もあります。そこで、貴方についていてもらえたら、と。」
「つまり僕は次期皇帝の話し相手・・・。」
「そう。話し相手であり、また時には苦言が言える友となって欲しいとも思っています。」
「なんか、あまりの事に実感が湧きませんが、なぜ僕を?ライランカの血が流れてるからですか?」
「いいえ!」
 彼女はかぶりを振り、語気を強めた。
「貴方は弱い立場の人の心を知ってる。私はそういう人が手元に欲しいの!逆に、ライランカに赴任して、髪の色が変わると、貴方のアイデンティティに大きな影響を及ぼすかもしれないけど。」
「僕のアイデンティティ・・・。」
「だから、貴方と、貴方のご家族とでよく話し合って決めて欲しいのよ。私の話を聞いた上で。とりあえず籠野へは一緒に行ってくれますね?」
 この人は、僕の人格を見込んでくれてるんだ、とリュウは思った。幼い頃はずっといじめられていた自分を、辛い毎日は自分の性格のせいではないかと悩んでいた自分を、自分とは何者かを問うてきた自分を・・・。
「かしこまりました。警視・・・ファイーナ様のご希望とあれば、どこへなりとお供いたします!」
「ありがとう。」
「でも、次期皇帝って誰なんですか?」
「それは。まだ本人の了解を取っていないから、今は明かせないわ。ただ、貴方とも親しい人、とだけ言っておきます。」

「頼んだよ。それから、このことは皆んなには内密にな。」篤史が言い添えた。

二九.守りの剣

 校長室を出た後、景時はしばらく自室に戻って考えた。その日だけではなく、数週間のあいだ自室にいるときはずっと考え続けた。廊下への扉を開けた外では、いつ誰から不意打ちが来るか判らない。そんな訓練が一カ月続いている時期で、じっくりと考えられる場所は自室しかなかったのである。

 僕がライランカの皇帝に?
 昔、ライランカの帰化は特殊なものだという噂を聞いたことがある。帰化礼があり、髪の色が藍色に変わって、新たな名前を与えられるのたという。
 今回の話を受ければ、僕もその帰化礼を受けるのだろうか?それに、おそらく名前も変わることになる。少し堅苦しい名前だが、今は亡き父が名前負けせぬようにと敢えて付けてくれた名前だ。それが変わることになる・・・。

 彼の父は樹木医で、大陸内外のあちこちに出ていて、ほとんど不在だった。
 いつも一人で遊んでいた彼を心配した母は、できるだけ近所や学校の子供たちと一緒に遊ばせた。
「いっぱい遊ばないと、いい大人になれないわよ。特にあなたより小さい子のことは、よく面倒見てあげなさい。あなたにもそういう時があったんだから。」
 それが母の口癖だった。
 またある時、上級生と軽い喧嘩をして帰った時は父からこう言われた。
「自分より強い者にも立ち向かうのは良いが、決して深い傷を負わせてはいけない。擦り傷や打撲程度に加減しなさい。それが喧嘩のルールだ。」

 その両親は、彼が大学の寮に入っている時に火事で亡くなった。突然のことだった。
(父さん母さんが見てたら何て言うだろう・・・。頼まれたことはやり抜けと言うだろうか・・・。)

 そもそも僕は皇帝という重責を担っていけるのか?ソフィア警視と加賀警視正が見込んでくれたからには、きっとそれなりの理由があるはずだけれど、自分ではそうは思えない。
 それにしても、ソフィア警視のお命があと三年だなんて!あの微笑みがあと三年だなんて!
 あのときは、次期皇帝という話で頭が真っ白になってしまったけど、ソフィア警視のことを考えたら、あまりにも悲し過ぎる!
 いつか警視が加賀警視正の胸の中で泣いていたのも、もしかしたらそのせいだったのか。そして警視正もそのことを受け入れて、今日まで愛を育んで来られたのか。男として放って置けない、そんなお気持なのかもしれない。きっと、そうしてご結婚を決意されたのだ。
 僕も、お二人の幸せをお側から見届けたい!なんだかわからないけど、そうせずにはいられない!一体この気持ちは何だ?!
 でも、この話を受けるということは、僕が皇帝という重責を担うことだ。髪の色が変わり、名前も変わるということなんだ・・・。

 その頃・・・オルニアの紫政帝は、全大陸の皇帝立会いの元に開かれた国際剣術連盟の年度総会に出席し、自ら新たな階級の創設を提案していた。警察官独自の守りの剣だ。つかさやの色は黒、そこまで決めていた。
「近々ある国際剣術競技会で、その技を皆さんにご覧に入れたいと思うのだが、如何だろうか?」
 ライランカのアルティオ帝もその場にいた。柄と鞘の色については初耳だったが、もちろん娘からもその話を聞いている。
「やってみましょうか。守りの剣というのも面白い。しかし、判断はあくまでも皆さんの合議にお任せする。」
 その言葉で場の雰囲気は前向きな方向へと向かった。

 その日の夜、紫政帝とアルティオ帝は、滞在先のホテルの特別室で会った。
「この度は、ライランカ次期皇帝育成のために、ひとかたならぬご協力をいただき、お礼の申し上げようがございません。」
 アルティオが頭を下げた。
「いえいえ、こちらこそ、新しい剣術階級の提案を後押ししていただき、有り難く存じます。あれは私の長年の夢です。ファイーナ姫もよくやって下さった。」
「そうでしょうか。ご迷惑ではございませんでしたか。」
「とんでもない。あれほど有能な法律学の講師はなかなかいないと、マコトが申しておりました。おっと、彼はもうすぐ貴方の娘婿になるのでしたね。失礼しました。」
「しかし、本当によろしいのですか?貴国の指南役をライランカにいただいても。」
「そりゃ、本人たちが愛し合ったものをどうこうすることは誰にもできますまい。」
「確かに。誠に恐れ入ります。」
「それに、二人を引き合わせたのは、他ならぬ私なのです。」
 そう・・・あの日、運命の矢は放たれたのだ・・・。

三〇.剣術競技会

 四月、国際剣術競技会が開催された。全世界から名だたる剣豪が名を挙げようと集まってくる。
 その中の一つ「警察官部会」に、アイユーブ警察学校の訓練生全員を引率してきた篤史の姿があった。
「皆んな、ここが正念場だ。これまでの訓練の成果を遺憾なく発揮してくれ。新しい剣術階級が認められるかどうかは、今まさに諸君にかかっている。」
 篤史はそう言い残して観覧席へ向かい、紫政帝に近づいた。
「紫政帝陛下。」
「おぉ、来たか。こちらに座りなさい。」
 紫政帝は自分の隣の席を指した。
「は、失礼いたします。」
「いよいよだな。」
「は。」

 認定試験が始まった。
 各国から有段者が来ている。セルジオと光昭を除く、アイユーブ警察学校の訓練生たちは、その剣豪たちをことごとく打ち負かし、それぞれ初参加にして一級剣士の認定を受けた。
 対戦した相手の有段者たちは、あることに気づいた。誰ひとりとして急所を狙ってはおらず、相手の武器を完全に封じてからねじ伏せているのだ。見事としか言いようがない。
(それならば、これはどうだ!)
 貴賓席にいた一人が念力でそこらにあった備品を一五、六個、彼らに向けて飛ばした。が、彼らはそれに動じることなくそれらを全て木刀や肘当てで叩き落とした。
「ほう、見事だ!それが新しい剣術階級の所以か!」
「あれは?」
 見知らぬ人物からの突然の攻撃に、ジェシカが呟いた。
「あの方は・・・。不可思議の国ウユニのオンネト帝陛下だわ。」
 亜矢が答えた。忍びは、世界の要人の顔や名前を熟知している。
「ウユニというところはね、超能力者の国なの。たしか、オンネト帝陛下ご自身は、テレキネシスの達人だったと思う。明朗快活で剛健な方だという話よ。」
(あの一カ月の訓練は、こういう時のためのものだったのか。)
 はるかと亜矢以外の参加者は思った。いつ、いかなる場合でも対処できるように・・・それが警察官なのだと。

「いや、失礼した。大したものだ。これほどならば、警察官級の創設を認めようではないか。」
 オンネト帝は、がっしりした体格を大きく揺らしてカラカラと笑った。
 その後に開かれた会合で、警察官級の創設が認められたのは言うまでもない。剣は後日届けられることになったが、結果としては成功だった。
「皆んな、よくやった!」
 篤史が言った。心からの笑顔だった。

 そこへ、紫政帝が一人の人物を連れてやって来た。篤史が紹介する。
「こちらは、紫政帝陛下にあらせられる。」
 全員パッと敬礼する、皇帝の顔を知らなかった者のほうがほとんどだったが。
「陛下は、警察官級剣士の提唱者でもあらせられるが・・・陛下、そちらの方は?」
「この度は皆ご苦労であった。新たな剣術階級の実現は、私にとって長年の夢であった。さて、こちらは、海洋警察のマーベラス長官だ。亜矢、こちらに来なさい。」
 海洋警察?それじゃ・・・?!亜矢は胸を高ぶらせた。
「はい!」
「マーベラス長官、これが先程お話しした春野亜矢です。使ってやって下さいますか?」
「はい、もちろんでございます。当方と致しましても、優れた人材は出来るだけ多く欲しいところでございます。」
 それから、マーベラスは亜矢に話しかけた。
「海洋警察のシオン・マーベラスだ。事情は陛下より伺った。海洋警察に来てくれるかね?そして、目的の人物が見つかったならば、その時は講師として後進の育成に当たって欲しい。」
「は!」
 亜矢は敬礼した。それから、紫政帝と篤史に深々と頭を下げた。
「紫政帝陛下、加賀警視正、本当にありがとうございます!」
「よかったね」と、皆が変わる変わる寄ってきてハグした。

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