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君とぶっつけの恋をする/7.本当の恋

ああそうだ、下野くんてこんな顔の人だった。

カフェで向かい合って、
久しぶりに見た下野くんの顔と
薄れていた記憶とを整合させる。

今日は約束していた日で、
放課後にカフェで下野くんと会っていた。

有名な進学校に通っているだけあって、
勉強の話に花が咲く。
前回とは違って、
今回は普通に話が弾んでいる。
これも瑞綺くんとの練習の結果なのだろうか。

だけど、
話は弾んでも、時間も気持ちも
積み

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君とぶっつけの恋をする/6.逃げられない気持ち

瑞綺くんとデートをした後、
恋をするための練習なんて辞めようと
決めた時から、

1ヶ月が経っていた。

あれから、瑞綺くんとは話していない。
会うことも無くなった。

連絡を取り合うことがなければ、
関わり合うこともなく、
出会う前と同じように
時は過ぎていくのだった。

たまに校内で見かける瑞綺くんは、
相変わらず美しくて、
高い身長にスラリと長い手脚、
シャープな輪郭に涼しげな表情で、

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君とぶっつけの恋をする/5.練習はお終い

「それは、恋でしょ」

放課後の教室で、亜希に
瑞綺くんとの一連の出来事を
洗いざらい話すと、
彼女が得意げに言った。

「これが、恋なの?」

「恋でしょ! じゃあ聞くけど、
なんで練習なのが悲しくなっちゃったの?」

「え、それは……、うーん。
練習ってことは、
本当のデートじゃないって事で、
ってことは、
そこに気持ちは無くて、
形だけのデートってことだから……あ、そっか」

「でしょ? 

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君とぶっつけの恋をする/4.しぼんだ恋

一緒に選んでもらった服を着て
ファーストフードで昼食を食べて、

その後は瑞綺くんの服を見たり、
雑貨を見たり、
そうしているうちに、あっという間に夕方になった。

駅からすぐの公園で、
テイクアウトしたカフェオレを飲みながら、
ベンチに座っていた。

「今日、おつかれさま。いろいろありがとう」

「それは、こちらこそ」

「俺、初デートだったなぁ。

今度ね、雑誌でデート企画があって、
女性のモ

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君とぶっつけの恋をする/3.初デートで知ること

待ち合わせの場所に着くと、
瑞綺くんはすぐに見つけられた。

改札を出てすぐの駅の柱に、
人混みからスラリと頭ひとつ抜けて
立っている。

背が高くて、
駅の柱に沿って立っているだけなのに、
様になる。
何気ない風景を切り取って
絵にしてしまえるようなオーラがあって、

改めてすごい人なんだなと、
ぼんやりしてしまった。

時計を確認してから、
ぐるりと辺りを見回した瑞綺くんが、
私を見つけて手を

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君とぶっつけの恋をする/2.出し合う弱み

昨日はよく眠れなくて、
寝坊の結果いつもの電車に乗れないのが悪かった。

まさかこんなに混むなんて。
電車に乗る時間を、
いつもより2本分ずらしただけで、
人の多さはこんなに変わるのかと

四方を人に圧迫されながらため息が漏れる。

「え、なんで今日こんな混んでんの?」
「今日金曜日っしょ」
「あーー! 瑞稀くんね」

瑞稀、
という名前を耳が拾って一瞬息が止まった。
昨日のことを思い出して、

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君とぶっつけの恋をする/1.君に似合わない悩み

「じゃあ俺と練習しない?」

立花くんが真っ直ぐにこちらを見て言うので、
私の視線はもう、
その綺麗な顔から逸らすことができなくなった。

時間差で言葉を咀嚼して
解釈に頭を巡らせるけど、
一体何を練習するのか分からなくて、
だけど緊張で声が出ない。

瞬きを繰り返しながら固まっていると、
長いまつ毛を上下させながら
私の様子を観察した立花くんが

「大丈夫?」と聞いてきた。

「あの……練習って

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