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「スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術」を読んだ
大学院のPBL活動の一環で、スクラムの精神を理解するために「スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術」を読んでいる
どういうことを学びたかったからか
PBLの主担当の先生から教えていただいた本だからチームメンバーと輪読をしている。
なぜスクラム開発を行うのか?というよりも何故スクラムという手法が仕事を早くするのかが気になった。
内容について
○目次
第一章 過去のやり方は通用しない
第二章 スクラムが誕生するまで
第三章 チーム
第四章 時間
第五章 無駄は罪である
第六章 幻想をすて、現実的なプランニングを
第七章 幸福
第八章 優先順位
第九章 世界を変える
○概要と切り口
スクラムはなぜいいのかをスクラムを考えた人が、それを生み出した経緯と手法を解説してくれる。具体的な手法というよりかは、なぜスクラムが良いのか、スクラムの本質とは何かを説いている。
スクラム気になっているけど、そもそもの考え方を知りたいという人が読むのにピッタリの本だと思う。
○読了までの所要時間
割とサクッと読めるので4~5時間程度だった
良かったところ
スクラムの考え方は人生に活きそう。スクラムを始める前にこの本に出会えてよかったと思った。
各章から気に入ったところを引用していく。
第一章
スクラムがなぜ大事なのかFBIの事例から紹介。共和国における市民権の一節めちゃくちゃいいのでぜひ本で見てほしい。
スクラムとは
綿密な連携、共通の目的のものでの団結、目指すゴールの明確化がこれらが全て含まれている
スクラムは創造性と不確実性を前提にする。スクラムの組み立ては学習プロセスを軸にしていて、自分たちが何を生み出したか、どう生み出したかをチーム自らが評価する仕組み
第二章
スクラムのイントロダクションで紙飛行機の制作を用いたスクラム実践方法解説がすごく良かった。PBLで実際に対面するときにやってみようという話になった。
「そして行動するときの手法が、おそらくデミングがもっともよく知られているのはここなのだが、 PDCAサイクルと呼ばれるものだ( Plan゠計画、 Do゠実行、 Check゠評価、 Act゠改善)。このサイクルは、作るものが何であっても、車でもビデオゲームでも紙飛行機でも適用できる。 実際、スクラムの実践方法を解説する際に私は紙飛行機を使っている。参加者をチームに分け、目標はきちんと飛ぶ紙飛行機をできるだけ多く作ることだと伝える。チームのメンバーは三つの役割にわかれてもらう。一人は、実際に飛ぶ紙飛行機をいくつ作れたかを確認する。もう一人は、紙飛行機の組み立てもするが、製作工程に注目して、チームがよりよく飛ぶ紙飛行機をより速く作れる方法がないかを考える。残りのメンバーは、飛ぶ紙飛行機を与えられた時間内にできるだけ多く作ることに注力する。 紙飛行機作りは、六分間のサイクルを三回繰り返すことで進める。各サイクルでは、最初の一分間にどうやって作るかを計画し、三分間で実行、すなわちできるだけたくさん作って実際に飛ぶかを試す。そして最後に二分間で評価を行なう。ここで、チームは自分たちの紙飛行機製作プロセスをどう改善できるか検討する。どこがうまく」
スクラム 仕事が4倍速くなる"世界標準"のチーム戦術 (早川書房)』ジェフ サザーランド著
https://a.co/1xl2qRj
第三章
良いチームやスクラムマスターの役割は何かに特化した章。スタンドアップミーティングはこういうことを問うとよいというのが勉強になった
取り入れると良さそうな考え方
- 前回集まったときから何をしたか?
- 次の12時間ですることは何か?
- 仕事をすすめる上で妨げになっているものは何か?
スクラムマスターの仕事はチームを継続的に改善し前進させていく
- どうすれば今の仕事をもっとうまくやれるだろう?と常に問いかける
- プロジェクトの進め方で変えられるところはないか
- 仕事をすすめる上でどこが一番の難関か
第四章
時間の使い方に特化した章。リズムや波に乗るのがなぜ大事なのかが書かれている。
スクラムの時間の使い方
- スプリントの長さは常に一定
- 仕事のリズムを確立する
- 外部からタスクを追加しない
第五章
下記の一言が一番自分にぶっ刺さった。いつもごめんね周りの人。
やるべき仕事の途中までやった状態というのは本質的には何もしていないのと同じだ
第六章
- スクラムでは各サイクルの最後にかならず目で確認できる、触れたり顧客に見せたりできる付加価値がなければならない
- タスクの見積もりはフィボナッチ数列を使おう
- 出た数字が4種類以上にまたがっていた場合は、最大値と最小値を出したメンバーは選んだ根拠を説明する。それからもう一度見積もりポーカーを行う
- 実際に作業する人でなければ仕事にかかる時間や労力を把握できない
第七章
この幸福の章が私の一押しの章。幸せはどういう状態なのかを考えている。色々チャレンジできているだけとても幸せなのだと思った。家庭内で家事を回すのとかスクラムちょうどよさそう。
幸福度を測るには
- 会社内での自分の役割について、1から5のスケールで表すとどう感じているか
- 同じスケールで、会社全体についてどう感じているか
- なぜそう感じるのか
- 何を一つ変えれば次のスプリントでもっと幸せだと感じられるか
スプリントの最重要課題の決め方
一番の改善点をチームで決め、それを次のスプリントの最重要課題にする。そして「合格判定試験」も含めておく。つまり、改善ができたことをどうやって確認すればいいのかだ。どうなれば改善完了なのか、具体的に実践できる形で定義しておけば、次のスプリントのレトロスペクティブで改善できたかどうかの評価が簡単にできる。
チームのメンバーを幸せにする要素とは?
- 自分の運命を自分でコントロールできること
- 何かについて自分が上達しているという実感
- 自分より大きななにかに力を尽くしているという感覚
第八章
これは自分の心にとどめたい名言だと思った。
マックスウェルの名言
- 大変なのは達成したい目標を見極める点ではなく、自分たちが何を達成できるかを見極める点である
- 最小の労力で最大の価値を生み出す部分は何かを考え素早く形にする
- それが済んだら次に追加する分の価値を見定め実行する
第九章
「自分とは違う他者を尊重し、ともに取り組む姿勢を学ぶ 」がPBL活動にふさわしい。日常生活においても、仕事においても違いを認めともに課題に取り組むという姿勢をわすれないようにしたい。
教室のスクラムボードにはユニークな項目があった。「楽しさの定義」だ。課題を完了させるだけでなく、楽しんでやろうというわけだ。これを評価する要素が「信頼」、「ユーモア」、そしてオランダ語でいう「 Gezelligheid」だ。これを一語で表すのは難しい。和気あいあいとした、和やかな、楽しい、心地よい、あるいはしばらくぶりに友人と会った感じ、大切な人と過ごす時間、居場所があるという感覚、といえばいいだろうか。確かに、すばらしいチームの一員でいるときに感じる支え、楽しさ、希望、喜び、満足感や高揚感を表現すると、まさにそんな感じがぴったりくる。
気がついたこと
なんにしても動くものを作るの大事。完璧を目指さない。一旦価値のあるものは何かにフォーカスしてとにかく見せる。この姿勢が大事だと学んだ。
学んだだけではなく、仕事ではチャレンジでわからんがやってみたよ〜を最近出している。ちょっと気持ちが変わってきた気がする。
まだわからなかったこと。
PBLではいよいよスクラム開発をやってみることになる。実際にスクラム開発をすることになったら壁にぶつかることは多くあると思う。
そういうときにどうやって乗り越えられるのかはまだわからない。具体的な方法までは書いてはいなかったので別の本で確認したい。
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