豆知識「ハッピースキーマ」

スキーマ療法では、その人の持っている考え方の癖やこだわりのようなものを「スキーマ」と呼びます。

すべての人間には、子どものころに満たされるべき基本的な感情や欲求(中核的感情欲求)があります。

子どものころに基本的な感情や欲求を満たされなかったとき、その子には「早期不適応的スキーマ」というスキーマが作られてしまいます。

逆に、子どものころにきちんと基本的な感情や欲求が満たされていれば、早期不適応的スキーマが作られないだけでなく「早期適応的スキーマ」や「ハッピースキーマ」と呼ばれるものが形成されます。

画像1

画像2

これらのハッピースキーマは、大人になってからでも、子どものころに満たされていなかった基本的な感情や欲求を満たしてくれるような体験があれば、作られることがあります。

ハッピースキーマがあるからといって不適応的スキーマがなくなるわけでもなく、ふたつのスキーマはどちらがより「強い考え方の癖」になっているか、という程度の問題になっていきます。

これまでは、不適応的スキーマ100%、ハッピースキーマ0%だった人が、少しずつ、不適応的スキーマ50%、ハッピースキーマ50%…不適応的スキーマ20%、ハッピースキーマ80%というようにどちらのスキーマをより強く持っているのかという割合が変わってくることがあります。

スキーマ療法では、少しずついろいろな方法で不適応的スキーマを信じてる度合を下げて、ハッピースキーマを信じられる度合を上げていくことで、「生きづらさ」を取り除き、回復していくことを目指します。

サポートありがとうございます。みなさんのサポートは、スキーマ療法や発達障害、当事者研究に関する書籍の購入やスキーマ療法の地方勉強会、ワークショップ開催などの費用に充てたいと思います。