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キャリアの描き方 それぞれの「キャリア=〇〇」

前回の記事で、こんなことを書きました。

“長期スパンでの目標を定めて逆算して進むというやり方自体、やりたくない”

今回の記事は、ここを少し掘り下げてみようかなと思います。

BizOpsに限定しない広いお話になるかもですが、キャリアの描き方に迷っている方読んでみていただけたら嬉しいです。

キャリアは階段、ないしは梯子なのか

一般的なイメージとして、キャリアってよく階段や梯子のイメージづけをされることが多い気がします。

「キャリア」というキーワードでググって出てきた画像のトップ8つがこちら。

2024/05/09 Google検索 「キャリア」

トップ8画像の3/4が階段。
一番先頭のも段がないけど上り坂なのでカウントしてもいいかも。

確かに、「出世」「給」とか「キャリアアップ」なんて言葉と、階段や梯子、上り坂のイメージってすごく親和性がいいと思うんです。

ただ個人的には、これすごく閉塞感のあるイメージだなと思っています。

その理由をご紹介しようと思います。

「登る」にはあらかじめ登る先が必要

梯子って、登る先があるから立てかけて登るものですよね。

あつまれどうぶつの森

あつ森でも、登れる崖があるところでしか梯子って使えないじゃないですか。

だから、キャリアを階段や梯子で描くとなると

「なんで全員登りたい先がある前提なの?」

と思うわけです。

例えば
上に登らず海でめちゃくちゃ魚釣りまくるとか
パニーの島にひとっ飛びして写真撮るとか
持ち物全部たぬき商会で売りまくるとか
登らずできることっていっぱいあるわけじゃないですか。

うっかりあつ森の世界で例えちゃいましたが

階段や梯子で描くキャリアって、

営業マン
営業マネージャ
営業部長
営業部門執行役員


分かりやすく超簡略単調に言えば、こんな風になってくると思うんですが、

営業マン
医学部入学
医学部卒業
司法試験合格
エンジニアとして転職


なんてキャリアを歩んだっていいわけです。

なんでキャリアって「登る」イメージが付きまとうのかなって。

階段や梯子を登るイメージでキャリアを描くと、登らず地上で色んなことをやってる人は登れなかった人か変わり者とラベリングされてしまう。

登った先での目的?

さらに。

わざわざ階段なり梯子なりという道具を使って登るということは、登った先に何か目的がなきゃならない。

崖の上の土地を開拓するとか、
崖の上でしか捕まえられない虫を捕まえるとか、
崖の反対側に停泊する船で美術品が買いたいとか…
(いい加減あつ森の世界から戻ってこい)

なんでもいいんですが、登るからには登った先でなんかやりたいことがあるはずなんですよね。

キャリア面談しててよく聞かれることありませんか?

「あなたはこの先どうなりたいんですか?」

いや知らんがな。

だって、自分の中には登りたい先も登った先でやりたいこともないんだもの。

なのに勝手に階段を「登る」というキャリアの描き方を前提にして、「階段登った先であなたは一体どうしたいの?」と投げかけられても…と。

でも、上司からこれを聞かれたらなんかは答えなきゃいけない空気になる。

で、なんとなーく

「と、とりあえずはー…マネージャになってマネジメントを経験するとか…っすかね?」

とか言って面談が終了し、登り先の決まっていない階段をなんとなく登ってる感じの日々を歩む。



身の回りで自分含め、いませんか?


なんとなくゆるゆる出世してる、昇給してるけど手応えも充実感もない人。



ないしは



肩書は立派になったけど、退職したらなんも残んなかったな…と抜け殻化してる定年退職後のお父さん。



「登る」イメージでなんとなく登っちゃったけど…

登った先でやりたいことがないままなんとなく登っちゃって、梯子のいく先がないまま梯子にだけしがみついている

実は結構怖いのは、キャリアの階段・梯子は自分の中で目的地が定まってなくてもなんとなく登れちゃうことなんですよね。


「とりあえず登ることが是だ!さあ!登れ!」
で登れちゃう。

でも登る人は、登った先に何があるんだかいまいちわかってない

なのに、登るからにはその先に何か目的地がある、その先で何者かになれる、何かが成せるんだと心のどこかで思いながら登っていく

そして、登った先で目的地がないことに気づく。

「え、今までの時間何だったんだろう…」
ってなりますよね。

いやそもそも目的地がないなら、その階段登らなくて良かったんじゃない?

階段・梯子を下りる恐怖

まだまだ続く怖い話。

10年単位の時間をかけて、上に上に登った梯子。

滑落注意とか書いてあるし…

下りるの怖すぎません?

一番下まで降りたら、またこれ登らなきゃいけないの?
下りるたら振り出しに戻るのか…
途中で滑って落ちたらどうする?

登った先に行きたい目的地が何もないと途中で気づいても、

他の目的地に行きたいと思っても、

一回登ってきちゃった梯子を降りるって、想像しただけでめちゃくちゃ怖いんですよ


だから、なんとなく登り始めちゃったら容易に下りてこられない。

飛び降りるぐらいの勇気を要してしまう。

足がすくむ。

仕方がないからまた登る。

BizOpsの仕事とものすごく親和性が低い

このキャリアを階段や梯子で捉えるイメージ、BizOpsの仕事とは特に親和性が低いです。

いやむしろ相性最悪です。

BizOpsの仕事って、広く浅く、全面をカバーしていくような動き方ですよね。

営業の現場のことはオペレーション、システム、それからメンバーの心情まで含めて理解している。
でも、別に売れる営業である必要はない。

経理のことはオペレーション、システム、それからメンバーの心情まで含めて理解している。
でも、別に会計処理ができる必要はない。

ある時はマーケに詳しくなり、ある時は開発側の事情に詳しくなり…広く浅くいろんなとこに片足片手ずつ突っ込んで改善・改革していく役割なわけです。

このキャリアを階段・梯子をイメージして、目的地決めて登って行けって言われたら

鬼ムズくない?


言ったらBizOpsの日常なんて常にホグワーツの動く階段ですよ。

としまえんの跡地にできたやつ行ってみたいな…

あっちに向かって登ってたと思ったら、階段の気が変わって目的地が変わってしまった!

昨日はあった階段が今日はない!

先月まではこっちの階段使ってたけど、今月はこっち!

みたいな日々を生きてるわけです。

無理ですよね?
階段を「登る」イメージでキャリア作り続けるの。

「登らない」キャリアイメージのススメ

なので、いっそ

キャリア=階段・梯子でイメージするの一旦やめようぜ!

というのが私の言いたいことなんですが…

イメージをやめても、「キャリア」というもんやりした概念はそこに存在し続けるわけです。

形なき概念を捉えるのにやっぱりイメージは必要。

自分にとって理解しやすく、自分のキャリアの実態にフィットする「キャリア=〇〇」を探す

実際のところは、これがキャリア作りの最初の一歩なんじゃないかなと思います。


と言ってもイメージしづらいと思うので、今私が自分のキャリアをイメージする上でしっくりきている「キャリア=〇〇」をご紹介しようと思います。

私のキャリア=点つなぎ絵

スティーブ・ジョブズ氏の

connecting the dots

スタンフォード大学でのスピーチ

このフレーズはあまりに有名で、ご存知の方も多いと思います。

が、私のイメージはそんな高尚な次元じゃなく、もうちょっと幼稚なイメージ。

幼稚園か小学校の時こういうのやりませんでした?

すたペンドリルより

順番に点を繋いだら恐竜さんが描けましたー!
みたいなやつです。

点つなぎ絵的 キャリアの描き方の流れ

なんでわざわざ「点つなぎ絵」と例えているかというと…


まずいろんな経験が点になっていく。

もともとある教材を使ってるので
この場合形がすごく分かりやすいけど、
実際こんなに綺麗ではないと思う


でこれに線を引っ張ってみる。

実際には使わない点も絵の中や外にあるはず


お、これって…


この時点では色んなものに見えると思うんです。

人によってはサイに見えるだろうし、
恐竜という人もいるだろうし、
ヒゲの生えた太っちょの犬にも見えるかも。

なんにせよ、この段階ではいかようにでも捉えられるわけです、



ここからが超重要


「私はこの絵をどう捉えたか」を、あとから見てわかるように補助絵を描き足してアーカイブしておく。


だってこのままだと、

「恐竜だ!」

って思って描いておいた絵を忘れちゃって、

「サイだっけ?犬だっけ?
ていうかなんかいびつだから
無かったことにしようかな。」

なんて捨ててしまうかもしれないから。

だからこうする。

一旦完成したキャリアの点つなぎ絵。
これでアーカイブ。


補助絵を描いてキャリアの点つなぎをアーカイブしておく。


幼児教材ならではのこの補助絵
これが点つなぎ絵でキャリアを描いていく上での、最重要ポイントじゃないかと思ってるんです。

描いた点つなぎ絵をアーカイブしよう

じゃあアーカイブってどうやるのかというと、キャリアの棚卸しシートを作ります

ちょっと古いけど実際の私のシート


これが点つなぎ絵のアーカイブです。

職務経歴書として書いてもいいんだけど…

私はその業務に従事していた時の自分を語る上で外せない要素を項目として入れて書いてます。

書いてある内容としては

  • 時期

  • 期間

  • 所属企業

  • 所属組織

  • 役職

  • 業務内容

  • 業務エピソード

  • プライベートの状況

  • 気持ちの変化

  • テクニカルスキル

  • ポータブルスキル

マッピングするとこんな感じです。

キャリアの棚卸しシートと点つなぎ絵のマッピング

点だけ書きっぱなしでも、線で繋ぎっぱなしでもダメ。

何が描けたのか分かるように補助絵付きで定期的に保存しておく。


どれぐらいの頻度で?

できれば年1でやりたいけれど、
実際私も年1ではアーカイブできていなくて、
現実的なのは3年に1回くらいかなぁと思ってますが…(ゴニョゴニョ)

でもやっぱり

年1はアーカイブできた方がいい!!

と自戒も込めて書いておきます。


「キャリア=〇〇」は人それぞれ

一般的なイメージとしては、階段や梯子で語られることが多いキャリア。

でも実際は、階段や梯子が自身のキャリアイメージとしてハマる人もいればハマらない人もいる。

それぞれが自分でしっくりくるイメージで、キャリアを捉えて描いていけばいいと思います。

なりたいものなし
やりたいことなし

それでもって

面白そうなことを次々やりたい
目の前に出てきた敵を倒し続けたい

と思っている私みたいな人には、点つなぎ絵でのキャリアの捉え方がぴったりでした。

案外関係なさそうなことがつながるもので、春から小学校の英会話講師をやっているんですが、この仕事には

  • Salesforceのイベントで登壇させてもらったり、ユーザーコミュニティでイベント登壇することでついた度胸

  • ヨガ講師としてtoCのクラスをすることでついた臨機応変な対応力

  • 子育てで心得た子供的笑いのツボ

こーんな色んなことが役立っています。

点だけ見たら、

プレゼンやって、
ヨガ講師やって、
子育てして、

何の脈絡もつながりもなく見えるんですが、幾年かを経て線で繋がって、「英会話講師」という絵が描けました。


プライベートも含め、自分の人生の全てが点つなぎ絵を描くための点になっている。

この捉え方をするようになってから、あれもこれも全てはいつかつながる面白いことに変わり、積み上がっていかないことに対する不安がなくなりました

私の場合は幼児を育ててるのもあって点つなぎ絵が1番ハマりましたが、ご自身にとって身近な例えを探すのが1番いいと思います。

あと、キャリアの捉え方って自分の中で複数持ってていいと思います。

私は点つなぎ絵の他に、レゴも自分の中で結構ハマってる例えです。

レゴって、レゴだけで完結させることもできるけど、レゴで作った家具をシルバニアのお家に置いたっていい。

この感じって、レゴをポータブルスキルと捉えて、どこにでも置ける感じがしっくりくるなと思っています。

うちの娘のシルバニアのお家。
シルバニアのお家だけ買って
家具も人形も買い忘れたら
娘が号泣しちゃったんで、
強引にレゴをぶち込んだ結果
思いついた例えです笑


ハマる例えをいくつか持っておくと、より自分の中でのキャリアの自由度が広がって動きやすくなる。

足場が盤石になっていく。

だから「キャリア=〇〇」は、自分の中で常にバリエーションを増やし続けていくのがいいんじゃないかなと個人的には思っています。


長くなりましたが私は自分のキャリアをこんな風にしっくりくる例えを探して描いています。


みなさんの1番しっくりくる「キャリア=〇〇」はなんですか?

ぜひコメントやツイートで教えてください!

こういうのって、結構誰かの例えがヒントになるかも?

もし回答がたくさんいただけたら、みなさんの「キャリア=〇〇」をまとめて記事にしてご紹介してみようかなと思っています!



それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

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