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【旅】"気"で肩凝りが治る大瀬崎の神社
ふと思い立って、大瀬崎に行ってみた。(写真は伊豆半島ジオパークHPより)
大瀬崎は、砂嘴(し)が海に長く突き出した、スプーンみたいな形をしている。
一般的には、主に初心者向けのダイビングスポットとして名高い。小さな湾で波が静かで、透明度も高いため、魚がよく見える。
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また、その昔、源頼朝が戦勝祈願に弓矢、冑、鏡、太刀などを寄進したと言われる大瀬神社がある。その先に、四方を海に囲まれているのに淡水の池があり、コイやフナなどが元気に泳いでいる。
すでにシーズンオフの平日で、ダイバーもまばら、観光客もまばら。夏の賑わいはない。
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私が伊豆に来た30年ほど前、ダイビング人気は相当なもので、大瀬崎に至る海沿いの一本道は常に渋滞していた。
ダイバー、海水浴客、釣り人などが入り混じり、沢山の人で賑わっていた。
私はダイビングはやらないが、素潜りできれいな魚に会える場所として記憶している。
ちなみに、うちの子が生後5か月で海デビューしたのもここ。
砂浜に座らせたら、コロンと後ろに倒れて、水の中のうちの子と目が合ったのを鮮明に覚えている。慌てて抱き上げたが、大泣きだった。
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夏が過ぎた後の物悲しさに、老朽化した建物が拍車をかける。砂利でできた砂浜に、足を取られながら砂嘴の先端を目指す。
途中、欠けた貝殻やウニ殻を拾い、手のひらに載せて眺めてみる。
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大瀬崎はもう一つ、ビャクシンという荒々しい木肌を見せる木の生息地だ。長い年月を経て、風雨に晒され、日に焼かれた幹は、黒ずみそうなものだが、木によっては漂白されたかのように白々しい。
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そんなビャクシンの木々の間を抜けて、大瀬神社に着いた。
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大瀬神社は、駿河湾漁民の信仰の象徴であり、海の守護神として知られる。船を新造する時には、必ずこの神社に参詣し、海上の安全を祈願したと言われている。
階段を登って社殿に行く。驚いたのが、社殿に施された彫刻の数々。
Wikipediaによると、1939年に建てられたものだそうだ。
天狗や龍、鶏のような怪物、背景の木々や山並み、どれもこれも、今にも動き出しそうな躍動感が伝わってくる。
天狗の歓声が聞こえ、龍などは、スルスルと柱を下ってくるのではないか、と思うほど。
あちらこちらに配置された狛犬も、実に見事な出来栄え。
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ちょっと見た事がないくらいの精巧さ。
よほど名のある職人の手によるものではないかなぁ?
何時間でもみていられるくらい。うちの古伊万里にも手の込んだ見飽きない紋様があるが、この神社も同様だ。
神社の先の神池に行ってみる。繰り返すが、海に突き出しているにも関わらず、この池は海水ではない。真水である。
そのため、「伊豆の七不思議」のひとつに数えられている。
薄曇りの空を映した水面は、少しだけおどろおどろしい。池の反対側に何かが潜んでいるかのような気分にさせられる。
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でも、実際は、腹を空かせたコイが大量に押し寄せ、バチャバチャとやかましい。
何も持っていなかったので、その辺の小石を投げてみる。
音につられて、コイがいっそうバタつく。
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池を半周し、海岸沿いの道に出る。
と、結界から出たかのような、ちょっと世界が変わったような感覚を覚えた。
そういえば、ずっと鈍く痛んでいた、首から肩にかけての凝りが消えている。
気分もちょっと清々しい。
自宅から車で40分もかからない場所に、肩凝りに効く神社があったとは。
いわゆるパワースポットなんだろうけど、たまに訪れてゆっくりするには良い場所ですね。
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2022.9.28
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