ユキヒョウのミュウについて

2020年10月27日 16:09

はじめに

本noteでは私が出会ったユキヒョウの内の1頭であるミュウについてまとめています。国内を転々としながら、各地で愛された彼女の最期の地での姿を見ていただければ幸いです。

プロフィール

生年月日 2003年05月04日
死亡年月日 2019年07月20日(享年: 16歳)
移動歴
東京都・多摩動物公園(誕生 - 2004年03月23日) → 兵庫県・王子動物園(? - 2012年2月29日) → 愛知県・東山動植物園(? - 2017年03月06日) → 山梨県・遊亀公園付属動物園(? - 死亡)
家族
父はカザフスタンから贈られた野生個体・シンギズ、母はミユキ。
同日生まれの姉妹に群馬サファリパークのマイがいましたが、ミュウが亡くなる半年前に亡くなりました。
父・シンギズは複数のメスとの繁殖に成功しており、この他に腹違いの兄弟が多数います。
過去王子動物園でティアン、東山動植物園でユキチと同居経験があるようですが子はいません。

写真

個人的な思い出

私がミュウさんに会ったのは2019年5月のことでした。

東京に用事ができたため、その足で山梨県へ新幹線を使って向かいました。道すがらに円山動物園から生まれたばかりのシジムの子供が亡くなった報せを受け、涙をこぼしそうになりながらの旅路でした。

甲府駅からバスを利用してついた遊亀公園付属動物園はノスタルジックな雰囲気の動物園でした。広さ的には動物を見ずに端から端まで歩けば5分もかからないくらいです。
遊園地のような公園に併設されていることもあり、来園者の子供の比率がとても高いように感じました。

猛獣たちが暮らす檻にはすだれがかけられており、直射日光が入らないように工夫がされていました。5月の初旬と言うと、北海道ではやや肌寒さもある時期ですが、甲府はすでにじりじりとした暑さで、ユキヒョウには辛そうな気温でした。
ミュウさんの部屋にはエアコンが備え付けられていて、私がついたときにはミュウさんはその前でお休み中でした。掃除が終わったのかすぐに寝室との出入り自由になりましたが、エアコンの前が好きなのかしばらくそこで休んでいました。

しばらくすると毛づくろいをしたり、水を飲んだり、ゆっくりと階段を降りて移動する姿も見ることができました。かなり足腰が弱っていて、見ていて心配になりましたが、瞳はキラキラと活き活きしていて元気をもらえました。

ミュウさんと言えば、飼育員さんが檻越しにブラッシングしてもらいうっとりする姿。You Tubeなどで見ていたその姿を見れたらと思いましたが、残念ながらその日は担当さんがおらずに見ることはできませんでした。
でも、他の飼育員さんとはお話する機会があり、バクを近くで見せていただいたり、円山から来たレッサーパンダがいることを教えていただくなど親切にしていただきました。ミュウさんについても「長生きしてもらうのでまた会いに来てください」と言っていただき、当時行っていた全国のユキヒョウに会う旅を終えたらまたこの温かい場所に会いに来ようと思ったものでした。

しかし、二ヶ月後のことでした。
次のユキヒョウに会いに行く途中にミュウさんの訃報が飛び込んできました。
とても悲しかったですが、最期の地で愛されてキラキラとした瞳で過ごしていた彼女に会い元気をもらったことに感謝しかありませんでした。

改めてミュウさん、ありがとう。どうか安らかに眠ってください。