幸せの対価

岩井俊二監督の作品は綺麗な映像の中に残酷な現実を混ぜ込んでいて
それはまるで、花束の中に仕込まれたナイフみたいに心を抉る。

「リリィ・シュシュのすべて」で、忍成修吾さんが市原隼人さんの目の前で
彼の買ったリリィのコンサートチケットを破り捨てるシーンがあって
なんて残酷な現実なんだろう、と息を呑んだ。
それ以外にも結構エグいシーンがあったのだけれど
それもなんか「雰囲気は綺麗」というベールに覆われていて
「なんだかよくわからないけれど絶賛されている」
という意識しかなかった。

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