人生初の限界突破。

今まで、なるべく無理をしないで生きてきた。

部活はずっと文化部で、走り込みはしたことがなかったし、夏休みの宿題も計画的に進めていたので、最終日に慌てて終わらせるなんてこともなかった。

テスト勉強も前日に徹夜したことはないし、卒論もちゃんと締め切り数日前に提出した。

お酒に飲まれたくなくて、二日酔いで記憶をなくしたこともないし、オールして過ごしたのは多分学生時代一度だけ。

とにかく、何かに追われたり、追い込まれて急いでしたりすることが苦手だったので、全て計画的に無難にこなしてきた。

そんな私が、人生て初めて無理をした。それが子育てだった。

子育てには、とにかく終わりがない。特に新生児の頃は、慣れないこともあって本当に苦労した。昼夜関係なく泣く我が子。おっぱいをあげられるのが自分しかいない現状で、どんなに眠くても起きて授乳しなければならない。

それでも泣き止まないと、今度は真夜中に眠い目を擦りながら、立って抱っこしてあやす。やっと寝たと思い自分も泥のように眠った数時間、また子どもの泣き声で起こされる。そして、そんな日が何日も続く。

これは紛れもなく、私が人生で初めて経験した限界への挑戦だった。

もしかすると、今まで何かを無理して頑張った経験があれば、あの時を思い出せば…と励みになったかもしれない。でも私にはその経験がなかった。だから、尚のこと大変さを感じていたかもしれない。

それでも、自分がこの子を育てるしかない、と思うと頑張れた。あの時は必死で気づかなかったけれど、今振り返ると、あの時よく頑張ったなぁと思う。自分を褒めてあげたいです笑。

そして、もちろん周りの支えかあってこそではあるけれど、あんなに無理をしてこなかった私でも、子どものためなら、やればできるということを30歳手前ではじめて知った。

あまり無理するのはよくないけれど、人間って、本当に追い込まれるとなんとかできるもんなんですね笑。

自分の限界に挑戦したあの1ヶ月。その日々を、きっと私は忘れないだろう。