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助けてもらう、を当たり前にしない。

今期のドラマで一番ハマった「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」。

その物語の中で、自分の心に残った言葉があった。それは、主人公のユキコがアルバイトをしているハンバーガー店で、うまくポテトを作ることができなかった時、他の店員に言われた言葉だ。

「目が見えないからって、周りに甘えてるんじゃないですか?」

実際の物語では、ユキコはそんなことはなくて、ちゃんと自分が仕事ができるように、できる限りの努力をしている。だから、このセリフが刺さったのは、私自身だった。

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私は妊娠してから、乗り物などで優先席に座れるような、社会的に弱いとされる立場になった。

だから出産するまでも、そして子育てをしている今も、それまでの生活以上に、たくさんの人に助けてもらいながら暮らしている。

例えば、抱っこ紐で買い物をしていて財布を落としてしまった時、しゃがむのに時間がかかっていたら、近くにいた人が拾ってくれたことがあった。

他にも扉を開けて待ってくれる人がいたり、席を譲ってくれる人もいた。ありがたいなぁ、心の底からそう思った。

でも、ドラマを見てふと思った。もしかして、私その思いやりに甘えていないだろうか。

ものを落としたら誰か拾ってくれるかもしれない、困っていたら誰かが声をかけてくれるかもしれない。いつの間にか、そんなふうに思っている自分がいることに気づいた。

そういう行為に期待して、そして何もないと少し冷たいな、と思っている自分にも。

助けてくれるのは、本当にありがたいことだ。でも、それを当たり前に感じて、勝手に期待して幻滅するのは違う。だって、誰にも弱者を助けなきゃいけない義務なんてないのだ。

ユキコのように、ちゃんと自分一人でもできるように、考えて工夫して、しっかり準備をする。その上で、助けてもらったら素直にお礼を言う。それが支え合いの社会をつくる一番の基礎なんじゃないのだろうか。

だから私はこれからは、たくさんの人の優しさに感謝しながら、その上にあぐらをかかず、しっかり一人で立って、暮らしていきたいと思います。