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やめることは、進むこと。


やめることが、ネガティブなこととは限りません。

今見ているドラマ「コントが始まる」に出てくるセリフだ。このセリフを聞いて、本当にそうだなぁと思った。

私は、転職を試みていた時期があった。しかも何年も。多分、3年ぐらいは考えていたんじゃないかと思う。

目指していた公務員試験に落ちて、その外郭団体就職したが、どうしても公務員の夢を諦めきれなかった。

こんなはずじゃない。私にはもっと別の道がある。そう思って、毎年お守りのように受け続けていた公務員試験。

でも、心の中では分かっていた。受かるはずがない。それは初めて受けた時よりも、明らかに毎年やる気と勉強量が減っているのが自分でも分かっていたし、もう惰性でしかないことを知っていたから。

それでも諦められなかったのは、やめることで自分の夢が終わってしまい、今の場所にいることが決まってしまうのが怖ったから。だから、続けることでまだ夢は続くと信じたかったのだと思う。

でも、それは結局のところ、それはただ同じ場所で足踏みしていただけで、前に進んでいたわけじゃなかった。惰性で続けても、前には進めない。

だから、いつ、どうやってそれに終止符を打って、その思いに踏ん切りをつけるか。それが一番大切で、難しいことだったのかもしれない。

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今までの私は、努力は報われると思っていた。高校も大学も、それ相応の努力をして、全て第一希望に通っていたし、頑張れば神様が見てくれていて、信じれば夢は叶うものだと思っていた。

だから、就職でうまくいかなかった時も落ち込んだけど、でも頑張り続ければ叶うと信じていた。

でも、いつだっただろう。もう今年は受けなくていいと思ったのは。転職を考えていた頃の自分が過去のことになったのは。

多分、結婚を考え始めた頃。好きな人と結婚して、子育てをしたいという、新しい自分がやりたいことが見えた時だったと思う。

気がつけば、申し込みの期間は終わっていて、それを見てもなんとも思わない自分がいた。

あぁ、もうやらなくていいんだ。そう思うと、なんだかほっとした。多分、公務員になることがいつの間にか夢じゃなく、執着になっていたんだと思う。それに踏ん切りがついた瞬間だった。

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努力は時間が経ってから、報われることもあると思います。

このドラマで出てきたもう一つのセリフ。主人公が、努力は報われるかと問うた時に返ってきた答えだ。

これもなんとなく分かる気がした。あの頃、頑張って勉強していた時間は無駄じゃない。それはずっと思っていたことだった。

あの時に必死になって学んだことで、私は知らないことを知ることができたし、教養としてこれからの人生に生きることもあると思う。何より、あんなに頑張れた自分がいたことは、今の自分の自信にもなっている。

だからあの時間は無駄じゃなかったし、直接繋がっていなくても、今までの生きていた道、経験すべてが、今の自分を作っている。

やりたいことに挑戦すること、続けること、そしてやめること。全部が大事で、それを繰り返すことが、前に進んでいくことのような気もする。

これからも長い人生、壁にぶつかることがあるだろう。でも、ちゃんと考えて、動いて、もがくことで、見えてくるものがある。そしてその先に、きっと進む未来はあるのだ。






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