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待つということ。


最近、料理を始めてふと思ったことがあった。それは、料理って待つ時間が結構あるということ。

例えば、カレー。野菜を入れてルーを入れたら、蓋をして20分ぐらい煮込むまで待つ。

例えば、漬物。野菜を刻んで醤油に漬けたら、1時間ぐらい野菜が漬かるまで待つ。

昨日作ったアイスだって、牛乳に砂糖を入れて、30分以上ゆっくりとかき混ぜて、それが冷めるのを待って、そこから冷凍庫に入れて3時間ぐらい冷やしてから食べた。

今は少し慣れたけど、最初はこの「待つ」ということが結構苦手だった。自分では気は長い方だと思っていたけれど、それでも何でも早くできる世の中に慣れすぎて、全然待てなかった。

でも最近、待つ時間っていいな、と思えてきた。待つ時間があると、出来上がるまでの楽しみが大きくなる気がする。

どんな味になっているだろう、どんな形になっているかな。そんな楽しみを想像する時間。それがワクワクを大きくさせてくれる。

すぐできたものよりも、時間をかけてできた方が有り難みも増す気がして、じっくり味わって丁寧に食べたりして。手作りは手間暇かかるけれど、その分愛情が生まれておいしくなる。

最近は、時短とか効率的な時間の使い方が言われていて、何事にもスピードが求められる時代だ。早く、早く、とにかく早く。もちろん大事なことだけれど、でも待つ時間があったっていいじゃないか、とも思う。

待っているからこそ、その空白の時間に生まれるものだってあると思うし、ゆとりが持てると何となく満たされた気持ちになってくる。

そうすると、自分にも周りに対しても寛大になれる気がする。まぁ、いいじゃないか。そう焦りなさんな。そんな仏のような気持ちになってくる。

慌ただしい、焦る気持ちの時こそ、待つ時間を。ゆっくりジャムを作って、ぐるぐる木べらで鍋を混ぜれば、きっと何かが見えてくる。