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家族の形が変わるとき。


私は、もうすぐ実家を離れる。

離れるといっても、同じ市内で車で30分ほどの場所だから、それほど離れた距離に引っ越すわけじゃない。

友達だって、大学入学や就職のタイミングで実家を離れた人は多かったし、きっといずれは家を出るんだから、そんなに大したことではないんだろうと思う。

それでも私にとって、家を離れるというのはとても大きいことだ。なんせ27年間、一度も引っ越さず、ずっと家族で住んできたのだから。

特に、私は家族が大好きで、家では毎日みんなでご飯を食べて、寝るまでずっとおしゃべりして、休みの日にはいつも一緒に出かけた。

母は専業主婦でずっと家にいてくれたし、父も仕事でそんなに遅く帰ってくることはなかった。妹とは友達以上に仲が良くて一緒の時間が長かったし、近くに住むおばあちゃんの家には毎日のように遊びに行った。

だから家を離れるというのは私にとっては、すごく大きな変化で、正直段ボールが部屋に山積みになった今でも、まだ離れるイメージができない。

家族の形が変わる。新しい家族ができる。それはとても嬉しい変化だし、これからの生活だってすごくワクワクしてる。私も絶対、素敵な家族を作っていくんだ。

でも、当たり前だったことが終わってしまうのは、なんだか少し寂しくて、ちょっぴり不安だ。

毎日顔を合わせて、おはよう、行ってきます、ただいま、おやすみを言う、そんな日常が変わる。

一緒にご飯を食べるのは、あと何日なんだろう。今度出かけるのはいつになるんだろう。こんなに夜までおしゃべりするなんて、もうないのかな。そんなことを思うと、何だか急に切なくなる。

会えない距離じゃないけど、でもこれからは、今までみたいに毎日会うことはない。私がこれから毎日顔を合わせるのは、新しい家族だ。

どうか元気でいてほしい、と思う。ずっとずっと元気でいて、また会ったらいつものように、お話しようね。

苗字が変わっても、住まいが変わっても、会える時間が短くなっても、やっぱり私の大事な大事な最初の家族だ。

今まで本当にありがとう。ずーっと大好きだよ。これからもどうぞよろしくね。