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私の正体を彼氏に知られていたかもしれない

猫好きという割に猫と関わりを持たずに生きてきてしまった自分が猫好きと自覚してから
初めて猫カフェを尋ねてみる
機会ができたのは彼氏とのデートだった。

私の中の猫カフェのイメージは
沢山の猫が店内に散らばっている
イメージぐらしいかなかった。
各々好きなように過ごす猫にあの手この手と
構って貰いたい人間を見ると
一種の恋愛構図にも見えてくるから面白い

そんな中でも一際に惹かれる猫がいた
店内にいたどの猫よりも気高く美しく
孤高で扱いにくい猫にみえた
誰もその猫を構おうとしなかった

機嫌が悪いのか荒ぶっていたからだ
近づこうものなら威嚇をし瞳孔は開き
触ろうものなら容赦なく爪をたてる
簡単に心を開かないその猫に
私は獲物を定めた

猫じゃらしを押し当てた所でなびかない
オモチャになんて目もくれない
ならば素手でやってやろうじゃない
そう思った私は気難しい猫にひたすら
猫パンチを繰り広げた

項を生したのか気高い猫も私にむかって
猫パンチを繰り出す飽きるとフィッと
違う場所に移動するその後を追いかける

ゆっくりそろりと近づいては
また猫パンチのやり合いを繰り返す
彼氏の事はもはや放置をしていた
私の好奇心は真っ直ぐに気難しい猫のみに
むかっているのだから仕方ない

何回かそんな事繰り返すうちに
諦めたのか触らせてくれるようになった
ふわふわの毛並みの感触はその性格と真逆で
肌触りがとても良くやっぱりなとも思った。

背中から腰に向けて撫でていると
何だか「仕方ないなぁ わかったよ 」
ってため息をつかれたような気がしたから
皆に聞こえないように「ありがとう」って
言っといた。

言葉を理解したのかはわからないけれど
もう一度顔を見上げられて
ため息はつかれたから通じたのだろう

何枚か写真をとり店を後にした時に
彼氏があの猫にだけ構い続けた
理由をきいてきた
かねて長年の友人や周りから
言われる言葉が頭をよぎった。

私に足りないのは
耳としっぽと肉球だけだなとも思う

あの猫にこだわる答えは
何となく分かっていた。
彼が私を見る瞳の奥に愛おしさと
同じ答えをもっているのを
感じながら返事をした

「なんでだろうね?」

私はふと思った

私の正体を彼氏にしられたかもしれない

面白かったな🎶 元気出たな🎶何て気持ちで読み終わって貰えたら嬉しいです🎶