新書『女のからだ フェミニズム以後』を読んで

自分の身体は自分のもの。これはしごく当たり前のことのように思えるが、実はほとんどの人が達成できていない、特別なことなのだと思った。
女の体は男や国家に搾取されていると言えると思う。
一方「男は仕事」というように残業を強いられてきたという意味では、男の体も国家や企業のものだと言えるのではないかと思った。女の体は男のもの、男の体は企業のもの。
では、自ら企業を操っている社長ポジションの男の体は完全に自分自身のものかと言えばそうでもなく、究極を言えば、経済を大きく動かすという意味で、資本主義のものになっていると言えるのではないかと思う。

唐突にいろいろ書いたが、今後控える妊娠を考える20代女として、この本を読んで本当に良かったと思う。
また、自分の体のことだけでなく、中絶問題などへの自分の意見がどのような立ち位置なのか、ということも同時にわかったので良かった。それぞれの見方に関する聡明さや落ち度もよくわかった。そのことをふまえて、資本主義の力を借りて男性になるよりも、女性としての自分で生きていきたいと感じた。

「現代の女たちのからだをめぐる『自由』や『解放』は、多分にテクノロジーと資本主義市場に依存することによって達成されたものなのだ。」

荻野美穂『女のからだ フェミニズム以後』岩波新書、2014年、240頁。


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