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誰が奏でた結婚式だったのか?






今日は、式での「音楽」の話。




寒くなり始めた頃、多分11月ごろ、仏から聞かれた。どんな式にしたい?何にこだわる?と。それに対し、私は相変わらず可愛くない返事をした。


んー。無駄とか無理がない式。


いや、もうなんやねん、その返し・・・って感じだけど、これが本心だった。これまで参列してきた式を否定するわけではないけれど、ファーストバイトのくだりって本当にいるのかな?とか、友人スピーチで友人が涙ぐんじゃって全然手紙を読み進められなくて時間が押しちゃって帰りの電車大丈夫かな?とか、そういう現実的な疑問や心配が浮かんでしまうシーンを幾度となく経験してきたから、『シュッと洗練された感じ』にしたかった。


仏は、変わらぬ優しさで、ハハハそうだよね分かる分かる!と共感してくれた。その上で私も聞いてみた、何にこだわりたい?と。


そうだねぇ、音楽はこだわりたいよね。


私も同感だった。というわけで、我々の式のテーマ?は「コンテンツを詰め込みすぎない、いい音楽を楽しむ式」で決定した。(まぁこんな正式に言葉で表明したわけではないけど、要素としてはこの二つを大切にしよう、と)




そんな大前提が定まったところで、仏がインフルエンザにかかった。熱が引いて、でもまだ菌を持っている可能性があるから外出は控えていて、の自粛期間に仏は言っていた。


ね〜〜暇だよ〜〜スマホも見飽きたよ〜〜


・・・ハッ!!!!


んじゃ、結婚式でかける音楽のプレイリスト作っといて。


こうして彼は一案件、受注したのだった。確かに〜!!やるやる〜!!と、目を輝かせながら音楽を聴き漁り、入場から退場まで、各シーンでかけたい曲の候補を一覧で私に納品してきた。私はそれをどれどれと眺め、聴き、「これは却下、これは採用、これは同じアーティストの別の曲希望です」とイキシニ判断した。※パワーバランスとは。



そうして決まった楽曲たちを、今日はかい摘んで紹介。





入場:September

パーティー始まるよ感があっていいなと私も思ったので、採用。9月ではなかったけど。



乾杯:歌えニッポンの空

サザンか桑田は2人でライブも行ってるし入れたいよね、ということで。


新婦中座:これが私の生きる道

仏が出してきた候補はPUFFYの別の曲だったけど、こっちの方がいいなぁと思って曲だけチェンジ。新婦の中座の曲を新郎が提案してくるのもおかしな話かもしれないけど、PUFFYという選択は、妹のユキと中座することを踏まえたら、最高の選曲だったと思う。※分かる人には分かるけど、私、この曲の中に登場するし。



プロフィールムービー:人生の扉

いつか結婚式をするなら絶対に使いたいと思っていたので、これは自分で提案。そしたら新郎側のプロフィールムービーは山下達郎のSparkleを被せてきたので、ふっ、やるなぁと思った。この流れに気づいた人、何人いたのでしょうか。



お色直し後の入場:いいんじゃない?

この曲が全曲の中で一番マイナーだったかも。なんで?って思う人もいたかもしれないけれど、実はお付き合いする前、このフレンズというアーティストのライブ(ビルボード東京)に2人で行ったのでした。なので思い出の曲。お付き合いする前にライブに一緒に行くとか、いいんじゃない?





と、、、ここまでは順調にオリコンチャートな曲たちが「無駄なく」流れてきたのですが、突然のノイズ?が差し込まれることになります。



謎の余興


遡ること1年以上前の冬。初めて私が仏を自分の父ユースケに遭わせたあの飲みの場で、父は言っていた。


君らは式はする予定なのか?するとしたらいつなんだ?それまでに歌の練習をしなきゃいけないからな。喉の調子を整えておかないと。


これを聞いて、は?何言ってんだ?と思ったが、どうやら「結婚式で新婦側の父にスポットライトが当たるシーンはないので、俺は余興で歌いたい。というか歌うのだ」とのこと。その場では一旦スルーした。


そして次の夏にみんなでご飯をした時にも、父はご機嫌に言っていた。


で、お父さんは式のどこで歌うんだ?ん〜何歌っちゃおうかなぁ〜


この時も私はスルーした。でも仏が「ユースケさん、本気で歌うつもりだよね?ちゃんと詳しく要望聞かないと・・・」と言うのと、確かに流石にタイムラインをそろそろ確定しなければいけないタイミングに入ってきていたので、改めて家族LINEで強めに聞いてみたところ、



譲らなかった。しかも独唱希望だった。マジかよ。






そんなわけで、当日は司会の方の素敵なご紹介にヨイショされて、父はマイクの前に立った。そして本当に「娘の式で、爪痕を残したい。そのために私は歌います」と宣言をしてから、中島みゆきの『系』を歌い出した。


ご満悦


私は「もうなんとでもなってください。それより私は目の前のこの美味しい料理を食べられる時間が今この瞬間しかございませんので、こちらに全集中させていただきます。歌の方はお好きにどうぞ!」という気持ちで、父の歌声を片耳に、容赦なく食べ続けた。


こんな花嫁見たことある?自分でもビビったわ


冷たい娘が食べまくっている傍らで、会場の皆様がその場を暖かく盛り上げてくださり、父は上機嫌で歌い切った。ニコニコしながらルンルンと自分の席に戻る父を見て、お腹がいっぱいになった私は「まぁこれで良かったのかな」と、なんとなく納得した。(?)





なんか文字で書き起こしてたら、またお腹がいっぱいになってきた(笑)




ここで、仏と当初立てた「コンテンツを詰め込みすぎない、いい音楽を楽しむ式」というテーマ設定に立ち返ってみる。前半部分に関しては、独自コンテンツっぽいものは父の独唱のみだったので、詰め詰めではなかったと思う。問題は、後半部分。


当事者からすると「???」といった感じの時間ではあったものの、参列した多くの方々から「かかってる音楽、全部いい音楽だった!」「ってか、お父さん歌うますぎ!かっこよかった!」「俺も自分の娘の結婚式で歌うって今日心に決めました!」との感想をいただいたので、まぁ父の中島みゆきも「いい音楽」に含めてOKとしよう。そういうことにしておこう。というわけで、テーマ設定クリア!



お父さん、爪痕残し、お疲れ様でした。そしてこんな機会の提供に(私なんかより遥かに)協力的だった仏さまや式場スタッフの皆様、ひいては当日盛り上げてくださったご列席の皆様、本当にありがとうございました!












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