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宮古島

近づくことをタブーとしていた沖縄に足を踏み入れたのは昨年のこと

すべてが初めてでベタなコースに一喜一憂し、
人類の祖先に想いをはせながら復路について
こんどは独り宮古島に飛んだ

遠い遠い記憶の縁に追いやったなにかを
ふたたび浮上させるような気がしていた

予感は的中して、食事処で居合せたユタの言葉や麻炭による反応がそれを示した。まちがいなくここ一帯の海は淀みとか濁りを溶解する力があって、どんなに研究室に通ってもそこでの解析では事足りない体感が現れる

静養の地、九重で出会った当時まだオムツだった少女は、私を御嶽へガイドするまでに成長していた 

日焼けした肌に太陽のにおい
無垢な眼差しが永遠にかわいい

2020、朱色から電飾に装いを変える東京タワーをみては痒そうで不憫だなぁと思っていたけど、あまりにも美しい宮古の海を覗いたらすべてが吹き飛んだ

だれもが観たい世界をあきらめてはいけない

と、祈りのような声を聴いた

2020. 冬


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