私が海外インターンを3日で辞めた理由
私は前々から「英語を使って仕事がしたい」と思っていました。もともと留学経験もあり、語学力はあったため、海外インターンをしよう!と考えました。
学生時代に海外インターンをすれば、つよつよなガクチカになり、かつ海外への本気度も示せると考えました。
でも…。海外インターンはそんなに甘い蜜ばかりではありませんでした…。
このnoteの目的は自身の行動を振り返り、同じような就活生・海外インターン生を減らすことです。海外インターンに全く興味がない方は読んでも無意味ですので、回れ右してくださいね。
私が海外インターンを志したきっかけ
きっかけは某外資メーカー・某外資ITの内定者とのOB・OG訪問です。就活を始めた初期の頃でした。
いわゆる就活の最難関の外資企業の内定者…。その人たちに私は「ガクチカは何を話していたんですか」と聞いたのです。
その時にお二方から返事として聞いたのが、「海外インターン」。彼らの口から出るのは、発展途上国で新規事業を立ち上げた経験…中国で飛び込み営業をしていた経験…。
今、書いている私でも、思います。経験の概要1文だけで伝わる、圧倒的なタフさ。挑戦心。行動力。
ああ、こういう一流企業に内定するには、こんな煌びやかな経歴がないといけないんだわ…
私はそう思ってしまったのでした。
私は普通の学生でした。ポテンシャルはあったかも。周りよりテキパキしていて、ちょっと勉強もできたので、「自分は結構デキる方の人間なんだわ」なんて思えたときもなくはないです。THE・井の中の蛙。
でも、自分の経歴はどうでしょう。留学経験はあるものの、学校で能動的に学んでちょっと英語が話せるようになっただけ。ガクチカで大切だとされる、主体性×チームワーク×数的成果が含まれる経験ではありません。だって勉強なんて結局一人でやるものですもの。
で、私は「あ~、自分に足りないのは煌びやかなガクチカか~」と思ってしまったのでした。
それからの就活
そんな衝撃を持ちながら、私のサマーインターンがスタートしました。
そして…面接で落ちまくったのです(笑)
結局、複数デイズは日系大手4社、その他日系大手1dayは9社という結果でした。(ベンチャーは3社受かった)
今思うと、そ~んな悪くない結果なのです。この年は2020年。コロナの影響があり、今まで対面でやってきたインターンが急にオンラインへ切り替わったタイミングでした。だから、サマーインターンをそもそも開催していない企業が多く、応募できる企業が少なかった。面接の勝率も4,50%ぐらい。
だけど私、実は盛りに盛ったガクチカを話していました(笑)0.5から100ぐらいの創作度でした。だから、その成果に自信が持てなかった。
そこに加え、Twitterで就活アカウントをやってた私は、Twitterに毒されていました。あそこは本当に怖い世界です。自分より凄い人がゴロゴロいて、10数社の複数デイズに受かって重複をどう乗り越えよう、なんて話してる人もいるわけです。
あー、自分全然だめだわーと思ってました。すごい経験がないからだろなーと。すごい経験があればこんなほぼウソのガクチカを話すっていう、苦しいこともなくなるし。とにかく創作ガクチカを話すことが、しんどかった。だって、凄さが大切だと思ってたから。
今なら分かります。面接の敗因は「自分らしさが伝わらない」ことにあり、エピソードを盛るのに必死で「人となり」を伝えきれなかったことだと。
だがしかし、その当時は分かりませんでした。そんなこと。メンターも周りの先輩もすごいガクチカorガクチカ全部ウソって人しかいなくて、じゃあすごいガクチカを作るしかないじゃんって思った。
それで私はサマーインターンが終わった10月に、就活から逃げることを決めました。そして、海外インターンに自分も挑戦することにしました。戦略的な逃げです。次に勝つための。って言い聞かせて(笑)
で、海外インターンってなんやねん?
で、海外インターンとワーホリは何が違うねん?と、ここまで読んで思った方もいますよね。私はワーホリしたいんだけど、海外インターンの方が良いのかな~?と思われた方もいるかも。
私はワーホリはホテルでの清掃や、カフェでの店員。海外インターンはオフィスワーク、を想定してました
留学エージェントでもない一般学生の感覚です!が私はアルバイトか長期インターンか、の違いと同じだと思ってます。
カフェバイトなどある程度することが定まった仕事がメイン・肉体労働的な部分もある仕事がワーホリだとすれば、「考える」ことに重きを置かれる仕事が海外インターンだと思っています。どっちが良い悪いじゃないですよ。どこがメインかが違うってだけです。
アルバイトと長期インターンの違いと同じ。アルバイトでも考えて付加価値を出すことで立派なガクチカになります。でも、それはあくまでも付加価値なんだと思ってます。
例えばレストランのバイト。注文が来て、注文をとって、席に運んで、それ以外は他のバイトとお喋りして。私はそういうバイトをしてました。考えなくても、ルーティーンワークで仕事がこなせます。
けど、レストランバイトで「考える」を始めるとどうなるか。例えば「雨の日は湿気から体感温度を高めに感じるようになるだろうな…。よし、提供する水の氷の量は増やそ!」って感じの思考が生まれます。(今適当に考えた)
それでお客さんからの選択率が上がったりして、雨の日の方が繁盛する店になったりするわけですよね。就活の世界では。
こういう風に「考える」を足すと、ルーティーンワークに付加価値が出て、ガクチカのネタになる…。それがアルバイトだと思ってます。
ただ、ルーティーンワークをやることだけで大変だし、そんな工夫をできるような環境じゃなかったりとか、そこまでやる気がなかったりとか、付加価値を出すまでのハードルは割と大きいっすよ。やっぱり。
一番のハードルの大きさは「環境」じゃないでしょうか。学生バイトが「こうしましょうよ」と言いやすい環境・かつ言ったことを取り入れてもらえる環境って、なかなかない。
じゃ、長期インターンは?って話なんですけど、そもそも考えることがスタンダードなので、ガクチカになりやすいんじゃないかな~と思ってます。
例えば私の友達はベンチャーで営業をしていて、でも成績が上がらなかったらしいです。でどうしたかというと売上1位の先輩のカバン持ちのようなことをして、見て盗むってことをしたんだとか。そしたらコツがわかって営業成績が爆伸びして、「実際に見る」ことが大切だと気づき、オンライン商談のときは動画記録を取るようにしたんだとか。で、後輩の指導の時はそれを見せてあげるようにしたって。そしたら皆の営業成績も伸びたんだって!
あ、ウソですよ。今ぱーっと思いついた想像です。でも、こういうことがバイトより起こり/起こしやすいのが長期インターンだと思ってます。
これが海外になっても同じこと。ワーホリはアルバイト・海外インターンは長期インターンのように、それぞれ対価として支払われる部分が異なり、「考える」は付加価値なのか、それとも本質価値なのか。が、異なる気がします。
というか、そうだと思って海外インターンを始めたから、失敗したのかもしれません。
そんなこんなで始まった海外インターン
でまあ、コロナなので渡航できず、海外インターンをオンラインでやることに決まりました。
で、この逃げてる期間に長期インターンを2社経験しました。
だから長期インターン≒海外インターンという想定は、より具体性を持っていたんです。今までの長期インターンは「考える」が多く、きっと海外インターンもあれやこれやのこんな部分で「考える」を求められるんだろうと。ちょっと違うのは英語ってことくらいかな~って。多国籍の人と働いて~。ウフフ!って。
違いました。ぜんっぜん違いました。
入社後、営業を見て、茫然としました。
1カ月と半年先輩の営業の方がやっていた仕事は、「マニュアルの読み上げ」に過ぎませんでした。
電話でのアポ取り。完全なスクリプトがあります。その後の商談。ここにも完全なスクリプトがあります。その後の契約取り付け。完全なマニュアルがあり、読めば誰でも分かります。
えっ、これ「発表」やん!相手がどうとか関係なく同じことするだけやし、ちょっと緊張するけどスクリプト読み上げるだけだから誰でもできるやん!
Siriの読み上げ機能使ったって変わらんやん!AIでいいやん!
あ、あと日本人しかいなかったし日本語しか使いませんでした。8割は日本語と聞いていたけれど、2割と聞いた英語…0割でした。
しかも海外インターンは無給or有給でも格安のサラリーしかもらえません。それはオンラインでも同じこと。私の場合は時給500円を少し割っていました。
誤解を招きそうなので注記しますが、サラリーが安いことは了承済みでしたし、理由も納得していました。ワーホリとか海外インターンはどうしてもそうなるんですよね。人件費が高い日本人を、海外人材を安く雇える場所にある企業が敢えて雇うメリットってそんなないですし。
現地の他のインターン生はその給与がスタンダードなので、現地のインターン生がいて、社内で日本人だけ時給1000円にするのは差別に当たります。人種によって給料を変えてることになるので。だから、日本人だろうがサラリーは格安です。
ただ…それは現地で働くという楽しさ・外国人の他のインターン生がいるという楽しさによって、時給なんて気にしなくなるから許せるんだと、働き始めて気が付きました。遅い。
というか、日本人しかいない会社で500円は、きつい。安く使える駒として雇っているように感じてしまいました。
英語も使わない、給料も500h/hという安さ、「えーっ、じゃあ長期インターンでいいやん!」という思いが止まりませんでした(笑)
悪質だな~と思ったのが実際の仕事内容と求人での内容が異なることです。例えばマーケティング部。実際はメルマガの作成をさせられてました。可哀そうすぎ。ややこしいとこで、たぶん虚偽ではないんです。メルマガだって相手をマーケティングして作成することが大事でしょって言われると、まあそうだから。
でも、求人でマーケティング部は〇〇をして~って書いてあるところに、一切メルマガなんて書いてないじゃないか!すっごい市場リサーチを行って、相手に最適化するための思考プロセスが必要そうな感じで書いてるじゃないか!なんだこれは!という気持ち。
社員数も30-50名と聞いてましたが5,6名でした。ほとんどインターン生が回してました。
しかもそこにいるインターン生たち、MARCH以上の高学歴な子たちなの。就活や海外経験を考えて、このコロナ渦でも負けずに行動するような、意思の強い子たちなのです…。
もしも。もしもこれがオンラインじゃなければ。も~しかしたら、英語も使ったのかもね?求人通りだったのかもね?受け入れ企業に優しい目で見ればそうだったのでしょうが、私はとてもそうは思えませんでした。
日本人留学生を英語・世界で働くグローバルな仕事という宣伝で仕入れて、実際は安くマニュアル労働をさせている…ようにしか、見えませんでした。
ちなみに、働いた先の国はシンガポールでした。
やめるか、やめないか
「労働はそんなものだ。」
「やりたいことが始めからやれると思っていたのか。」
「自分がその道を選んだんだから、仕方ないだろ。」
そういう言葉が聞こえてきそうです。ネットとはそういう場所です。考え方が180度異なる人が、共感って言葉が己の辞書にないんだろなって人がコメントしてきます。
仕方ないって何?あなたがiPhone用の充電器を買うつもりがアンドロイドのアダプターの充電器買っちゃったとき、耳元で自分が選んだんだから仕方ないだろって囁いてあげましょうか?
やりたいことが始めからできないのに、我慢する意味って何?っていうか、あと一年いてもやりたいことなんてさせてもらえなさそうですけども。
何より嫌だなあと感じたのは、聞いていた(想像していた)環境とは違ったことでした。それが許せなかった。求めていた環境ではなくて、求めていた成果も上げられそうにないなら、搾取されるのは嫌だと強く思いました。
そんなわけで私は3日で海外インターンを辞めたのでした。
(ごめんなさい、書くのがだるくなったので、終わりです。質問があれば連絡してください。)