【精進料理に魅せられて】・・・その後

先月高野山でのヨガリトリートに参加して宿坊に宿泊した時、いただいた精進料理があまりにも美味しくて、すっかり精進料理に魅せられてたワタクシ。その時の記事がこちらです↓

さて、その後も「精進料理」熱はじわじわと続いていて、ふと本屋に立ち寄っては精進料理の本を探して眺めてみたり、ネットで検索してみたりしていました。そして本屋でちょっと気になるレシピの本を見つけて早速購入。

「カフェ風精進料理」というところが素敵。そうなんです。中にはそれはそれは美しいけど、とても手が掛かっていて日常ではできないような、眺めて終わっちゃいそうなレシピの本もありました。でも、この本に登場するレシピは作ってみたいと思うものが多く、実際、いくつかを試して楽しませてもらっています。

そして本の最初に「精進料理とは」というページがあり、歴史や考え方、特徴などの解説が書かれています。アーユルヴェーダやマクロビオティックに通じるものも多く、ある意味馴染みのある内容なのだけど、ほんのちょっとした表現の違いや背景の違いでまた新鮮に感じられたり、新たな発見があったりするので面白いです。

例えば、「五味、五色、五法」というもの。
五味は「甘、塩、酸、辛、苦」
五色は「黒、白、赤、黄、青(緑)」
五法は「生、煮る、蒸す、揚げる、炒める」
そういえば、高野山でいただいた精進料理を思い出すと・・・
五味=いろんな味わいがありバラエティ豊かだった
五色=いろんな色合いで目からも楽しめた
五法=色々な調理法で素材の変化を楽しめた
だからあれだけの満足感があったのだと思うと改めて感激。
ちなみに、基本の五味に「薄」(素材そのものの味)を加えて六味と言う説もあります。

さらに興味深いのが、料理を作る時に大切にしている心がけで「三心」というもの。
喜心・・・喜びの心を持って作らせていただく
老心・・・親が子を思うような気持ちで相手の身になって懇切丁寧に作る
大心・・・気が向いた時だけ丁寧にしたり、良い材料の時だけ張り切ったりせず、些細なことで心惑わされず、囚われや偽りを捨て、いつも変わらず心持ちで向上心を持って料理に取り組む

そうよね、そうよね、はい。つい日常の食事となると「時間に追われて作る」「素材に追われて作る(あ〜これ、今日中に使っておかないと〜とか)」「段取りに追われて作る(これ火にかけてる間にあれやって〜とか)」とにかく追われがちで、心を忘れてまさに忙しく作ってることが多いと反省。

そんなわけで行き着いたのが・・・

典座・・・「てんぞ」と読みます。お寺の料理係のことを典座と言うのだそうで、道元さんがお寺の料理人としての心得や自らの体験などを書いた「典座教訓」を、藤井宗哲さんが現代語に訳し、解説をつけてくれた本です。
これがまためちゃめちゃ興味深くて何度も読み返したくなる本です。

実は気になって購入したレシピの本、「こまき食堂」を書いた藤井小牧さんはこの藤井宗哲さんの娘さんです。そして、こまき食堂は秋葉原のあることが分かり、先日、訪れてみました。

高野山以来の精進料理は・・・

やっぱり美味しかった。
本当に五味、五色、五法、そして三心と言う背景を知ってから味わうと、ああ、本当にこの一つ一つの小さな器の中に丁寧に考えられて作られたお料理が並んでいるなぁ〜と痛感します。

さすがに毎日の食卓で何種類もの料理を少しずつ・・・という風にはいかないですが、少しの工夫で味の変化や食材の変化を楽しみつつ、心を置き去りにせず作れたら・・・と思いました。我が家にとっての「典座」になれることを目指して。

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