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中之条ビエンナーレ2023に行ってきた・その2
中之条ビエンナーレ2023で、
期待通りでもあり、期待以上でもあった、やっぱり良かった作品は
アーティスト:CLEMOMO クレモモ
展示場所:中之条市街地エリア8番「上之町商店街」(向かって一番左の角の家・元肉屋)
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クレモモはクレム・チェンとネギシモモコの2人によるアートユニット。
初めて彼らの作品を観たのは前回の中之条ビエンナーレの時で、会場はイサマムラという廃校を活用した展示場所だった。長い紙にぐるりと描かれたドローイング、中之条の土を使って作られた小さくて平たくて手のひらにのる大きさの不思議な焼き物、焼き物を投げ入れるという参加型アート作品、一つ一つが印象深く、彼らの作品に強い興味を持った。
その後、彼らのご厚意と中之条の人たちのお力添えにより、私たち夫婦は幸運にもクレモモと中之条でお会いしてお話しする機会にも恵まれ(彼らは中之条在住で制作スタジオも中之条にある)、知り合ってからの年月は浅いものの、ずっと前から大好きだったような気持ちになっている。
クレモモ作品の素材は多岐にわたる。一見バラバラのものを作っているように見えるかもしれないし、彼ら曰く何かを統一しようと思って作ってはいないということなのだが、側からみると紛れもなく全ての作品に貫かれたクレモモ色があり、クレモモ臭があり、クレモモらしさという強さがあるのだった。
彼らの作品と制作活動には、常に新鮮なチャレンジを感じる。
恐れることなく自分たちの制作を突き進める現代美術家としての態度は、時に勇気をもらえるものであり、見ていて清々しく、既存の何かに絡め取られないように現世をサバイブする姿に、こちらの背中が押される気ががする。
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今回の展示会場は彼らが長年、ここで展示がしたいと願っていた場所だった。
地上から少し段を降りるようにして建物内に入ると、一気にクレモモワールドに引き込まれる。既存のタイル壁を使ったモザイクのような作品、壁に貼り付けられたカラフルな小部屋のようにしたもの、一番奥の低くなった小さな狭い部屋には神棚のような作品と、実際に引くことができるおみくじがある。これもクレモモ特製オリジナルみくじだ。
火を扱っていたのか油と焦げのような跡が残る場所にも、独特のお面がゆらゆらと揺れ、古い小さなブラウン管テレビにはビデオ1という懐かしいチャンネル表示とともに先端技術のAIが作り出す動画がエンドレスに流れている。
空間と作品と、細かいとこまでの全てが、完全なるクレモモ色に染まっている。まるで最初からこの展示のために建てられた空間かのようだ。
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彼らの魅力はとても一言では言い表せない独特の雰囲気で溢れている。
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常識的であるかのように見せかけながら、数歩先の違和感を確実に捕まえ、
クスっと笑える面白さを全く狙っていないのに、じわじわと込み上げる面白さを感じる。
奇抜すぎる狙いすぎなあざとさを全く感じないのに極めて個性的で、あと引く旨みが長く心に留まる。
兎にも角にも「なんだかよく分からないけれど気になって仕方がない」それが私にとってのクレモモなのだ。
常に自分たちの世界観を素直に表現し続けるクレモモは、今後の作品も見続けたいと思うアーティストユニットの1組である。
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今回の作品内には実際に引くことができるおみくじがあり、私も1枚引いてきた。
1回200円。ぜひ小銭をご用意の上、会場に行ってお試しいただきたい。
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