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玄米「びっくりすらしない炊き」

玄米食に出会ったのは10年以上前にマクロビオティックの食事法を取り入れた時からであるが、その時から健康のためと言うより、とにかく味が気に入って、ずっと家でのご飯は玄米一択である。

結婚後、幸いなことに夫も玄米が好きで、お互い「もちもちふっくら」という米のCMで強調される質感は好まない。白米を続けて食べる時には雑穀米などを大量に混ぜて食べないと、日に日に体が疲れてきてしまうのだ。

玄米も、モチモチの炊き加減にするのはNG。今は鍋で米を炊く生活になったのだが、以前炊飯器を使っていた時も玄米モードで炊飯するとモチモチな白米に近い炊き上がりになり、好みではなかった。炊飯器は常に早炊きモードで水は少なめに設定していた。

そんなわけで、鍋で玄米を炊こうと思い立った時にも、玄米の炊き方を調べたわけではなく、白米の炊き方を調べて玄米を炊いてきた。

しかし、最近ひょんなことから「びっくり炊き」なる玄米の炊き方が存在することを知ったのだ。
玄米特有の面倒臭さがない炊き方ということで、シェアされている方法らしいのだが、我が家は面倒であると言われる肝心のポイント、浸水をそもそもしていないので、これは該当しないかなとも思いつつ、気になって調べてみた。

「びっくり炊き」とは、秋田県に伝わる玄米の炊き方のようだ。
途中で冷水(びっくり水)を投入することからこの名前が付けられているようなのだが、私、何を隠そう秋田県生まれの秋田県育ち。さらに両親ともに秋田県生まれの秋田県育ち。なんなら祖父母も4者全員秋田県生まれの秋田県育ちなのだが、この「びっくり炊き」というのは42年生きてきて初めて聞いた。おそらく親戚中誰も知らないのではなかろうか。秋田の一部の地域に伝わっている特別な炊き方なのかもしれない。

この「びっくり炊き」にすると、浸水なしで炊飯時間も短いにも関わらずふっくら炊き上がるということがメリットらしい。

ちなみに、玄米を浸水せずに炊いてしまうと芯が残ると言われているようなのだが、我が家では水の量を間違えたり加熱時間を間違えたりすること以外で芯が残って炊き上がったことはない。

そして我が家の炊き方はこの世にも簡単に玄米が炊きあがりますよという「びっくり炊き」よりもさらにシンプルで簡単なのだ。
唯一の懸念点は、モチモチとした食感の米しか食べられませんという方には向いていないかもしれないということだ。夫も私も、米にはプチプチとした食感を求めており、モチモチは微塵も必要としていない。米同士が独立しやすく、ぱらりとした炊きあがりが大好きだ。

これらを踏まえた上で、ご自身にも合っているかもと思われる方はぜひ、我が家の「びっくりすらしない炊き」をお試しいただきたい。

材料は以下の通り

・玄米1合
・水250ml
・鍋

ステップ1・玄米1合を鍋に入れ、水250mlを投入。
ステップ2・鍋の蓋を閉め、コンロで強火にかける。
ステップ3・鍋の蓋がかちゃかちゃと揺れるくらい沸騰してきたら火を弱火にする。
ステップ4・弱火の状態で25分程度加熱。
ステップ5・最後に火を消して10分蒸らす。

所要時間約40分。

おわり。

コンロにより火力に差があることと鍋の種類によっても違いがあると思うので、ご自身の持っている道具でちょうど良い炊き時間を見つけていただきたい。
米の炊き方といえば「はじめチョロチョロ、中ぱっぱ」のはずだが、我が家の「びっくりすらしない炊き」ならはじめのチョロチョロすらもカットである。

玄米の量に対する水分量は炊飯器で炊くときや、一般的に推奨されている水分量を参照している。

私が玄米を鍋で炊き始めた理由は二つある。
一つは持ち物を減らしたかったこと。炊飯器は案外キッチンにあると場所を要するし、もし手放すことができれば、キッチンがもっとすっきりするのに、と思ったからだ。
もう一つは、世界中どこに行っても自分好みの炊き加減で米が食べられるようになりたかったこと。ジャポニカ米が手に入らなかったとしても、今や韓国米やタイ米、カリフォルニア米など、種類を問わなければ米というものは世界のあちらこちらで食べられるようになっている。米が手に入り、手頃な大きさの鍋があれば、自分はご飯が食べられるのだ、という安心感を手に入れたかった。

炊飯器は炊き上がった米を保温して保管もできるし、米だけではなく根菜類を美味しく調理できたり、ケーキも焼けたりする優れものであることは認める。
しかし、やはりあのデンと鎮座している家電が、どうにも負担に感じるようになってしまったのだ。今となってはもっと早く手放せばよかったのに、と思うほど、手放して全く後悔していない家電である。

玄米は好きだけれど手間がかかって面倒臭い、「びっくり炊き」はずっとコンロに張り付いていないといけないから「びっくり炊き」すらも面倒だ、と思って玄米を諦めていた人がもしいるならば、一度我が家の「びっくりすらしない炊き」をお試しあれ。
プッチプチの食感の美味しい玄米がたった40分で炊き上がり。
玄米を炊いている横でおかずを調理すれば、ちょうどよいタイミングで食べられるはず。

再度の注意だが、モチモチふっくらの炊きあがりの米が好きな方には、絶対に向いていない方法なので、あしからず。

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