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白湯またはお湯のこと

ここ数週間、白湯を飲んでいる。
白湯といっても、ガスでコトコト煮込んでどうのこうのという
正式な作り方と流布されている方法で完成させたものではなく
電気ケトルでガガガゴゴゴと沸騰させただけのものである。

これを白湯と呼ぶべきではないのならば
とりあえず「お湯を飲んでいる」でもいい。
白湯かお湯かは、私にとってはどうでもいいので、
こだわりのある方もいらっしゃるだろうから
ひとまず「毎朝お湯を飲んでいる」ということにしておく。

さて、お湯。

なぜ飲み始めたかというと、単純に
お茶を作るのが面倒だったからだ。

生まれつき体力があまりない私は
漢方の理論で言うところの気虚(キキョ)という部分がベースになっており
つまりエネルギーの源とも言うべき気(キ)が生まれつきなんだか足りないのである。
うまく作り出せない構造の体を持って生まれてきて、
そして食べ物や無理なトレーニングなどで気を補おうとすると破綻することも
大人になるにつれてだんだん分かってきた。

たくさんの気を生み出すこともできないし、
外から注入される多くの気を維持できる器も持っていないのだ。

そんな私は季節の変わり目や暑い時期に特にヘトヘトに疲れ果ててしまうことがあり、
究極の気虚に陥りやすくなる。
そんな時はとにかく寝る。
体はどんどん睡眠を欲する。
その状態がつい数週間前にもやってきた。
お茶を飲みたいものの、お茶っ葉を用意するのもしんどい。
お湯は沸かせる。
じゃあ、もうこのお湯を飲めばいいじゃないか、何かの健康法っぽいし。
と言うことで「毎朝お湯を飲んでいる」になったのだ。

飲んでみたら、意外と美味しい。
そしてお茶よりもスルスルと体に入っていく感じがする。
これは絶賛気虚キャンペーン中の体だからとも言える。
お茶を消化というか、濾過していくエネルギーすらも足りない。
もう水分はなるべく体に負荷のかからない状態で入れてくださいまし、と
私の体が叫んでいるようだ。

ただの味なしのお湯なんて、そうそう飲めるもんじゃないだろう
と思っていたのだが、これが朝どころか昼に夕にと
1日中お湯を飲んでいるようになってしまった。
おかげで低コスト。買い置きしてある茶葉は全く減らない。
電気代も気になるので、700ミリリットル沸かせる電気ケトルいっぱいのお湯を沸かしたら、冷めるにまかせて少しずつ飲む。最後の一杯あたりにはちょうどごくごく飲めるぬるい水とお湯の間のようになっているのだが、これはこれで美味しく飲める。

白湯を飲むとこんな体調不良が改善されますよ
という記事をインターネット上に多数見つけることができるが、
私の体感としてはそのような効果はひとまず見当たらない。
がしかし、茶葉を入れなくても十分美味しく飲めるものを見つけてしまい、
思わぬところで節約技を手に入れてしまったということで
昨今の物価高で悩ましいと思っている人は
この機会にぜひお湯を飲むというのにチャレンジしてみてはいかがだろうか。

健康効果も大切なのだけれど、
つまりは、美味しければ、それで良しなのである。

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