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パジャマを着ない理由

寝る時に着るものといえば、寝巻き、パジャマなど、寝る時専用の衣類だろう。着心地の良いものもたくさん商品化されており、デザインも豊富。自分好みのものを探すのも楽しいだろうし、お気に入りにパジャマに着替えるだけで寝る時間を特別なものに変えることもできるだろう。

パジャマが嫌いな訳ではないのだが、わたしはパジャマの類を持っていない。ここ数年の寝るときの服装は無印良品のワンピースである。

長袖、前ボタンのワンピースの大きなサイズを寝る時用にしている。
理由は、寝ているときに何かあってもすぐにそのまま外に飛び出せるようにだ。
ちなみにそもそもわたしはジャージなるものを持っていないし、ジャージは好きじゃない。Tシャツもどうしても苦手で普段から全く着られない。なのでTシャツ短パンで寝るという案はわたしとしては即却下なのである。Tシャツと同じく短パンも持っていない。短パンどころかパンツスタイルが苦手すぎてパンツは全て処分した過去がある。

さてわたしが大きめサイズのワンピースで寝ている理由なのだが、実はデザイン云々の前に、切実な理由もある。
我が家は海から比較的近い場所にある。いつも高台か、津波が来てもかなり時間稼ぎができるだろうくらいの海岸から離れている場所に住んできたのだが、それでも大きな地震があれば津波警報を真っ先に気にしている。そして警報が出てからでは手遅れになる可能性もあることから、ツイッターなどネットの情報も即座にかき集めながら、すぐに家を飛び出せるように準備をする。
しかしながら、我が家には老犬がいる。もしも家にわたしと老犬だけがいるときに、急いで避難しなければならなくなったら、わたしは老犬を抱えて避難しなければならない。緊急時には慌ててしまうことも考慮に入れると、自分の服装には配慮していられないのだ。
どんな事態が起こるか、わからない。もしかしたら家を出たが最後、そのまま新幹線や飛行機に乗る羽目になるかもしれない。そう考えたときに、仮に新幹線に乗っても、飛行機で出国しても、超カジュアルな服だなというレベルなら、行動も楽だろうと思ったのだ。緊急時に普通そうに見えることは、身の安全を確保しながら逃げていくのに女性としては必要なことだと感じている。ここでパジャマ姿で犬を抱えている状況だったなら、自分が危険に晒される確率は格段に上がるかもしれない。

長袖のしっかりした厚みのある生地のワンピースなら、寒い場所に移動しなければならない時は後からタイツやスパッツ類を履き足せばいいし、ゆとりのあるサイズにしてあるので中に重ね着をしていくこともできる。逆に暑いところに移動しなければならないなら、あとから涼しいインナーを買い足してワンピースは前あきデザインなので羽織にすることもできる。ゆとりのあるワンピースなので腕まくりしておけば多少の暑さはそのままでもどうにか、数日はやり過ごせるはずだ。さらにゆとりのあるワンピースは、着替えポンチョのようにして使うこともできるので、どんな場所でも下着の交換もできてしまう。

日常としては、ちょっと寝坊してしまって慌ててゴミ出しに行く時だって、このワンピースのまま飛び起きてすぐに外に出られる。便利である。

あまりにも着倒しすぎて、生地がよれてきたのでそろそろ買い替え時期かなと思うのだが、次の秋冬シーズンに買い直せば2年ちょっと着尽くしたことになる。
もっとわたしの目的に合うワンピースが見つかれば、それに買い替えるかもしれないが、パジャマを買うことはきっと無いと思う。

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