卵買ったら福祉とつながる社会がいい
先週の日曜は「介護福祉士」昨日は「社会福祉士・精神保健福祉士」の国家試験だった。社会福祉士はあこがれの職業だけど、介護福祉士という立派な国家資格を取得したので、それで満足している。
「福祉士受験週間」を過ごしながら、ちょっと昔のことを思い出していた。
きっかけは、昔の「映画感想ノート」を発見、この映画の感想を読んだから
むかしのわたしのはなし
むかしむかし、今の暮らしが根こそぎ奪われ、放り出されてしまう怖れが頭から離れなかった時期にうっかり見てしまった映画「告発」(当時弁護士役のクリスチャン・スレイダーにはまっていたから!)
ヒューマンドラマと謳っているけど、ヒューマンなドラマにたどり着くまでが超しんどい映画である。
冒頭、主人公が暗くて湿り気を帯びた劣悪な独房で、ひとり膝を抱えて寝ている姿を、だんだんカメラが上昇し俯瞰していく場面がある。当時の私の状況と重なり胃が締め付けられるほど怖くなったことを覚えている。私も囚われて逃げられない、ただ湿りきった部屋にひとりで膝を抱えるしかないと。
しばらく主人公が心身共に傷つけられ追い込まれていくさまが描かれるが、歯を食いしばり目を逸らさずにいると(今なら倍速する)主人公が置かれる苦境に気付く弁護士が現れる。すると一転、手を差し伸べる人々が集まり主人公も力をみなぎらせ、1時間前には独房で絶望していた主人公が正義を語りアメリカと戦い始める、ハリウッドあるある。
困っている人(怒る私)
(ノートより、当時の私の感想)
物語の中盤から劇的に強くなっていく主人公に私は絶望した。
私には苦境に気付く人も現れず、私のいる市井のアパートの1室に
人権派の弁護士は訪ねて来ない。運よく誰かに気付いてもらえるか、自分から声をあげねばならない、私にはその2択しかなく、気づいてほしい人も声をあげる力もない。だからケヴィン・ベーコンは嫌い、この映画は嫌な感情しか残らなかった。遠いアメリカの、しかも映画に怒りがこみ上げている。
当時の私は生活するだけで精一杯で、本当に困り、怒っていた。
本題はいつもあと(つまりここから本題)
さて時を戻し、当時の私に「病んでるよね〜」そう言って笑えるようになったのは、「狼煙をあげる」或いは「匂わせる」という手段を身に着けたからだ。相変わらず悩みや苦しさを声に出す意気地はない。
しかし「はぁ〜」とこれ見よがしにため息をついたり、伏し目がちに過ごすことは出来るようになった。なぜなら、それらの行動を「おかしいぞ」と感づいてくれる人が周囲にたくさんいるからだ。そのきっかけが「福祉」との出会いだった。
役所にいこう、紙とりにいこう
様々な理由で、先が見通せず苦しい状況になってしまったとき、
親や家族、親戚、友達、恋人に相談したり頼ることが出来ない時は役所に行ってみて欲しい。ハードル高いと思うし出来れば避けたいだろうけど、役所は様々な情報が無料で手に入る。お金、健康、住まいの問題、親子、友達、夫婦・恋愛などの人間関係や、家庭、学校、職場の中で起きていることについて、聞かせて欲しいと言ってる場所が山ほどあり、ほぼ無料だ。
窓口に相談に行かなくてもいい、チラシやパンフレットが山ほど置いてあるので気になるやつを持って帰ってみてほしい。話してみようかと思える場所があるかもしれない、それを知っただけでも上等だ。相談するにしても頼るにしても、それはあなたが選択できる。
その選択肢を手に入れておくことが大切だ。
これからは、街の中に福祉との接点が増えていくだろう。いや、増やそう。
スーパーに卵買いに行ったら福祉とつながった、なんて最高じゃないか。
そんな未来を担う、介護・社会・精神保健、それぞれの福祉士がたくさん生まれることを祈りたい。
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