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「大人になるのが、嫌じゃなくなりました。」 鎌倉FiKA最終日 後編

この記事は、とっても濃厚だった鎌倉FiKA最終日レポートの、後編。
こちらの記事の続きです。

冒頭の、「大人になりたくない」「大人になるって、どういうことだろう」という流れで、対話は続き。

締めくくりに

「大人はやっぱり、お金を稼がなきゃ!っていうのがあるから、大変だよね。」

という話題に。

「仕事、辞めたいけど、なかなか辞められなくて…。」

という参加者も。

「そういう意味では、土屋は『辞める』のなんとも思ってないよね 笑!?ちょっと土屋の話してみてよ。」

とイモニイがイモイモメンバーの土屋敦さんに話を振る。

ちなみにこちらが、土屋さんのプロフィール。

1969年生まれ。栄光学園中学高等学校を卒業後、慶應義塾大学経済学部へ進学。講談社に入社後97年に退社し、フリーランスの編集者として活動。2011年から14年まで書評サイトHONZ創刊編集長を務める。料理研究家としてレシピ本「男のパスタ道」(日本経済新聞出版)などを執筆。近年では栄光学園の高1ゼミや「いもいも」教室で料理や言語表現の講師を務める。
朝日新聞EduAより

そう、売れっ子の料理研究家であるにもかかわらず、土屋さんは「いもいも」の講師もされているのだ。

「僕は小さいころから木登りが好きで、木登りから人生を学んだと思っている。

木登りするときは、一ヶ所に体重を掛けていると、枝が折れてしまうことがあるけれど、数ヶ所に体重を分散していれば、安全なんだ。」

そう語る土屋さん。

大学卒業後、最初は週刊誌編集者として濃い人間関係に揉まれた土屋さんは、結婚を機になんと寿退社。

その後奥様も会社を退職され、京都で染色の大家に弟子入り。

土屋さんは一時の主夫生活を経て、その後中米に滞在。

ホンジュラスで災害支援のNGOを立ち上げる。

その後は、「どこか、すごい田舎に住みたい…!」と佐渡島に移り住み、半農生活を送りつつ、netに料理の記事を書き始めたことが出版につながり…!

という人生の流れを話してくださった。

すごい、土屋さん、めっちゃ色々やっている…!

そして確かに、色々、辞めている!(寿退社にもびっくり…!)

私も会社を辞めたことが一度あるが、辞めるまで、決意するのが、本当に大変だった…!

そう思い、土屋さんに「辞める時って、決意の仕方とか、あるんですか?」

と伺うと

潮が満ちるように、あ、もういいな。

今が辞めるときだ。

って、分かるんだよね。

と。なるほどーーーー!!!!!

会場内からも

「私も潮満ちたいわ…」

というつぶやきが聞こえる。

You Haven’t Found Your Way Until You Get Lost.

って言葉もあってね。

自分の道は迷子になって初めて見つかる。

とでも訳せばいいかな。

Old Motorcyclist Ruleって言って、アメリカのバイク乗りに伝わる格言なんだ。」

と土屋さん。

なんとステキな言葉。イモニイや土屋さんが時々口にする

「葛藤も悩みも、そのうち全て回収される」

という言葉も思い出した。

そうか、迷ってもぐちゃぐちゃになってもいいんだ。

そこから自分の道が見つかるのかもしれない。

この土屋さんの話は、色々やりながら自分の道を探しているけれど

「本当にこれでいいのかな?本業の工作を極めるべきでは…?」

という迷いもあった私にとって、とても励みになった。

最後に、以前「大人になりたくないな」と言っていたAちゃんが、明るい表情で言う。

「皆の話を聞いて、大人も、子どもの延長線上なんだな、と思った。

だから、そこまで大人になるのが嫌じゃなくなりました。」

この言葉こそ、本当に、今回のFiKAに相応しいな、と思った。

最後に、参加者同士で、年齢も関係なく

「また集まろうね!」「何かやろう!」

と声を掛け合って分かれる。

帰りに七里ヶ浜の海岸から見えた夕陽が、とても美しかった。

今後もこの「FiKA」が継続されるかは、これから検討されるそう。

でも、とにかく、普通に生活していたら知り合わないはずの、でも同じ街に暮らすメンバーとの間に、掛け替えのない絆が生まれ、

そして、それぞれのメンバーの内面が、確実に変化している、そんな企画に参加したのは初めてで。

これから色々な人(若者にも、子育て世代にも必要だと思う。)に、このような機会が提供されたら、社会が確実に変わっていくんだろうな、と感じる。

このFiKAの火が消えずに、灯り続けることを望んでいます。

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ここまでお読み頂きありがとうございました!

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