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絵本「火の鳥」との出会い

ライフタペストリーを受け終わった次の日。

マテ貝とりの準備のため、ダイソーに行き、その後に隣の書店に寄った。

絵本コーナーを覗いてみると、「火の鳥」と大きく書かれた本がピックアップされている。

表紙に火の鳥が描いてあるが、手塚治虫の絵じゃない。
誰が書いてるの?

え!鈴木まもるだ!!!!!!


——
鈴木まもるの絵本との出会いは、10年ほど前。
当時電車が大好きだった、幼い頃の息子へのプレゼントに「せんろはつづく」という絵本を母が買ってきた。
電車をテーマにした、初めて見る本だったが、息子に読み聞かせしてみると、
「これ なーんだ? せんろだよ」
といった、優しい文章に、
小さな子どもや、鳥たち、動物たちが、笑って走り回り、本当に生き生きと描かれていて、ただの電車の絵本じゃなかった。
作者の鈴木まもるさんの、生き物全てへの愛が感じられた。
私も大好きな一冊になり、ボロボロになるまで読んだ。

数年後、鎌倉に引っ越してから、家のまわりに色々な鳥がいて、鳥に興味を持った。
図書館に行ってみると、鳥について描かれた本がたくさんあったが、
その中に、鈴木まもるさんの本を見つけた。
(確か「ぼくの鳥の巣探検 バサラ山スケッチ通信」という本だったと思う)
そこには、バサラ山、という山の麓に家族と暮らしながら、鳥の巣研究家として生きている鈴木さんの姿が描かれていた。
あー、こういう生き方をしているから、「せんろはつづく」のような絵本が描けるんだな。と思った。

また、もう絵が描けなくなった、本当に晩年のかこさとしとの共作「水とはなんじゃ」もうちにある。それが、最後に買った絵本だったかも。


わーーーーー。
鳥の巣研究家で、全ての生き物への愛がある鈴木さんに、「火の鳥」の絵本、ぴったりだなぁと思った。

もう子どもたちは絵本を読まないけど、ちょっと中身を見てみよう。火の鳥のどんなシーンが描かれているのかな?と思ったら、
思ったのと全然違って、
火の鳥を通して、きっと手塚治虫が伝えてかったことが、鈴木さんの、あの優しいことばと、生き生きとした絵で描かれていて。

最後にこう書いてあった。

「あなたは あなたのままでいい。
あなたが すきなことをたいせつに。
あなたが すきなものをたいせつに。
火の鳥は、 あなたが げんきでいることを
のぞんでいるのです。」

あまりにも胸を打たれて、泣きそうになったが、書店だったのでがまんした。
そして、昨日のライフタペストリーの内容と、
あまりにもシンクロしていて、驚いた。

そして、数年ぶりに絵本を買った。

幼い頃から手塚治虫の大ファンで、本当は漫画家になりたかったけれど、自分には向いていないと気づき、絵本作家になった。
この依頼が来たとき、恐れ多くて心が乱れたけれど、火の鳥を描いたら、火の鳥が嬉しい世界を教えてくれて、楽しく絵を描くことができた。

という鈴木さんのあとがきも、とってもよかった。

家族にも、火の鳥を鈴木まもるさんが描いたんだって!
懐かしいでしょ?読んでみてね!と伝えて、本棚に置いてある。

書店や図書館で見かけたら、ぜひ手に取ってみて欲しい。

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