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真空低温蒸留法による植物エキスの抽出

以前の記事でもご紹介したのですが、私がハーブやアロマ、クレイ、そしてクラフト作りにどっぷりとハマるきっかけとなったのが、この「真空低温蒸留法」。

【以前の記事です。】

ご存知のとおり、アロマの世界ではアロマオイルやハーブウォーターを抽出する「水蒸気蒸留法」が一般的です。この「真空低温蒸留法」は水蒸気蒸留法の中の一つで、理論こそは昔からあったものの、なかなか実用化されてこなかった蒸留方法です。

私が大好きな本ですが、こちらの本にも、芳香蒸留水を抽出する3種類の方法が記載されています。

この本に記載されている段階での真空低温蒸留法の抽出温度は70℃~80℃ですが、私たちが活用させていただいている真空低温蒸留器は40℃前後で抽出を行うので、より低温での抽出を可能にしています。

私が主人から、この「真空低温蒸留法」の話を聞いたとき、可能性しか感じなかった点が、何点かあります。

真空低温蒸留法で抽出すると植物は捨ているところがない

まず一つ目は、捨てるところがないこと。

どういうことかと言うと、その他の水蒸気蒸留法の場合、精油および芳香蒸留水を抽出するために、原料を水に入れ、それを火にかけ、もしくは熱せられた蒸気を原料にあてることにより、それらの方法で発生した蒸気を冷まして抽出することにより、精油と芳香蒸留水を獲得します。(ものすごくざっくりでごめんなさい(笑)。だいたいこんな感じというイメージです。)

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【椿の花を蒸留するために真空低温蒸留器に投入した様子】

ただ、その原料は水に入れもしくはスチームをあて抽出するため固形分は水分を多く含み、廃棄するしかないのが現状です。もちろん、肥料にしたりすることはできますが。

真空低温蒸留法の場合、原料を水に浸すことなく、植物そのままを液体と固体に分離する感じです。なので、液体は植物の中の水分および精油分がそのまま集められ、固体は、乾燥され固形分として残ります。ここにとても可能性を感じたのです!

液体分は、精油と芳香蒸留水として使用できることはもちろん、固体は乾燥物として回収できるので、ハーブティーにしたり、再度アルコールやオイルで抽出したりできるなと。

つまり、その他の水蒸気蒸留法では、液体を抽出するだけだったのが、真空低温蒸留法では、植物を100%使用できるのです!すごくないですか!(笑)

真空低温蒸留法は植物の中のエキスだけを抽出する

二つ目は、水を媒介しないことです。

その他の水蒸気蒸留法は、水を媒介することで、当たり前ですが水の影響を多大に受けます。ハーブの質はもちろんのこと、水の質を大いに受けることが想像されるのです。

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【椿の花の蒸留が終了し、蒸留器内に残った固形分】

しかし、真空低温蒸留法は水を媒介とせず、ただ植物の中のエキスを抽出するだけなので、ハーブそのものの質のみの影響で、より純粋な植物のエキスを抽出することができます。

とっても濃くて、純度の高いエキスが抽出されている感じがすごくないですか!(笑)

真空低温蒸留法は抽出温度が低い

三つめは、抽出する温度が低いことです。

真空低温蒸留法は、抽出する装置内を真空にすることにより、より低温で植物の中のエキスを抽出することができます。その温度は40℃前後です。もちろん、装置によって真空状態を作り出す性能が違うため、その温度が変わってくることは理解しています。

ただ今回出会った装置は日本製で、この40℃前後と言う低温での抽出を可能とした装置なのです!

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【主人が回収タンクから蒸留水を回収している様子】

一方、その他の水蒸気蒸留法では、ハーブを入れた水を火にかけ蒸留するため、その温度は100℃に達します。

ここで思ったんです。もしかしたら、温度が100℃に達する水蒸気蒸留法では、壊れてしまう芳香成分などがあるかもしれないと。

まだ詳しい成分分析とかしていませんが、真空低温蒸留法のような低温の抽出では、いままで抽出されることのなかった芳香成分が残っているかもしれないなと。

未知すぎてワクワクする(笑)

【ホーリーバジルの植物エキスを真空低温蒸留法にて抽出している様子です】

芳香蒸留水は、私も活用させていただいています。さらに、この真空低温蒸留法で抽出した植物エキスは、可能性を秘めていると感じました。まだまだ研究数も少なく、はっきりとしたことは言えませんが、とにかく面白そう。可能性しか感じない(笑)

これから、さまざまなハーブの抽出および分析、商品化を経験していくなかで、もっとハーブ、アロマ、クラフト作りを面白くしていきたい!


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