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肥料も農薬も使わずに、ハーブをどうやって育てる?

下堂薗万里子です。素肌美人へようこそ。

なぜ肥料も農薬も使わずにハーブ栽培をはじめたのか?

以前の記事でもお伝えしましたが、私たちは真空低温蒸留法による芳香蒸留水を抽出するために、畑を借りて、無農薬無肥料でハーブの栽培を始めました。畑を借りてまでハーブをする必要まであったかどうかはわかりませんが、今となっては楽しみの一つになっています。

というのも、農業って、難しいイメージがあったし、わざわざ自分たちでやらなくても、誰かにお願いして作ってもらう方法もあるよなと、当時から考えていました。なんですが、真空低温蒸留法だけではないですが、ハーブを蒸留する際、農薬が抽出されることは当時からよくわかっていました。だからこそ、農薬が検出されないハーブを育てる必要があるなと感じていたのです。

だからこそ、誰かに頼るのではなく、自らの手で管理して、自信が持てるものをお届けできるように、体制を整えようと。時間がかかることは覚悟していました。というより、主人から言われていました(笑)私には、検討もつかなかった。ただ、価値あることをやっている感じはしていました。理屈はわからなかったけど。

無肥料でハーブを育てるということ

【ローズゼラニウム植付け時に草マルチをしている様子】

無肥料でハーブを育てる事は主人の提案でした。

主人は、奇跡のりんごの木村秋則さんとの御縁で、無肥料で作物を育てることの意義をとても強く感じていました。私も無農薬で作物を育てることは、なんとなくわかりますが、無肥料で育てることは、ぴんときていませんでした。

主人いわく、無肥料栽培とは、肥料の定義が難しいとのこと。

私たちは、肥料としてホームセンターなどで購入したものを畑に入れることはしていません。つまり、畑の外から何かを持ってきて、畑に加えることはしていないということです。

やっていることといえば、畑で刈った草をそのまま刈り倒し、草マルチとして活用しています。また、大きく育った草木を畑の中で燃やして、草木灰を畑の中にすき込んでいます。あとは、意図的にマメ科の植物を一緒に畑で育てています。

マメ科の植物は、空気中の窒素を土の中に閉じ込めることができるらしく、肥料の代わりになるのだとか。なので、ハーブを育てながら、その周囲で枝豆やソラマメ、スナップえんどうを育てています。ハーブも育つし、野菜もできるし一石二鳥です(笑)

【畑をはじめた冬。刈り込んだ雑草に火をつけ草木灰にしている様子】

また草木灰は、昔から肥料として使われてきたものです。畑の中で育った雑草は、そのうち枯れ、それが堆積して微生物に分解され土へ還っていきます。草木灰は、その雑草を意図的に燃やし、雑草の中のミネラルを植物が使いやすくしたものです。

私たちは、畑の中でとれた雑草を畑の中で燃やして、灰を集めてすき込んでいます。雑草と言っても、柔らかい草と言うよりは、ごついやつ。セイタカアワダチソウや竹などです。これらの大きめの草木は、草マルチしても分解に時間がかかるし。だからこそ燃やしてしまったほうが、植物にとって使いやすい状態になるんです。

畑をはじめて一番大変だな~と感じたのが、この草マルチ。かがんで、植物の株元に生えている雑草を刈って、株元に伏せる。なんたって、かがむから腰が痛いし、夏場は暑すぎる(笑)

だけど、草マルチをしっかりやると株元の雑草を抑制できるし、ハーブの根元を覆ってあげるので、寒さや暑さから根を守ってあげることができる。根を守ると微生物が増え、ハーブの成長が促される。素晴らしいんだけど、大変~(笑)

まあ、確かに自然の中にいる植物って、雑草が葉っぱが堆積した中で生きている。だから、ハーブも同じような環境を作ってあげたらハーブの生きる力を伸ばしてあげられるのではないかと。

無農薬でハーブを育てるということ

あとは、虫の駆除ですね。忌避効果が高いハーブが多いのですが、一番大変なのは、バラ。バラを農薬なしで育てるのがこんなに大変だとは思いませんでした(笑)

アカスジチュウレンジという害虫がいるのですが、最初のうちは気づかなかったんです。だけど、暖かくなってきて、少しずつバラの葉っぱがなくなっていったんです。おかしいな~と思っていたら、なんだか青虫みたいな小さい虫がたくさん葉っぱを食べている(笑)ぎゃ~っとなって、いろいろ調べたら、このアカスジチュウレンジだったんです。

この虫が、おしりからバラの茎に卵を産みつけ、そこの茎が避け、青虫みたいなのが大量発生。そしてバラの葉っぱがなくなる(笑)

なので、夏の間は、ずっとバラの見回りをして、一匹一匹手で潰していました。ちょっと畑にいかないと大量発生して、葉っぱがなくなる(笑)

だけどすごいんですよ。自然の力って。葉っぱがなくなっても枯れることなく、また元気に葉っぱを出すんです。正直、葉っぱがなくなったら枯れるんじゃないかと思っていたんですが、違いました。すごいですね~自然って。

あとは病気の対策ですが、これはしていません(笑)病気がでないわけではないのですが、いつの間にかなくなっています。これは、正直よくわかりません。先ほどのバラで言うと、黒星病というのが発生するのですが、大きく広がらないし、致命的な感じにはなりません。他のハーブも一緒です。

ハーブを育てる方向性

農薬や肥料を購入して、畑の外から資材を入れ、強制的にハーブを育てる方法を選ぶのか?それとも、時間はかかるが、人が手をかけハーブが育ちやすい環境を作り、育てるのか?

私たちは、時間がかかってもハーブの育つ力を育みながら、栽培することを選びました。

この栽培方法が絶対だとは思いません。ただ、農薬や肥料を購入して、それを畑にまくエネルギーを、草を刈り、草マルチをし、虫を手で駆除することに使うことにしました。そうすることで、安心なハーブがお届けできるし、何よりも栽培している私たちが楽しく、健康的に畑で働けることを実感しています。

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