送り火

八月十六日、京都のお盆を締めくくる、大文字の日。

お盆に帰宅していたご先祖の霊が、あの世に帰ってゆく送り火。
この日の京都は、幻想的な火に彩られます。

我が家の宗派は「門徒もの意味知らず」の「浄土真宗」
お迎えに行くこともなければ、お見送りすることもありません。
普段とかわらず過ごしています。

それでも幼き頃から、
「戻って来たはったご先祖さまがあの世に戻らはる道しるべ」
と、教わり育ちましたので、火が灯ると自然と手を合わせます。

祖母が亡くなってからは、南無阿弥陀仏の後に、
「頑張るし来年もここに戻ってきてな」
幾年も過ぎ母が亡くなってからは、
「頼むからまだお父さんを迎えに来んといてな」願います。

手を合わせるときには丁寧に手を合わせると、手のしわ(皺)としわが合わさって、しあわせ(幸福)になるのどすが、
いい加減な合わせ方やと、手のふし(節)とふしが合わさってふしあわせ(不幸せ)になります。

教えてくれたのは祖母。

大文字の日、ちょっとしたおまじないもあります。
黒塗りの丸盆にお酒を入れ、大文字の送り火をそのお酒に映し、お酒をいただくと願いが叶う。

神秘的で、ほんまに願いを叶えてくれるかと思うほど美しい。

今年も願いはひとつ「おとうちゃんを呼ばんといて」

五山の送り火は、祈りの行事です。

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