未来に語り継がれる伝説の舞台「ピエタ」に立ち会った日
29日、下北沢の本多劇場で「ピエタ」を観た。
本多劇場で演劇を観たのは何年ぶりのことだろうか。
しかもチケットは幸運なことに、最前列のど真ん中。
会場後、席に座り、開演まで20分ほど。
すると場内に柔らかい女性の案内の声が。
「スマートフォンの電源は切ってください。」
あれ?キョンキョンの声じゃない?
この案内の声で、小泉さんがいかに自身の自らの手で全てを隅から隅まで細部に渡って全霊を尽くして手掛けているのかを感じとれる。
この作品は15年に小泉さん自身が「株式会社明後日」を設立されてからの悲願の初プロデュース作品だとのこと。
席は満席。
電源を切る前に記念に舞台をパチリ。
劇は2部構成になっていて、途中休憩が入る。
そして劇が始まった。
チェンバロの音から始まり、バロック時代の衣装を身にまとった女優さんたちが入場。
一瞬で劇場の空気がたちまち別の世界へと誘う。
美しい、とても美しい。
キャストは、小泉今日子さん、演劇ファンにはたまらない舞台人の峯村リエ さん、 広岡由里子 さん、伊勢志摩さんに加え高橋ゆらこさん、そしてドラマ、映画でおなじみの石田ひかりさん、ヴァイオリニストの会田桃子さん、ソプラノ歌手の橋本朗子さん、劇中音楽で演奏で作品に彩りを加えるヴァイオリニストの向島ゆり子さん、キーボードの江藤直子さん。
本作は、ヴィヴァルディが孤児の少女たちに音楽を教えていた実話を基に、本作は彼と関わりのあった8人の女性たちの物語。ヴィヴァルディの死をきっかけに、異なる境遇の彼女たちが出会い、深い絆が描かれている。
女優さんひとりひとりの持ち味がとてもうまく生かされている。
石田ひかりさんの華やかさ、安定の広岡由里子さん、じわじわと笑いを誘う伊勢志摩さん、なんだか友達のような気持ちになってしまう高橋ゆらこさん。そして一声で場面の空気を一瞬で変え、見る人の感情を引きずり込んでしまう峯村リエさん。
演劇の中で、生演奏の演出というのはめずらしいのではないだろうか。
ヴァイオリンの会田桃子さんの演奏と、橋本朗子さんの歌唱には圧倒されてしまった。
なにより小泉今日子さんのこの作品への熱量を凄さを感じる。
終わりに近づくにつれ、峯村さんの声に感情が揺さぶられて最後涙が溢れだしてきた。
女優さんたちのこれほどの演技を、しかも舞台最前列の目の前で観られてこれほど幸せなことがあっていいのだろうか。
もしかしたら、私は将来語り継がれる伝説の舞台に遭遇し、体験してしまったのかもしれないと思った。
あっと言う間の2時間半だった。
そして、カーテンコールの女優さんたちがすっごくカッコよかった。
小泉今日子さんが、この「ピエタ」についてダ・ヴィンチのインタビューで次のように語っている。
細部にわたって、すべてが丁寧に手掛けられているこの作品、まさに、この作品は小泉今日子さん自身の誇りをもった生き方そのものじゃないか?と感じた。
小泉今日子さんのこれからがとても楽しみだ。
私も自信をもって、これからも丁寧に生きていこうと思った。
そういえば劇場入り口の掲示板のポストイットにもメッセージが。
記念にT-シャツを買いました。
ただ、ひとつ残念だったことを上げるとすれば、最後に立ち上がってブラボーとできなかったこと。自ら率先してやればよかった。
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