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誰からも羨ましがられないあだ名


女性がおならについて話すことは
公共の場だと、はばかられる。
そのため、女子のおならトークは毎度ひっそりと行われる。

「椅子から立ち上がるとき、
 おならのような音を出してしまった。
 私はおならをしていないけど、
 周りからは絶対におならだと思われただろう。
 でも、優しさゆえの無反応でオフィスは静まり返っている。
 こっちから否定もできないし、
 どうすればよかったですか」(同様の相談2件)

また、他には
「エレベーターで居合わせた人が臭いおならをしたが、
 その人は途中の階でおりた。
 そして別な人(しかも知ってる人)が乗ってきたが
 残り香(残り臭)から、
 完全に私の仕業だと思われただろう。」
など。

そんなお話、全くかわいいレベルだ。
私には相談者の皆様と同等か、むしろそれ以上の経験がある。
そういうわけで彼女たちに、毎度教えて差し上げている。

例えば、
オフィスで私の右隣の人がめちゃくちゃ臭いおならをしたとき
私は優しさゆえの無反応を貫いた。
しかし、今度は左隣の人がその臭いに気づき
私の無反応な態度から、疑いの眼差しがこっちに向いたという話。
(いや、そのおならの攻撃範囲)

あとは、通路を早足で歩いているとき
誰の仕業か知らないけど
めちゃくちゃ臭いおならを鼻から思いっきり吸い込んでしまった。
そしてその激臭を数歩先の自席付近で吐き出すことになった話。
(もしくは吸収した説もあり)

あとは、加害歴もある。
友達と飲んだあと、
歩いて帰る途中におならが出そうになって我慢。
そして、急におしっこにも行きたくなったが我慢。
さらに、友達とのトークが楽し過ぎる。
酔っ払った状態で3つもキープできない。
友達の前でおしっこを漏らすわけにはいかないし
この楽しいトークも止められない。
私は事前に断って、おならの我慢を捨てた。
(友よ。本当に申し訳ない。)

そして無駄に豊富な経験を披露したあとは、こう答えている。
「完全スルーが一番。
 余計な動きをせず、時の過ぎゆくままに任せること」
そもそも過ぎたことなので
どんな答えであっても彼女たちは納得するしかないのだが、
ひっそり悩んでいたことを打ち明け、
それを上回ってくる私のみっともない経験を聞くことで
多少落ち着くようだ。

そういう経緯もあってか
私の元には幾多のおなら相談が舞い込んでくる。
そして、とうとうあだ名がついた。
その名も「おなら弁護士」。

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