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スキルは物々交換?何を「学び直す」のか

今、話題の人的資本経営とは


最近、「人的資本経営」関連のお仕事をしているが、「人材版伊藤レポート2.0」は、共感するところが多い。
”(採用において)企業に選ばれるのではなく、こちらも企業を選びたい”という、私が配信しているYouTube「お仕事学」のコンセプトをそのまま、提唱してくださっているので。

リスキリング(学び直し)が推進される背景

人材育成が必須なので、国をあげてのリスキリング(学び直し)となるのだが、これにはいろいろな意図がある。
企業としては、DX人材が不足しても、いい人材は争奪戦で外部からの採用は難しい、フリーランスも優秀な人材は高い。さらに、テクノロジーの進歩が速く、学び直しし続けないと、毎回採用していると間に合わない、ということもある。・・ならば、自社の人材を育成してたとえ70%でもスキルアップさせるのが効率的。また、優秀な人が辞める理由は「この企業で学べない」だから、優秀な人をつなぎとめておく意味でも、社内研修、人材育成は必須となる。

国も最後までは面倒見切れない?


国としては、企業に給料アップをお願いしても、仕入れやエネルギーコストの高騰等、なかなか厳しい。ならば、個人が転職でキャリアアップ、給料アップをしてもらい、日本経済の底上げに貢献してほしい、というもの。
いわば、従来型の終身雇用型、メンバーシップ型に安住するのではなく、自分で考え、努力して、なんとか生き延びていくしかないかもしれないよ、と提唱しているのだ。終身雇用型の限界は、まさに人材版伊藤レポートの主張と一緒。伊藤レポートは海外でも評価され、つまるところは、日本の経済の停滞、失われた何十年を言い当てているということなのだ。
余談ですが、伊藤邦雄氏は、内閣府の「非財務情報可視化研究会」の座長もされている。

リスキリングとリカレントとどう違う?

リスキリングは企業で実施する研修等、リカレント教育は、学校や企業の外で個人が学ぶもの、という言葉の違いはあるようだが、「ずっと学び続けよう、何歳からでも学び直ししよう」という趣旨はどちらの言葉も同じだ。どちらの言葉も「学び直し」として使われる。
終身雇用型が絶対悪なのではない。しかし、個人が、学校を出ても、あるいは、会社以外でも、学び直しし続けることは、不確定要素が多い社会において、必須になってくる。

ならば、何を学び直すのか?どんなスキルをつけるのか?

「お仕事学」では、英語やプレゼンスキル等大事、といってきた。直近の「お仕事学・アップデート編」では、わかりやすく、国家試験「ITパスポート」の解説をしながら、文系の私も挑戦する予定。(現在準備中)

でも本当に大事なことは、具体的な項目やスキル、資格の前に、学ぶモチベーションを保つ、ということ。すなわち、「学ぶことを嫌いにならない」ということだ。人は本来、興味あることを探索していくのが好きなはず。ただ、義務として強制されると、なんだかやる気なくなってしまうだけ。

真のスキルとは、物々交換に耐えうる「プロフェショナル」

私の考える「真のスキル」は、ほんとうは、資格や試験ではない。
自分が尊敬できる人、自分にはない能力をもった人、専門家や有識者と、議論できたり、対等に話できたりするための、「プロフェッショナル」をもつということだ。
そしてそれをコアとして、さまざまな分野の地権者と、知識やノウハウや考察を「物々交換」する。ときには、専門家から得た知識そのものを、アップデートしたアイテムとして、また別の物々交換のネタにする。その時に大事なのは、そのまま横流しではなく、必ず、自分のフィルタを通した付加価値をつけるということだ。そうしてわらしべ長者のように、興味や探索範囲が膨らんでいく。

このことは、相手が、就職先の企業であっても同じだ。
かなり上から目線で表現すると、こんな感じ。
「こちらにはこんな『プロフェショナル』があります。それを使って、御社に貢献できますけど、どうされますか?」
その後ろには、「(私が)やる気なくすようなことが何回もあったら、すみませんけど、継続できませんよ」という契約でもある。
相手が、私の何を「使える」として、どのような対価(お金だけとは限らない)を払ってくれるのか。どのような期待をしてくれるのか、オファーをくれるのか、をこちらは冷静に見ている。

これには、何かのプロフェッショナルがあることが前提であり、そのプロフェショナルは、資格や試験だけでは得られない。(そんなことはAIのほうがよほど得意)人である限り、深層学習以上に、物々交換できるスキルを持ちたい。

私のスキルがあるのは、まず、まわりのひとたちのおかげ。それと、少なからずの逆境や、制約があったからこそ、身についたもの。いわば、サバイバル力、生き抜くチカラなのだ。
・・・だから、経験則として、声を大にして言いたい。
学び直しはやめられない。
学ぶことを嫌になってはいけない。

参考)「お仕事学・ロジカルシンキング編」15_32_学び直しと生き抜くチカラ・リスキリングとリカレント_88_20230127
https://youtu.be/ObGfwa5nV8A



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